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46話

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シャリューアからの提案は嬉しいことですが、なかなか返事をすることが出来ない私を不自然に思ったんでしょう。

違和感に気付いたディーヴァンが、すぐに

[どうしたんだ?普段なら喜んで名付けるだろう?]

と聞かれましたわね。

まぁ、この提案は私にとってどれほど嬉しい事か、想像できますものね。

シャリューアから名付けて欲しい、と言われたときにディーヴァンを見ると驚きはしていたものの少し嬉しそうでしたし。

ですが、そんな簡単な問題ではありませんのよ。

そう心の中で思いながら小さな竜に視線を向けると、不思議そうな顔をして首を傾げていますわね。

そんな姿も可愛らしいですし、これからもよろしく、という気持ちではありますが、だからこそ、ここはしっかりと言わせてもらいますわ。

なんて思いながら、大きく息を吐いた後に

「それはそうですが、この子の名前を付けるのは如何なものかと思いまして.......」

そう言うと、シャリューアもディーヴァンも何を言っているのか、と言わんばかりに不思議そうな顔をしていますわね。

なので、そんな2人にもわかるように

「竜の世界というか、常識的にはどうなのかわからないけど、私の知っている言葉で、子供の名前と言うのは親からの一番最初のプレゼント......なんて言葉がありますの。だから、この子の名前を私が付けても良いのかなぁ.....と考えてしまって.....」

と私の考えをそのまま伝えると、なぜ私が名前を付けるということにこれほど躊躇していたのかわかってくれたみたいで

[親からの最初のプレゼント.......]

と呟いていましたわ。

ディーヴァンは何も言わないものの、一瞬驚いた顔をましたがすぐに理解してくれて小さく頷いてくれていますわね。

そんな反応してくれるのは私の方も救われる感じがするので、なんだか嬉しいですわ。

なんて思いながら、何かを考えているシャリューアに

「一生この名前を呼ぶんだったら母親から付けてもらいたいじゃない?私だったらそう思うわ」

そう言って肩に乗る竜の頭を優しくなでると気持ちよさそうに目を細めてくれましたわね。

うーん....今すぐにでも抱きしめたいくらいの可愛さですが、こんなに小さいと手加減が難しそうですわ。

少しずつ、距離を縮めていきましょう。

なんて、呑気に思っていましたが、ふと自分の言ったことを思い出して

「あ!でも私に決めて欲しい、と言われたのは本当に嬉しいですわよ?小躍りしそうなくらいには!」

と言い忘れていたことを付けたしましたわ。

というのも、今の言い方で変に誤解されることはないと思いますが、私自身の気持ちを伝えるのは大事ですからね。

シャリューアからの提案は嬉しいけど....ということを前提で聞いて、ということですわ。

そんなことを思いながら引き続き竜の頭を撫でていると

[.......コシューミア]

というか細い声が聞こえてきたような気がしましたわね。

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