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6話 フレグリッドside
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俺たちが会場から追い出される寸前で、父上が
「パーティーは中止とさせてもらう!愚息たちのせいで、皆にも迷惑をかけてすまない」
と言う声が聞こえてきた。
正直、なぜアリスティア達が居なくなっただけでパーティーが中止されるまでのことになるんだ?
しかも、俺にはベネッサと言う王妃に相応しい令嬢がいるにも関わらず、だぞ?
そう思っている間にも、俺以外の取り巻きたちは兵士によって、それぞれ乗ってきた馬車の中に押し込まれていく。
そんな中、俺自身も兵士にしっかりと捕まっているせいで自由に身動きが取れない状況だし...........ベネッサ....そうだ!ベネッサはどこにいるんだ!?
キョロキョロと辺りを見渡したけど、ベネッサの姿はどこにも見当たらない。
俺の近くにいるのは兵士と、さっきまで一緒にいた取り巻きの半分くらいだ。
つまり、取り巻きの半数とベネッサは違うところに連れていかれた、ということだが......。
いや.....そうか、ここは伯爵以上の人が馬車を止めているところだから、男爵令嬢のベネッサはここに来れるわけがないのか。
くそっ......どうにかしてベネッサだけは助けてやろうと思ったのに.....。
なんて思っていると
「殿下も行きますよ」
と兵士に冷たくそう言われて、引きずられるようにその場を後にした。
行きますよ、と言われても、俺はどこに連れていかれるんだ?
この方向は自室ではないんだが......。
戸惑いながらも、兵士達に連れて来られたところは父上の執務室だった。
確かにパーティーが中止になったから、戻ってきているとは思うが.....それでも、あの状況の父上と何も話すことなんてないぞ?
会場で見た父上のことを思い出すと、連れて来られたものの会話になるのか?と疑問に思ってしまう。
何より、父上が連れてくるように、と指示したのかすらも怪しいよな。
なんて思いながら執務室の中に放り込まれるように入ると、そこにはさっきまでの虚ろな目をした父上の姿はすでになく、普段通りの威厳のある父上に戻っていた。
この短期間でのあまりの変わりように、少し戸惑いはするが、なんとか父上に
「一体なんの用事でしょうか?」
と質問をすると、俺の言葉に対して父上は
「何の用事だと.......?貴様の婚約の話に決まっているではないか!」
そう言うと、まるで憎い奴でも見る様な...そんな鋭い視線を向けてきた。
当然だが、こんな視線を父上から送られたことなんてないし、そもそも俺がしたことがそこまで悪いことだとも思っていない。
だって、アリスティアなんかよりもベネッサの方が王妃に相応しいからな!
強いて言うなら竜騎士を手放した、ということに悔いているくらいだ。
そう思った俺は、父上に
「な、なぜ辺境に住むような田舎者との婚約破棄にそこまで怒っているんですか?あ、もしかして竜騎士だから手放すのが惜しい、とかそういう理由ですか?」
ハッキリと思ったことをそのまま聞いてみることにした。
というもの、本当に起こっている理由がわからないしな。
そもそも、父上がこれほどまでにアリスティアとの婚約を大事に思っているなんて知らなかった。
なんて思っていると、俺の言葉に父上は大きなため息をついてこう言ってきた。
「パーティーは中止とさせてもらう!愚息たちのせいで、皆にも迷惑をかけてすまない」
と言う声が聞こえてきた。
正直、なぜアリスティア達が居なくなっただけでパーティーが中止されるまでのことになるんだ?
しかも、俺にはベネッサと言う王妃に相応しい令嬢がいるにも関わらず、だぞ?
そう思っている間にも、俺以外の取り巻きたちは兵士によって、それぞれ乗ってきた馬車の中に押し込まれていく。
そんな中、俺自身も兵士にしっかりと捕まっているせいで自由に身動きが取れない状況だし...........ベネッサ....そうだ!ベネッサはどこにいるんだ!?
キョロキョロと辺りを見渡したけど、ベネッサの姿はどこにも見当たらない。
俺の近くにいるのは兵士と、さっきまで一緒にいた取り巻きの半分くらいだ。
つまり、取り巻きの半数とベネッサは違うところに連れていかれた、ということだが......。
いや.....そうか、ここは伯爵以上の人が馬車を止めているところだから、男爵令嬢のベネッサはここに来れるわけがないのか。
くそっ......どうにかしてベネッサだけは助けてやろうと思ったのに.....。
なんて思っていると
「殿下も行きますよ」
と兵士に冷たくそう言われて、引きずられるようにその場を後にした。
行きますよ、と言われても、俺はどこに連れていかれるんだ?
この方向は自室ではないんだが......。
戸惑いながらも、兵士達に連れて来られたところは父上の執務室だった。
確かにパーティーが中止になったから、戻ってきているとは思うが.....それでも、あの状況の父上と何も話すことなんてないぞ?
会場で見た父上のことを思い出すと、連れて来られたものの会話になるのか?と疑問に思ってしまう。
何より、父上が連れてくるように、と指示したのかすらも怪しいよな。
なんて思いながら執務室の中に放り込まれるように入ると、そこにはさっきまでの虚ろな目をした父上の姿はすでになく、普段通りの威厳のある父上に戻っていた。
この短期間でのあまりの変わりように、少し戸惑いはするが、なんとか父上に
「一体なんの用事でしょうか?」
と質問をすると、俺の言葉に対して父上は
「何の用事だと.......?貴様の婚約の話に決まっているではないか!」
そう言うと、まるで憎い奴でも見る様な...そんな鋭い視線を向けてきた。
当然だが、こんな視線を父上から送られたことなんてないし、そもそも俺がしたことがそこまで悪いことだとも思っていない。
だって、アリスティアなんかよりもベネッサの方が王妃に相応しいからな!
強いて言うなら竜騎士を手放した、ということに悔いているくらいだ。
そう思った俺は、父上に
「な、なぜ辺境に住むような田舎者との婚約破棄にそこまで怒っているんですか?あ、もしかして竜騎士だから手放すのが惜しい、とかそういう理由ですか?」
ハッキリと思ったことをそのまま聞いてみることにした。
というもの、本当に起こっている理由がわからないしな。
そもそも、父上がこれほどまでにアリスティアとの婚約を大事に思っているなんて知らなかった。
なんて思っていると、俺の言葉に父上は大きなため息をついてこう言ってきた。
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