どうやら我が家は国に必要ないということで、勝手に独立させてもらいますわ～婚約破棄から始める国づくり～

プロローグ

「アリスティア・フージュリン！お前のような辺境に閉じこもった女など......いや、お前たちのような辺境に住む田舎者など我が国には必要なぁぁぁい！」

せっかくの建国パーティーと言う記念の日に、パーティー会場のど真ん中でそう叫んだのは私の婚約者であり、この国の王太子の『フレグレッド・バージュリー』ですわ。

ドヤ顔で私に向かってそう言ったフレグレッド様の周りには、1人の令嬢と、10人ほどの子息様.......が立っています。

えっと...確かあの人は公爵子息様で.....隣は伯爵子息様...それから子爵子息.....あ、意外にも爵位を問わずに並んでいる、という状況なんですのね。

フレグレッド様のことなので、伯爵以上の方々ばかりを集めているんだとばかり思っていましたわ。

まぁ、これらの子息様達のことは取り巻き、と呼んでおきましょう。

なんて呑気に考えながら、私のことを睨みつけている人達全員に向かって、

「........それは、我が家を侮辱している、と受け取ってもよろしいでしょうか？」

低い声で、冷たくそう尋ねると

「侮辱？本当のことを言ったまでだ！」

何を思ったのか、フレグレッド様はそう言うと、隣にいた小柄の可愛らしい令嬢の腰を抱いて、大声でこう叫んできましたの。

「大体、お前のような田舎者と婚約するくらいだったら、この可愛らしいベネッサと婚約し、近くで支えてもらった方が国の為にも役立つに決まっているだろう！」

しかもドヤ顔で、ですわ。

はぁ.....こんなの私と会っていないうちに、他の令嬢と不貞行為をしました、と告白しているようなものですわよね？

本当におバカさんですわ。