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340話 アーリアside
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わざわざからかいに来た平民になんて言ってやろうか、と思いながら門に到着すると、そこには薄汚い50歳くらいの男性が立っていて、明らかに路上暮らしをしていたであろう格好の人の姿がハッキリと見えてきたわ。
ただ、お父様よりは痩せているけど身長は同じくらいなのよね。
それにこうやって近くで見ると確かにお父様に似ているような気がするんだけど......。
そう思いながら声がしっかりと聞こえる距離で少し様子を窺っていると、男の首にはお父様が愛用して付けていた金のネックレスが付いているのが見えたわ。
ただ、長い間お風呂にも入っていないのか、金色も薄汚れてしまってぱっと見ではただの汚いネックレスになってしまっているけどね。
でも、それを見た私はこの男がお父様なんだ、ということを確信して
「お、お父様!?」
と声をあげると、門番とお父様も私の姿に気付いたみたいで
「アーリア!」
門番は驚いた顔をしていて、お父様の方はパァっと一気に表情を明るくさせたわ。
ついさっきまでお父様がいたらいいのに、と思っていたからなのかしら?
初めてお父様の姿を見て泣きそうになってしまったじゃない。
はぁ......でも、もうお母様と離婚をしているから、領地のことに口を出すことは出来ないんだよね。
そう考えると、お父様が帰ってきたとしてもあまり意味がないのかも.....。
なんて思っていると、
「だから言っているだろう!?さっさと開けろ!」
今まで誰に対してもあまり話をしなかったのに、今目の前にいるお父様は見たことがないくらい傲慢な態度で門番にそう怒鳴りつけた。
これには流石に驚いて
「ど、どうして......」
とお父様に言うと、何を勘違いしたのか
「やっぱり俺にはお前たちしかいないことがわかったんだ」
と私に縋りつくように近付いてきたわ。
これにはなんて返事を返そうか、と悩んでいると、その間にもお父様の勘違いは進んで
「嬉しいだろ?やはり父親がいない貴族なんて恥だからな」
そう言うと、今まで見たこともないような笑みを私に向けてきた。
でも、その笑みはなぜか凄く気持ちが悪くて、悪いことを企んでいるようにしか見えなかった私は
「何が.......」
怒鳴りつけてやろうと思って声を出したけど、絞り出したかのような、か細い声しか出なかったわ。
そんな私を見て、お父様は歓迎されているとでも思ったんだろうね。
「あ、アーリア?」
嬉しそうにニヤニヤと嫌な笑みを浮かべながら私の名前を呼んできたから、
「何がお前たちしかいない、よ!そんな私たちを捨てるように出ていったくせに!」
今まで溜め込んでいたものを一気に吐き出すかのようにそう言ってやったわ。
するとお父様は、まさか私に拒絶をされるなんて思ってもいなかったんでしょうね。
あの嫌な笑みから一変して、慌てたように
「す、捨てるだなんてそんな......」
取り繕うようにそう言ってきたけど、今の私にはそんなお父様に対して苛立ちしか感じなかったわ。
当り前よね。
だって、私にあのお母様を押し付けて自分は逃げ出したんだもの。
そう思った私は、縋るように私を見ながら腕を掴んでくるお父様を振り払って
「今までまともに関わってこなかったくせに、自分が大変だからって擦り寄ってこないで!」
と言って、門番にお父様を追い返すよう指示を出したわ。
ただ、お父様よりは痩せているけど身長は同じくらいなのよね。
それにこうやって近くで見ると確かにお父様に似ているような気がするんだけど......。
そう思いながら声がしっかりと聞こえる距離で少し様子を窺っていると、男の首にはお父様が愛用して付けていた金のネックレスが付いているのが見えたわ。
ただ、長い間お風呂にも入っていないのか、金色も薄汚れてしまってぱっと見ではただの汚いネックレスになってしまっているけどね。
でも、それを見た私はこの男がお父様なんだ、ということを確信して
「お、お父様!?」
と声をあげると、門番とお父様も私の姿に気付いたみたいで
「アーリア!」
門番は驚いた顔をしていて、お父様の方はパァっと一気に表情を明るくさせたわ。
ついさっきまでお父様がいたらいいのに、と思っていたからなのかしら?
初めてお父様の姿を見て泣きそうになってしまったじゃない。
はぁ......でも、もうお母様と離婚をしているから、領地のことに口を出すことは出来ないんだよね。
そう考えると、お父様が帰ってきたとしてもあまり意味がないのかも.....。
なんて思っていると、
「だから言っているだろう!?さっさと開けろ!」
今まで誰に対してもあまり話をしなかったのに、今目の前にいるお父様は見たことがないくらい傲慢な態度で門番にそう怒鳴りつけた。
これには流石に驚いて
「ど、どうして......」
とお父様に言うと、何を勘違いしたのか
「やっぱり俺にはお前たちしかいないことがわかったんだ」
と私に縋りつくように近付いてきたわ。
これにはなんて返事を返そうか、と悩んでいると、その間にもお父様の勘違いは進んで
「嬉しいだろ?やはり父親がいない貴族なんて恥だからな」
そう言うと、今まで見たこともないような笑みを私に向けてきた。
でも、その笑みはなぜか凄く気持ちが悪くて、悪いことを企んでいるようにしか見えなかった私は
「何が.......」
怒鳴りつけてやろうと思って声を出したけど、絞り出したかのような、か細い声しか出なかったわ。
そんな私を見て、お父様は歓迎されているとでも思ったんだろうね。
「あ、アーリア?」
嬉しそうにニヤニヤと嫌な笑みを浮かべながら私の名前を呼んできたから、
「何がお前たちしかいない、よ!そんな私たちを捨てるように出ていったくせに!」
今まで溜め込んでいたものを一気に吐き出すかのようにそう言ってやったわ。
するとお父様は、まさか私に拒絶をされるなんて思ってもいなかったんでしょうね。
あの嫌な笑みから一変して、慌てたように
「す、捨てるだなんてそんな......」
取り繕うようにそう言ってきたけど、今の私にはそんなお父様に対して苛立ちしか感じなかったわ。
当り前よね。
だって、私にあのお母様を押し付けて自分は逃げ出したんだもの。
そう思った私は、縋るように私を見ながら腕を掴んでくるお父様を振り払って
「今までまともに関わってこなかったくせに、自分が大変だからって擦り寄ってこないで!」
と言って、門番にお父様を追い返すよう指示を出したわ。
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