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294話

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正直、心配される、というのは嬉しいものですわね。

今までは何があっても興味を示されない、というのが普通だったのでなんだか違和感がありますが、やっぱり気にかけてくれている、というのは嬉しいことですわ。

なんて思いながら、なぜその話題を出したのか、と疑問に思った私は続きの言葉を促すように陛下に視線を向けると

「昨日、隣国から手紙が来てな。どうやらその襲撃させようと企んだ犯人が特定されたらしい」

私の視線を察した陛下が何とも言えないような表情でそう言いましたわ。

襲撃させようとした、という割には本当に何もなかったので違和感がありますが、とりあえず

「そうなんですのね」

としか言えませんわよね。

だって、犯人捜しをしよう、なんて思ってもいませんでしたもの。

あ、もちろん誰がやったのか気にはなっていましたけどね?

そう思いながら、陛下の言葉に苦笑していると、

「ユーティン・コルストン公爵令嬢と書いてあったが.......その令嬢との間に何かあったのか?」

陛下は興味深そうに、私に質問してきましたわ。

これには

「ユーティン様.......」

と呟いてしまいましたわ。

誰がやったのか大体の想像はついていたので驚きはしないものの、やっぱり名前を聞くと落ち込みますわね。

きっと、レオンハルト様の婚約者だから、という理由で私が狙われてしまったんでしょうけど、まさかそのようなことをする人だとは思ってもいませんでしたわ。

それに、今回このようなことをしてユーティン様の立場が悪くなってしまうのでは.......。

特にレオンハルト様にこのことを知られてしまうと、それこそ婚約どころか怒ってしまいますわよね?

いや、それよりも陛下の質問に対して知っている令嬢だ、と言ってしまったらユーティン様にされたことも全て話さないといけなくなってしまいますわ。

そうなると、色々と面倒なことになってしまうのでは.....。

そう思った私は、なんて答えるのが良いのか、と頭を悩ませていると、黙り込んでしまったので違和感を感じたんでしょう。

「セリスティア様?」

と3人が首を傾げて私のことを見ていましたわ。

一気に3人から視線を向けられた私は、というと

「あ、あぁ.....え、えっと.......」

と言葉を詰まらせてしまいましたが、それだけで私が何を考えていたのか大体を察したカイン様は

「その様子だと、知っている令嬢なんだね?」

苦笑しながらそう言われたので、とりあえず何か言わないと、と思った私は

「そ、そうですわね。建国パーティーに参加させてもらったとき、挨拶をしていますわ」

カイン様同様に苦笑しながらそう言いましたわ。

すると、心配そうな顔をしたエリザベート様は私がこれほどまでに言葉を選んでいるので怪しく思ったんでしょうね。

「どうしてセリスティア様にそのようなことをしますの?もしかして、そのパーティーで恨まれてしまうようなことでもしたんですか?」

疑うような眼差しで確信をつくような質問をされてしまいましたわ。

そ、そうなんですのよ。

そのパーティーで何かがありましたのよ。

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