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290話

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反省したかも、と期待していたのに叔父様の発言は凄く残念でしたが、これは性格も関わってくることなので仕方がないことなのかもしれませんわね。

だって、そう簡単に反省するような人だとは最初から思っていませんもの。

ただ、手紙に自分から反省した、とか心を入れ替えた、なんて書いたんですから、私と話をしている間くらいしっかりとその対応をして欲しかったですわよね。

本性がわかるのが早すぎて、私としても凄く複雑な気分になりますわ。

そう思いながら、ユーリと一緒に、久しぶりに自分の部屋に戻ってきましたわ。

この部屋を出るときは、もう戻ってくることがないかもしれない、と覚悟して部屋をでたものですが、やっぱり帰ってこれると嬉しいものですわね。

やっぱりこの家自体にお父様とお母様との思い出が沢山詰まっていますし、いくら伯父様たち公爵家の人達が優しいとはいえ、少し距離がありましたし。

そう思いながら、久しぶりに部屋の中を見渡してみましたわ。

すると、ふと気付いたことがあったので、私が幼い頃からずっと使っているタンスに近付くと、それに気付いたユーリが

「どうかしたんですか?お嬢様」

と不思議そうな顔をしながら聞いてきましたわね。

そりゃあ、急にタンスに近付いていく姿を見ると何かあったのか、と思われるのは当然ですわね。

なんて思いながら、首を傾げているユーリに

「いや......あのタンスの上の花瓶が変わっていると思って」

そう言って、タンスの上に置いてある花瓶を指さしましたわ。

確か、私が部屋を出る前は白地に赤の線が入った花瓶だったはずですが、今は真っ白の花瓶に変わっているんですのよね。

あの花瓶はお母様の部屋に置いてあったものなので、凄く大事にしていたんですが........一体どこにいってしまったんでしょう?

あぁ、もちろん白い花瓶が気にいらない、とかそういうわけではありませんのよ?

手垢1つない綺麗な花瓶ですし、形も普通の物よりも少し小ぶりで丸く、可愛らしい形をしていますわ。

なんて思っていると、クローゼットに伯父様たちから貰ったドレスを片付けていたユーリも花瓶に視線を向けると

「本当ですね......もしかして、掃除している時に割ってしまったんでしょうか?」

帰ってきたばかりなので当然のことかもしれませんが、何も聞いていなかったみたいでキョトンとした顔をしながらそう言いましたわね。

割ってしまった、ですか.......。

「それはわからないけど......別に怒らないんだから部屋関連のことは報告して欲しかったわよね」

確かに割られてしまったことはショックですが、壊れてしまうものなので、仕方がありませんのよね。

ただ、何も報告がない状況で見るのと、報告をされた後に見るのでは気分が違うと言いますか.....。

とにかく、なぜ変えたのか気になってしまいますわよね。

まぁ、後からメイド長にでも聞いてみたらわかると思うしかありませんが......なんだかモヤモヤとしますわ。
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