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287話

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心を入れ替えたと言っていたので、少しは期待をしていましたが、あまりにも期待外れのことしか言ってこない叔父様に呆れた私は、何か言って来るのか、と一旦黙って待ってみることにしましたわ。

ですが、私の反応を見て叔父様なりに何かを察したんでしょうね。

下を向いているだけで何も言葉を発しなくなってしまいましたわ。

ただ、黙っていても埒が明かないので叔父様に

「ところで、叔父様はこれからどうするつもりなんですの?離婚したんですから子爵家にはいられませんわよね」

と尋ねてみましたわ。

確か、一応お父様のお父様.....私からするとおじい様達が隠居されていた家は残っているはずですわよね?

ただ、おじい様達は私が幼い頃に亡くなってしまっているので、結構長い間放置されていますが......。

使う予定は全くないので行くとしたらそこに行くんでしょうか?

そう思っての質問でしたが、何を思ったのか叔父様は

「そ、そのことについてなんだが.........ここに住んでもいいだろうか?」

遠慮気味にではありますが、私にそう聞いてきたではありませんか。

まさかそんなことを言われるなんて思ってもいなかった私は、思わず

「はぁ!?」

と令嬢らしからぬ声を出してしまいましたわよ。

そんな私に対して

「ほ、ほら、元々はこの家は俺が住んでいた家でもあったんだし、実家だ。セリスティアだって大人の手があった方が良い時があるだろう?」

叔父様は付け足すようにそう言ってきましたが、もしかして自分の都合が悪いことは全て忘れてしまう人なんでしょうか?

なぜこの家に住めると考えていたのか不明ですわよね。

私に謝罪をしたから大丈夫だとでも思っているんでしょうか?

そう思いながら、私の顔色を窺うような目で見て来る叔父様に

「何を言っていますの?」

と冷たく言い放ちましたわ。

自分で想像していた以上に冷たい声が出てきて驚きましたが、それだけ叔父様に対して思うことがある、ということですわよね。

なんて思いながら叔父様のことを見ると、私に何を言われたのか一瞬理解が出来なかったみたいで、キョトンとした顔をしていますわ。

そんな叔父様を鋭い目でキッと睨みつけると、流石の叔父様もマズいと思ったんでしょうね。

何かを言おうと口を開こうとしましたが、それよりも先に

「今まで散々我が家に見向きもしなかったくせに自分の都合が良い時だけ実家ですって?ハッキリ言うと叔父様のようなお荷物を抱えるほど私もお人よしではありませんのよ」

私がそう言うと、叔父様はあからさまに焦ったような顔をして

「お荷物なんて......もちろんここに住まわせてもらえるなら領地経営も手伝う。いや、住まわせてくれるのであれば従者として扱ってもいい」

と言ってきましたわね。

どうやら叔父様の中でおじい様達が隠居していたお屋敷の方に行く、という考えは一切ないらしく、縋るような目で私のことを見ていますわ。

ですが、そんな叔父様を見ても可哀そうだ、とか、なんとか力になりたい、なんて考えは全く浮かんでくることなく、ただただ呆れてしまいましたわ。

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