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277話 レオンハルトside

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3人の変わりように驚かずにはいられない僕は、普段通り.....いや、むしろ普段よりも上機嫌の3人に囲まれてどんな顔をして座っていたら良いのかわからなくなってしまった。

そんな僕の心境に気付いていない3人は、ニコニコしながらお茶を飲んでいるのはいいけど.....今からコルストン公爵が来るというのに椅子が1つも空いていないということに気付いていないのか?

それとも気付いていてわざとやっている、とか?

いやいや......でも3人が3人とも同じことを考えて実行しているとは流石に思えないし.......3人とも気付いていないだけなのか?

なんて僕が考えているうちにもメイドがコルストン公爵を応接室に案内してしまった。

こうなってしまったら座って和やかに話をする、という状況ではなくなってしまうよね?

そう思いながら、どうするのか、と様子を伺っていると、コルストン公爵は応接室に入ってくるなり

「この度はうちの娘が本当に申し訳ないことをした」

そう言って、床に膝を着いて深々と頭を下げた。

しかも、コルストン公爵だけではなく、一緒に来ていたコルストン公爵夫人までもが隣で頭を下げたものだから驚いてしまった。

あ、もちろん謝罪をする、というのは今回の件を考えたら当然のことなんだけど、貴族っていうのは自分と同等、または格下の相手に対して頭を下げたがらないんだよね。

それなのに、今目の前にいるコルストン公爵は頭を下げないどころか床に一番近いところで、しっかりと頭を下げている。

まぁ、そうやって謝罪をしないといけないくらいのことをユースティン様がしてしまった、と言えばその通りだけど、僕が公爵や夫人の立場だったら、ここまでしっかりと謝罪をしてくれた、ということだけは評価したいと思うね。

なんて思いながら、公爵たちはどのような反応をするのか、と待っていると

「頭を上げてくれ。私たちは謝罪を求めているわけではない」

そう言った公爵の表情は怒ってはいないけど普段通りとも何か違う......なんというか、物凄く表現のしづらい顔をしていて、感情が全く読み取ることが出来なかった。

それは夫人も同様で、ニコニコと笑ってはいるものの、それは機嫌が良いから、とかそんなものではなく、でも怒っている訳でもない、難しい表情をしていた。

こんな顔をされて、しかも椅子も用意されていないって.......僕だったら怖くてにげだしたい、と考えてしまうかも。

そんな僕の考えと同様に、どうやらコルストン公爵も何かを察したみたいで

「当然許してもらおう、だなんてことは考えていない。ただ、やはり謝罪は最初にしないといけない、と思ってしているだけだ」

と強気に言ったものの、顔色は悪く、少し声が震えていた。

隣のコルストン公爵夫人なんて倒れてしまわないか心配になるくらい顔を真っ青にさせてプルプルと震えているし......もしかして、この家の人達は目と雰囲気だけで人を殺せるのでは?

なんて思いながら、僕が3人に怯えていることがバレないようグッと気持ちを引き締めた。
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