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261話 レオンハルトside
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内心では、帰宅したい、という思いが強くなってきているなか、なかなか言い出すことも出来ずにブレイド様と会話をしていた。
ただ、話をしていてつまらない、というわけではなく、僕としても凄く勉強になる話をしてくれたし、凄く楽しく話をすることが出来た、というのを考えたら流石だな、と感心してしまった。
だって、話しをしてもつまらない人は相当つまらないし、会話の中身がないのは貴族の、しかも子息だったら当たり前みたいなところがあるからな。
ブレイド様のようなひとは相当珍しいと思う。
そんなことを思いながらブレイド様と話をして約30分後、部屋を出て行った夫人が戻ってきた。
ただ、部屋を出て行ったときの雰囲気とは一変して、顔を強張らせているのを見ると、この短時間の間で何か問題が起こった、というのは一目瞭然だ。
とはいえ、ここに戻ってきた、ということは、それほど大きな問題ではない、ということなのか?
だって、普段の夫人なら、すぐにでも問題の対処をして、全てが終わってから戻ってくる、というような感じにするはずだ。
そう思いながら、チラッと正面に座るブレイド様を見ると、どうやら僕と同じことを思っているみたいで、不思議そうな顔をしながら、夫人が何を言うのか、と言葉を待っていた。
すると、そんな僕たちの視線にに夫人も気づいたんだろう。
眉間に皺を寄せて黙り込んでいたけど、少ししたら
「あぁ、ごめんなさいね」
と力なく呟いてきた。
そんな夫人に対して、どう声をかけていいのかわからない、というのが本音だけど、このまま黙っていても仕方のない事だし、ここに来た、ということは、僕とブレイド様、もしくはどちらかに話があるということだ、と判断した僕は、
「何かあったんですか?」
と質問をしてみた。
すると、どうやら夫人は俺たちにどう話をするのか悩んでいたみたいで、僕の質問に対して
「あー......」
と何とも言えないような顔をしていたけど、すぐに
「察しているとは思うんだけどね」
と、前置きをした後に、一体何があったのか話をしてくれた。
どうやら、夫人が公爵に呼ばれた理由、というのが、セリスティアのことだったんだけど、夫人の表情から察しはしていたけど良い話ではなかった。
というのも、その話の内容というのがセリスティアの乗っていた馬車が襲われそうになった、ということらしいんだよね。
これには驚いて思わず言葉を失ってしまったけど、ブレイド様の
「えっと........」
という言葉でハッと我に返った。
「それって.....セリスティア様は無事なんですよね?」
恐る恐る、夫人にそう質問をすると、不安そうな顔をしている僕に対して夫人は苦笑しながらではあったけど
「えぇ、もし無事じゃないのであれば、今頃ここに来ていないわ」
と返事をしてくれた。
ま、まぁ、言われてみればその通りだよね。
セリスティア様が襲われていたら夫人はこんなに落ち着いていないだろうし.......。
考えてみたらすぐにわかることだったな。
なんて思いながら、夫人の言葉に
「そ、それもそうですね」
とだけ返事をした。
ただ、話をしていてつまらない、というわけではなく、僕としても凄く勉強になる話をしてくれたし、凄く楽しく話をすることが出来た、というのを考えたら流石だな、と感心してしまった。
だって、話しをしてもつまらない人は相当つまらないし、会話の中身がないのは貴族の、しかも子息だったら当たり前みたいなところがあるからな。
ブレイド様のようなひとは相当珍しいと思う。
そんなことを思いながらブレイド様と話をして約30分後、部屋を出て行った夫人が戻ってきた。
ただ、部屋を出て行ったときの雰囲気とは一変して、顔を強張らせているのを見ると、この短時間の間で何か問題が起こった、というのは一目瞭然だ。
とはいえ、ここに戻ってきた、ということは、それほど大きな問題ではない、ということなのか?
だって、普段の夫人なら、すぐにでも問題の対処をして、全てが終わってから戻ってくる、というような感じにするはずだ。
そう思いながら、チラッと正面に座るブレイド様を見ると、どうやら僕と同じことを思っているみたいで、不思議そうな顔をしながら、夫人が何を言うのか、と言葉を待っていた。
すると、そんな僕たちの視線にに夫人も気づいたんだろう。
眉間に皺を寄せて黙り込んでいたけど、少ししたら
「あぁ、ごめんなさいね」
と力なく呟いてきた。
そんな夫人に対して、どう声をかけていいのかわからない、というのが本音だけど、このまま黙っていても仕方のない事だし、ここに来た、ということは、僕とブレイド様、もしくはどちらかに話があるということだ、と判断した僕は、
「何かあったんですか?」
と質問をしてみた。
すると、どうやら夫人は俺たちにどう話をするのか悩んでいたみたいで、僕の質問に対して
「あー......」
と何とも言えないような顔をしていたけど、すぐに
「察しているとは思うんだけどね」
と、前置きをした後に、一体何があったのか話をしてくれた。
どうやら、夫人が公爵に呼ばれた理由、というのが、セリスティアのことだったんだけど、夫人の表情から察しはしていたけど良い話ではなかった。
というのも、その話の内容というのがセリスティアの乗っていた馬車が襲われそうになった、ということらしいんだよね。
これには驚いて思わず言葉を失ってしまったけど、ブレイド様の
「えっと........」
という言葉でハッと我に返った。
「それって.....セリスティア様は無事なんですよね?」
恐る恐る、夫人にそう質問をすると、不安そうな顔をしている僕に対して夫人は苦笑しながらではあったけど
「えぇ、もし無事じゃないのであれば、今頃ここに来ていないわ」
と返事をしてくれた。
ま、まぁ、言われてみればその通りだよね。
セリスティア様が襲われていたら夫人はこんなに落ち着いていないだろうし.......。
考えてみたらすぐにわかることだったな。
なんて思いながら、夫人の言葉に
「そ、それもそうですね」
とだけ返事をした。
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