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236話
しおりを挟むまぁ.......ディアの言う通り読んでみないとわかりませんしね......。
もしかしたら、領地のことについて、とか大事なことが書かれている可能性もあります。
そう考えたら読んでみて、どうするのか決めるのが一番の得策ですわよね。
なんて頭ではわかっていますが、どうしても気分が重たくてディアの言葉に返事をすることなく大きくため息をついてしまいましたわ。
すると、私がディアの言葉に対してため息をついた、と勘違いしたんでしょうね。
急にディアがペーパーナイフを握っていた手を引っ込めたかと思ったら
「す、すみません!なんだか勝手なことばかり言ってしまって......」
本気で落ち込んだ顔をしながら謝罪してきましたわね。
な、なんだか私の無意識に近い行動のせいで勘違いさせてしまったみたいで申し訳ないわ。
ただ、そこまで落ち込まなくても.......。
そう思いながら、下を向いているディアに
「あぁ、ディアに怒ったりとか、そんなことではないのよ。ただどうしても気分が乗らないというか......頭ではわかっていてもなかなか....ね?」
そう言って苦笑すると、黙って様子を眺めていたユーリとミリアも
「言ってしまえば、あの人もお嬢様を良い様に利用して、バカ2人を放置していた張本人ですからね」
「そう考えると気分が乗らないのも当然ですよ」
と口では私の言っていることに頷いていますが、気分を落としてしまったディアの方や背中をポンポンと叩いて慰めてくれていますわ。
あまりにも流れるような自然な動きですが......これは私には出来ない行動なんですのよね。
なんといいますか.....私がやるとわざとらしく見えてしまう....と言うんでしょうか?
やっぱりどこか上下関係のようなものが見えてしまって、ユーリとミリアのように自然に見えないんですのよ。
なので、なんだか羨ましくも感じますわ。
なんて思いながら、少しずつ下を向いていたディアが普段通りに戻ってきたので
「まぁ、とりあえずディアの言っていることは正しいし、開けてみるわ」
苦笑しながらそう言った私は、ディアからペーパーナイフを受け取って、ゆっくりと叔父様からの手紙の封を開けましたわ。
はぁ......何が書かれているのかわかりませんが、とりあえず読めるような綺麗な字で書かれていて欲しい、というのが私の本音ですわね。
そう思いながら封筒から手紙を出したのはいいですが........
「な、なんだか思った以上に枚数が多いですね」
便箋を手に固まった私を見て、ユーリがそう言いましたわね。
そうなんですのよ。
封筒から便箋を取り出したのは良いですが、2枚くらいだろう、と思っていた便箋はまさかの5枚にもわたる物凄く長文の手紙だったらしく、開けてよかったような、悪かったような.......凄く複雑な気分になりましたわ。
いや、そもそも5枚も入っているのにここまで薄い封筒に出来るのって凄いと思いますわね。
なんだか変なところに才能を発揮しないでほしいですわ。
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