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221話 義父side
しおりを挟む「ユーミア、もう限界だ。離婚してくれ」
久しぶりに家に帰ってきていたユーミアに俺は開口一番そう声をあげた。
平民達が我が家にユーミアの行動を訴えてから、既に2か月の時が経過しているが、その間に自分の出来ることをやろうと、準備を進めてきた。
というのも、ユーミアの行動をしっかりと把握するために、少ないお金からなんとか準備した金でユーミアの尾行を頼んでみることにしたんだ。
流石にすぐに準備できる金額ではなかったから時間がかかってしまったが、その結果がちょうど一昨日来て、それを読んだ結論が離婚、ということだった。
急な俺の言葉に、当然だがユーミアは
「何を言っているの?」
とバカにしたように笑ってきたが、多分自分の行動が俺にバレているとは思ってもいないんだろうな。
余裕そうな顔をしてニヤニヤと俺をバカにするように笑って
「もしかして、忘れているの?この家は私の家よ。そして貴方は入り婿」
俺のことを指さしながらそう言ってきた。
まぁ、当然だがそう言われることはわかっていたし、想定内だ。
ただ、自分の家だ、と言う割には金を使うだけで領地経営も家の管理も全くやってこなかったんだよな。
都合のいい時だけそうやって主張をしてきても......と思ってしまうが、このタイミングでそれを言ってしまうと逆上してくることはわかっていたから
「わかっている。俺は平民になってもいい、と覚悟をして言っているんだ」
ニヤニヤとバカにしながら俺を見ているユーミアに対して、俺は淡々とそう言った。
そもそも、離婚をしたらこの家とは無関係になるんだしな。
今まで必死に頑張ってきたことが全て無駄になる、と考えたら少し悲しくも感じるが、こいつと離婚が出来るならそんなのはどうでもいい。
むしろ、喜んで手放してやる。
そう思いながらユーミアを見ると、俺の意思が固いことを察したんだろう。
ふんっ、と鼻で笑ったかと思ったら、今度は
「私は別に構わないけど陛下はなんて言うかしらね。貴族同士の離婚は陛下の許可がないと出来ない、って当然わかっているわよね?」
そう言ってきた。
当然....と言って良いのかわからないが、平民同士の婚姻に関しては両家の合意の元、自由に結婚離婚をしても構わないが、貴族同士の結婚と離婚は国王の了承がないと出来ないことになっている。
というのも、やはり領地のことや家同士の関り、それから跡継ぎについてなど、平民と違って決めないといけないことが多い、ということで、陛下が納得するような大きな理由がないと離婚は難しいと言われている。
だからこそ、離婚だ、と俺に言われてもユーミアは余裕そうな顔をしているんだろうが........余裕そうな顔をしていられるのも今のうち、というやつだ。
俺だって何も知らないバカではない。
しっかりと準備をして話をしているに決まっているだろう。
なんて思いながら、ニヤッと笑った俺は
「あぁ、そのことなら大丈夫だ」
そう言うと、机の上に用意してあった紙をユーミアの前に差し出した。
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