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219話

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まぁ、とりあえず伯母様もレオンハルト様もシャリア様が味方についてくれるのは凄く良い事だ、とのことなので、喧嘩を売られるだけだと思っていたパーティーだったのに、まさかの収穫ですわよね。

しかも良い方での結果だったので、今回のパーティー参加してよかった、と思いましたわ。

ただ、良い事だけではない、というのが複雑な気分になってしまいますけどね。

なんて思っていると、

「えーっと.......それからカティちゃんのことね」

という伯母様の声が聞こえてきて

「あ.........はい」

とあからさまに気分を落としてしまいましたわ。

すると、そんな私の雰囲気を察したレオンハルト様が

「そんなに落ち込むようなことを言われたの?」

と心配そうな顔をして聞いてきましたわね。

あ、もちろんカティ様に酷い事といいますか.....複雑な心境になるようなことは言われましたわ。

ただ、それで落ち込んでいるわけではありませんし.........いや、それも原因の1つではありますが、とはいえカティ様だけが悪い、ともはっきり言えないと言いますか.........。

とりあえず、レオンハルト様の質問にどう答えていいかわからず、なんとも言えない顔で首を傾げていると

「まぁ、今日であの子のことはよくわかったでしょう?」

伯母様は少し複雑そうな顔をしながらそう言ってきましたわ。

あの子のこと、というのはカティ様がレオンハルト様のことを好いている、ということですわよね?

その言い方から察すると、もしかして伯母様は元々知っていましたの?

そう思った私は、複雑そうに笑う伯母様に

「もしかして、伯母様は元々知っていましたの?」

と率直に聞いてみましたわ。

すると、一瞬悩んだような顔はしましたが

「いや、私も最初から知っていたわけではないわ。ただ、セリスティアに誤解を生むようなことを言ってきたり、行動といい思い当たることがあったからこそ、家庭教師を辞めさせたのよ」

そう言ってきた伯母様を見ると、私のことを考えて、裏で色々と行動してくれていたのがよくわかりましたわ。

当然、カティ様だけを家庭教師から外す、と聞いた時はなぜそのようなことを、と本気で思いましたが、今日のカティ様を見ると、もし私が伯母様の立場でも同じ決断をしたと思います。

そう思いながら、何も言わずにただただ無言で頷きましたわ。

ただ、レオンハルト様だけは一体私と伯母様が何の話をしているのか把握できていないので、

「え?えっと......一体何が起こったのか聞いても.....?」

と遠慮気味にではありますが、話しに入ろうとしていますわ。

そんなレオンハルト様がなんだか面白くて、ついついフッと笑ってしまいましたが、ここでレオンハルト様だけが何も知らないのはおかしい話しですものね。

カティ様のことは元々話をしていましたし、妹のリーシャ様とは後少しではあるもののこれからも関りがあるんです。

そう思った私は、少し言葉を選びながらではありますがレオンハルト様がいない間にあったカティ様の話をしましたわ。


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