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パッと声のした方を見ると、そこには金色の髪の毛に青い目をした、一言で言うと物凄く美人な令嬢が、無表情で私たちのことを見ていますわ。

この令嬢は......きっと、私と同じ年くらいですわよね。

ただ、ドレスを見るとさり気なくダイヤモンドが使われている部分があるのを見ると、相当爵位は上の人なんでしょう。

その証拠に、ジャミン様のことを聞いてきた令嬢も、アーリナ様とその取り巻きの令嬢たちも怯えた様子で私から少し距離を取りましたもの。

多分ですが、この会場にいる令嬢の中でも上の立場の人なんでしょうね。

なんて呑気に思っていると、金髪の令嬢は私とアーリナ様達を交互に見ると、なぜか大きくため息をつきましたわ。

これには驚いて、え?と声を出してしまうところでしたが、ここはなんとか堪えて、何を話すのか、と視線だけを送っていると

「貴方達は1人を相手にこんなにも大人数で何をしようとしていましたの?」

金髪の令嬢は私を責めるわけでもなく私の前に立っていた令嬢とアーリナ様達のほうに向かってそう言いましたの。

てっきり、他の国の令嬢が大事な建国パーティーで問題を起こしていることに怒っているんだと思っていましたが.....。

アーリナ様達もまさか自分達が怒られるとは思ってもいなかったみたいで、驚いた顔をしながら

「べ、別に.....ただ、初めましてなので挨拶をしようかと思いまして.........」

「そ、そうですわ」

「何ももめ事を起こしているわけでは.....」

と必死に令嬢の機嫌を取ろうとしていますわ。

ですが、令嬢はそんなアーリナ様達に対して

「あら?だったらなぜ、この令嬢を睨みつける必要があったのかしら?」

冷たくそう言い放つと、流石に何も返す言葉が出てこないみたいで

「そ、それは......」

モゴモゴとさせて、黙り込んでしまいましたわ。

す、すごいですわね。

大声を出すことなくこの人たちを大人しくさせるなんて.......。

私が同じようなことを言ってもバカにしてくるか、聞く耳を持たないか、のどちらかですわ。

やっぱりまだ成人していないとはいえ、権力のある人の言うことを聞いておく、という感じなんでしょうか?

そう思いながら、金髪の令嬢の顔色を窺うように様子を見守りましたわ。

すると次の瞬間、金髪の令嬢が急に私の方に向きを変えたかと思ったら

「我が国の令嬢が粗相をして大変申し訳ございません」

と私に対して、深く謝罪をしてきたではありませんか。

これには驚いて

「え!?」

と声を出してしまいましたが......な、何が起こっていますの?

別に謝罪されるようなほど怒ってはいませんし、レオンハルト様と婚約した時点で何かしら言われるだろう、とは思っていたので何も問題はありませんわよ?

なんて思いながら令嬢を見つめますが、私が頭を上げるよう言わないからなのか、下げた頭を上げる気配が全くありませんわね。

え、えっと.......とりあえず、このままだと周りからも注目されてしまいますし

「あ、頭を上げてください!」

と令嬢に声を掛けると、やっと頭を上げてくれましたわ。

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