187 / 344
187話
しおりを挟む
正直、ユーティン様に関して思うことはありますが、レオンハルト様の幼馴染を悪く言いたいわけではありません。
きっと私の気のせいですし、せっかくのパーティーで私から騒ぎを起こすのはいけませんわ。
そう思いながら、ユーティン様と握手を交わしていた手を解くと、すぐにレオンハルト様が再び私の腰に手を当てようとしましたが
「ところで、お父様達には挨拶に行ってくれたかしら?」
と言って近付いてきたユーティン様にレオンハルト様の手が遮られてしまいましたわ。
どういうこと?と思うかもしれませんが、私とレオンハルト様の間にバレないくらい本当に少しだけ体を入れてきましたのよね。
おかげで、レオンハルト様の腕が私の腰に届くことはなく、空振りになってしまったんですが、ユーティン様は流れるような動きでそのレオンハルト様の腕を取って自分の方に引き寄せていますわね。
これは流石に婚約者がいる人に取るような行動ではありませんわ。
まるで私に見せつける様にわざとやっている、みたいな........。
なんて思っていると、レオンハルト様はどう思っているのかわかりませんが
「兄上が挨拶に行っているよ」
と言いながら、掴まれた腕をさり気なく解こうとしていますわね。
少しずつユーティン様と距離を取って、私の方に寄ろうとしているにも関わらず、ユーティン様が腕を話してくれないせいで自由に動くことが出来ない、というなんだか凄い状況になっていますわ。
なんだか面白い状況だ、と思って、私たちのことを監視していたアーリナ様達の方に視線を向けると、今まで私のことを睨みつけていたのに、今ではユーティン様のことを睨みつけていますし。
もしかしたら、この令嬢たちにとってもユーティン様の存在は相当邪魔なものだったんじゃないでしょうか?
なんて私が思っているうちにもユーティン様はレオンハルト様に対して
「そんなこと言わずに、レオンハルト様も挨拶に来てくださいませ」
と可愛らしくおねだりをしていますわ。
きっと、このままだとレオンハルト様はユーティン様に連れていかれて私の元を離れて行ってしまうんでしょう。
となると、私は令嬢たちから一気に責め立てられるんでしょうね。
まぁ、出来ることなら私がこの2人の間に入って、レオンハルト様を引き剥がしてあげるのが一番いいんでしょうけど、レオンハルト様でも剥がせない令嬢を相手にするのは多分不可能ですわ。
うーん......令嬢たちに責められる、としっかりと覚悟を決めておかないといけませんわね。
なんて思いながら、レオンハルト様がどのような行動をとるのか少し離れたところで眺めていると
「いい加減にしてくれ」
という今まで聞いたこともないくらい低い声が聞こえてきましたわ。
これには、私だけではなくユーティン様も驚いたみたいで
「れ、レオンハルト様?」
今まで何をしても離さなかった手をパッと離して驚いた顔をしていますわね。
きっと、優しいレオンハルト様が怒るとは思ってもいなかったんでしょう。
そんなユーティン様を冷たい目で見つめたレオンハルト様は
「僕には婚約者が居ることを知っているだろう?それなのに、なぜ馴れ馴れしく腕を組んでくる?挨拶だって兄上が行っている、と何度も説明しているだろう?」
と言うと、私の方にスッと近付いてきて
「どうしても挨拶に行って欲しいなら行くよ。ただ、ユーティン嬢ではなく自分の婚約者と一緒に、だけどね」
そう言うと、さっきは邪魔されてしまいましたが、今度はしっかりと私の腰を抱いてユーティン様のことを睨みつけましたわ。
きっと私の気のせいですし、せっかくのパーティーで私から騒ぎを起こすのはいけませんわ。
そう思いながら、ユーティン様と握手を交わしていた手を解くと、すぐにレオンハルト様が再び私の腰に手を当てようとしましたが
「ところで、お父様達には挨拶に行ってくれたかしら?」
と言って近付いてきたユーティン様にレオンハルト様の手が遮られてしまいましたわ。
どういうこと?と思うかもしれませんが、私とレオンハルト様の間にバレないくらい本当に少しだけ体を入れてきましたのよね。
おかげで、レオンハルト様の腕が私の腰に届くことはなく、空振りになってしまったんですが、ユーティン様は流れるような動きでそのレオンハルト様の腕を取って自分の方に引き寄せていますわね。
これは流石に婚約者がいる人に取るような行動ではありませんわ。
まるで私に見せつける様にわざとやっている、みたいな........。
なんて思っていると、レオンハルト様はどう思っているのかわかりませんが
「兄上が挨拶に行っているよ」
と言いながら、掴まれた腕をさり気なく解こうとしていますわね。
少しずつユーティン様と距離を取って、私の方に寄ろうとしているにも関わらず、ユーティン様が腕を話してくれないせいで自由に動くことが出来ない、というなんだか凄い状況になっていますわ。
なんだか面白い状況だ、と思って、私たちのことを監視していたアーリナ様達の方に視線を向けると、今まで私のことを睨みつけていたのに、今ではユーティン様のことを睨みつけていますし。
もしかしたら、この令嬢たちにとってもユーティン様の存在は相当邪魔なものだったんじゃないでしょうか?
なんて私が思っているうちにもユーティン様はレオンハルト様に対して
「そんなこと言わずに、レオンハルト様も挨拶に来てくださいませ」
と可愛らしくおねだりをしていますわ。
きっと、このままだとレオンハルト様はユーティン様に連れていかれて私の元を離れて行ってしまうんでしょう。
となると、私は令嬢たちから一気に責め立てられるんでしょうね。
まぁ、出来ることなら私がこの2人の間に入って、レオンハルト様を引き剥がしてあげるのが一番いいんでしょうけど、レオンハルト様でも剥がせない令嬢を相手にするのは多分不可能ですわ。
うーん......令嬢たちに責められる、としっかりと覚悟を決めておかないといけませんわね。
なんて思いながら、レオンハルト様がどのような行動をとるのか少し離れたところで眺めていると
「いい加減にしてくれ」
という今まで聞いたこともないくらい低い声が聞こえてきましたわ。
これには、私だけではなくユーティン様も驚いたみたいで
「れ、レオンハルト様?」
今まで何をしても離さなかった手をパッと離して驚いた顔をしていますわね。
きっと、優しいレオンハルト様が怒るとは思ってもいなかったんでしょう。
そんなユーティン様を冷たい目で見つめたレオンハルト様は
「僕には婚約者が居ることを知っているだろう?それなのに、なぜ馴れ馴れしく腕を組んでくる?挨拶だって兄上が行っている、と何度も説明しているだろう?」
と言うと、私の方にスッと近付いてきて
「どうしても挨拶に行って欲しいなら行くよ。ただ、ユーティン嬢ではなく自分の婚約者と一緒に、だけどね」
そう言うと、さっきは邪魔されてしまいましたが、今度はしっかりと私の腰を抱いてユーティン様のことを睨みつけましたわ。
21
お気に入りに追加
4,208
あなたにおすすめの小説
前世軍医だった傷物令嬢は、幸せな花嫁を夢見る
花雨宮琵
恋愛
侯爵令嬢のローズは、10歳のある日、背中に刀傷を負い生死の境をさまよう。
その時に見た夢で、軍医として生き、結婚式の直前に婚約者を亡くした前世が蘇る。
何とか一命を取り留めたものの、ローズの背中には大きな傷が残った。
“傷物令嬢”として揶揄される中、ローズは早々に貴族女性として生きることを諦め、隣国の帝国医学校へ入学する。
背中の傷を理由に六回も婚約を破棄されるも、18歳で隣国の医師資格を取得。自立しようとした矢先に王命による7回目の婚約が結ばれ、帰国を余儀なくされる。
7人目となる婚約者は、弱冠25歳で東の将軍となった、ヴァンドゥール公爵家次男のフェルディナンだった。
長年行方不明の想い人がいるフェルディナンと、義務ではなく愛ある結婚を夢見るローズ。そんな二人は、期間限定の条件付き婚約関係を結ぶことに同意する。
守られるだけの存在でいたくない! と思うローズは、一人の医師として自立し、同時に、今世こそは愛する人と結ばれて幸せな家庭を築きたいと願うのであったが――。
この小説は、人生の理不尽さ・不条理さに傷つき悩みながらも、幸せを求めて奮闘する女性の物語です。
※この作品は2年前に掲載していたものを大幅に改稿したものです。
(C)Elegance 2025 All Rights Reserved.無断転載・無断翻訳を固く禁じます。
リリーの幸せ
トモ
恋愛
リリーは小さい頃から、両親に可愛がられず、姉の影のように暮らしていた。近所に住んでいた、ダンだけが自分を大切にしてくれる存在だった。
リリーが7歳の時、ダンは引越してしまう。
大泣きしたリリーに、ダンは大人になったら迎えに来るよ。そう言って別れた。
それから10年が経ち、リリーは相変わらず姉の引き立て役のような存在のまま。
戻ってきたダンは…
リリーは幸せになれるのか
婚約破棄を受け入れたのは、この日の為に準備していたからです
天宮有
恋愛
子爵令嬢の私シーラは、伯爵令息レヴォクに婚約破棄を言い渡されてしまう。
レヴォクは私の妹ソフィーを好きになったみたいだけど、それは前から知っていた。
知っていて、許せなかったからこそ――私はこの日の為に準備していた。
私は婚約破棄を言い渡されてしまうけど、すぐに受け入れる。
そして――レヴォクの後悔が、始まろうとしていた。
お前は名前だけの婚約者だ、と言われたけれど、おかげで幸せになりました。
あお
恋愛
厳しい選考会を経て第一王子の婚約者に選ばれた侯爵家令嬢シェリアーナ。
王宮での顔合わせの日、王子はお気に入りの侍女を抱きながら、
「お前は名前だけの婚約者だ。愛する人はイリアだけ。俺たちの邪魔をするな」
と言った。
隣国で大活躍中につき、婚約破棄してきた王子様にはもう会いません!
昼から山猫
恋愛
【祖国から要らないと言われた私、隣国では超引っ張りだこなんです」】
子爵令嬢フィオナは、王子アレクセイに「才能なし」と決めつけられ、婚約破棄。嫌気が差して隣国ラウフェンへ行き、のんびり過ごすつもりが、たまたま魔法オペラ劇団の楽屋トラブルに遭遇。彼女は舞台裏の整理や演出スケジュールをササッと把握し、混乱を収めてしまう。
実は王宮で礼法や舞踏を学んでいた彼女の経験が、劇場運営にぴったりハマったのだ。劇団から「ぜひ演出助手をやってほしい」とオファーされ、フィオナは試しにやってみると、次々と劇を成功に導き、観客も劇団員も感謝しきり。
いつしかラウフェン中に「魔法オペラを成功させる立役者がいる」と話題が広がり、貴族社会からも「劇場改革を手伝って」と大勢の依頼が舞い込む。フィオナは連日舞台裏で大忙しだが、感謝される喜びに満たされ、毎日が輝いていた。
祖国はアレクセイ王子が失敗続きで苦境に陥り、「あのフィオナがいれば…」と呼び戻しを試みる。だが劇団やラウフェン貴族らが口をそろえて「彼女は我が国に欠かせない」と拒否。フィオナも「申し訳ありませんが、もうそちらで働く気はありません」と一蹴する。
王子が必死に“お詫び”の書簡を送っても、フィオナは「舞台の本番が迫っているので忙しくて」と相手にしない。祖国の苦しみなど、今の彼女には関係ない話だ。
こうして、祖国で「無能」と言われた彼女は、隣国で新しい道を切り開き、人々の拍手と喝采を受ける立場になった。婚約破棄も悪くない――そんな開き直りさえ感じるほど、フィオナの充実した日々は続いていく。
もう愛は冷めているのですが?
希猫 ゆうみ
恋愛
「真実の愛を見つけたから駆け落ちするよ。さよなら」
伯爵令嬢エスターは結婚式当日、婚約者のルシアンに無残にも捨てられてしまう。
3年後。
父を亡くしたエスターは令嬢ながらウィンダム伯領の領地経営を任されていた。
ある日、金髪碧眼の美形司祭マクミランがエスターを訪ねてきて言った。
「ルシアン・アトウッドの居場所を教えてください」
「え……?」
国王の命令によりエスターの元婚約者を探しているとのこと。
忘れたはずの愛しさに突き動かされ、マクミラン司祭と共にルシアンを探すエスター。
しかしルシアンとの再会で心優しいエスターの愛はついに冷め切り、完全に凍り付く。
「助けてくれエスター!僕を愛しているから探してくれたんだろう!?」
「いいえ。あなたへの愛はもう冷めています」
やがて悲しみはエスターを真実の愛へと導いていく……
◇ ◇ ◇
完結いたしました!ありがとうございました!
誤字報告のご協力にも心から感謝申し上げます。
わたしとの約束を守るために留学をしていた幼馴染が、知らない女性を連れて戻ってきました
柚木ゆず
恋愛
「リュクレースを世界の誰よりも幸せにするって約束を果たすには、もっと箔をつけないといけない。そのために俺、留学することにしたんだ」
名門と呼ばれている学院に入学して優秀な成績を収め、生徒会長に就任する。わたしの婚約者であるナズアリエ伯爵家の嫡男ラウルは、その2つの目標を実現するため2年前に隣国に渡りました。
そんなラウルは長期休みになっても帰国しないほど熱心に勉学に励み、成績は常に学年1位をキープ。そういった部分が評価されてついに、一番の目標だった生徒会長への就任という快挙を成し遂げたのでした。
《リュクレース、ついにやったよ! 家への報告も兼ねて2週間後に一旦帰国するから、その時に会おうね!!》
ラウルから送られてきた手紙にはそういったことが記されていて、手紙を受け取った日からずっと再会を楽しみにしていました。
でも――。
およそ2年ぶりに帰ってきたラウルは終始上から目線で振る舞うようになっていて、しかも見ず知らずの女性と一緒だったのです。
そういった別人のような態度と、予想外の事態に困惑していると――。そんなわたしに対して彼は、平然とこんなことを言い放ったのでした。
「この間はああ言っていたけど、リュクレースと結んでいる婚約は解消する。こちらにいらっしゃるマリレーヌ様が、俺の新たな婚約者だ」
※8月5日に追記させていただきました。
少なくとも今週末まではできるだけ安静にした方がいいとのことで、しばらくしっかりとしたお礼(お返事)ができないため感想欄を閉じさせていただいております。
双子の妹は私から全てを奪う予定でいたらしい
佐倉ミズキ
恋愛
双子の妹リリアナは小さい頃から私のものを奪っていった。
お人形に靴、ドレスにアクセサリー、そして婚約者の侯爵家のエリオットまで…。
しかし、私がやっと結婚を決めたとき、リリアナは激怒した。
「どういうことなのこれは!」
そう、私の新しい婚約者は……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる