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181話
しおりを挟むパッと声のした方を見ると、そこにはニコニコと笑みを浮かべている伯母様が立っていて、王宮に泊まったのにも関わらずしっかりと昨日とは別のドレスを着ていましたわ。
いつの間に王宮にドレスを持って行っていたんでしょう......。
荷物は何も持っていなかったので、気付かなかったですわよ。
なんて思いながら、レオンハルト様と一緒に伯母様に挨拶をすると
「今日見た令嬢の中で一番綺麗な歩きだったわよ。流石セリスティアね」
と言ってくれましたわ。
まぁ、流石にお世辞だというのはわかっていますけどね?
だって、私よりもティファー様の方が凄く綺麗な立ち振る舞いをしていますもの。
ですが、伯母様にそう言ってもらえると凄く自信が持てるので、
「ありがとうございます」
と素直にお礼を言うと、ニッコリと微笑んでくれました。
それにしても、てっきり伯母様がいるので伯父様も近くにいるんだと思っていましたが.......どこを見ても見当たりませんわね。
改めて辺りをキョロキョロと見渡してみますが、やっぱり伯母様のパートナーである伯父様の姿は見当たりませんわ。
ということは、もう少ししたら伯父様だけが入ってくる、ということなんでしょうか?
なんて思っていると、
「そういえば、入場前に既に絡まれたらしいわね」
と楽しそうに言ってきましたわ。
どこから情報を仕入れたのかはわかりませんが、随分と伯母様の耳に入るのが早いですわね。
近くで見ていた兵士が伯母様に報告したのかしら?
いや....ですが、兵士たちは私のことを知らないでしょうし、そんなことは出来ませんわよね。
となると、一体誰が伯母様に報告してくれたのか見当もつかず、思わず首を傾げている私の横では
「まぁ、いつも通りの子爵令嬢です」
そう言ったレオンハルト様がアーリナ様の行動を思い出しているのか、眉間に皺を寄せていますわね。
気持ちはわかりますが、一応令嬢ですからね?
あまり冷たい態度をとられると同情してしまいますわ。
レオンハルト様の言葉に伯母様が
「あぁ......あの子ね。確かにレオンのことを相当気に入っているというか......獲物を狙うハンターのようになっているものね」
と頷くと、それに同意するようにレオンハルト様が
「そうなんです......毎回毎回来られても考えは変わらないというのに....」
と苦笑していますわ。
伯母様がここまで言う、ということはアーリナ様も相当色んなことをやっていますのね。
正直、アーリナ様の行動は想像できますが、ここまで嫌がられているのを把握できていないんでしょう。
うーん.....周りの人も、止めてくれる人が居たらいいんですけどね。
アーリナ様と話をしたのは本当に少しだけなのでなんとも言えませんが、友人と言える人は少なさそうだ、というのはわかりますわ。
まぁ、取り巻きが少ないということは、私には1人で絡んでくる、ということなので、良いんですけどね。
このパーティーの最中だけでも大人しくしておいて欲しい、というのが私の希望ですわ。
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