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166話

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さて、話しも終わったことですし、やっとのことで解散.........ということになったのは良いですが

「伯母様?帰りませんの?」

椅子から立ち上がる気配がない伯母様を不思議に思ってそう尋ねましたが、伯母様はさも当然のように

「あぁ、今日はこのまま泊まっていくわ。既に家には伝えてあるから大丈夫よ」

そう言ってひらひらと手を振っていますわね。

もちろん、私はそのような話を聞いていませんし、いつの間に伯父様達に話をしたんだ、と純粋に疑問です。

ただ、伝えてある、と言うのであれば私が何か騒ぐだけ無駄ですからね。

大人しく頷いておいた方が良い、と判断した私は、伯母様に

「では、私は先に帰りますわね」

と声をかけて、レオンハルト様とジャミン様と応接室を後にしましたわ。


馬車に向かう途中、なぜか3人で廊下を歩くようなことになっているんですが.......。

いや、別に良いんですのよ?

ジャミン様も私たちの向かう方向と同じところに用事があるのかもしれませんし、ついてくるな、と思っている訳でもありません。

ただ......何と言いますか......ねぇ?

無言で、しかも私たちの斜め後ろを歩かれるとどうしても緊張してしまうといいますか........。

なんとなく重たい空気を感じた私は、視線だけをジャミン様に向けて

「ジャミン様、明日は迷惑をかけるかもしれませんがよろしくお願いしますわ」

と声をかけてみましたわ。

レオンハルト様とジャミン様は無言の時間を何も思っていないみたいですが、今日初めてジャミン様に会った私からすると無言というのは少し厳しいんですのよね。

なんて思いながら、見えていないとは思いますが微笑んで返事を待っていると、少し後ろの方から

「あぁ、出来るだけ気にはしておくが.........どうしても気付けない時もあるからその時はすまない」

と言うジャミン様の声が聞こえてきましたわね。

これは当然のことですが、最初から最後まで私たちの方にばかり気にしているのは無理ですし、そもそもジャミン様だってレオンハルト様程ではないにしても、王族なんですから人気がありますわよね?

そう考えると、何か問題が起こった、と気付いてもすぐには動けないでしょう。

あら?つまり、いくらジャミン様が私たちの方を気にかけていたとしても、無駄だったりします?

.....いやいや、そんな訳がありませんわ。

だって、陛下と王妃様の方からこのような提案をしてくれましたのよ?

無駄になるようなことをお願いすることは流石に.....。

なんて思いながら、とりあえず

「いえ、気にかけてくれるだけでもありがたいですわ」

と返事はしましたが..........正直、顔が引きつっているのではないか、と不安になってしまいましたわ。

気付いてはいけないことを気付いてしまった.....そんな気がしてなりませんわね。

はぁ.......まぁ、一番良いのは当日に何も問題が起こらないことですわ。

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