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164話

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さて、やっとのことで話がまとまった、ということで、明日の動きについて話がありましたが、どうやらパーティーの流れは他の国と特に変わりはないみたいですわね。

建国パーティーなので、爵位の順で入場をした後に陛下からのお話、その後に少し自由な時間があって、ダンス、そして最後に終わりの挨拶をした後に解散、という流れならしいですわ。

その中で令嬢たちから絡まれるであろうタイミングは自由時間......ですわよね。

そこしか話す機会もないでしょうし、ダンスの時間にわざわざ喧嘩を売ってくることはなさそうだ、と考えていますわ。

と、私の意見を言うと、ジャミン様が少し複雑そうな顔をしたかと思ったら

「いや、一応ダンスの時間も気を付けた方が良いぞ」

と言ってきましたわね。

物凄く真剣な表情と声で言われたので、本当に気を付けた方が良いんでしょうけどダンスの時間にわざわざ嫌がらせをしてきますの?

もし、私がレオンハルト様を狙う令嬢だったとしても、そんなに面倒なことはしませんわよ?

そう思った私は、真剣な顔をしているジャミン様に

「どうしてですか?」

と純粋に気になったので聞いてみると

「前に、ダンスの最中にまでレオンに向かってきた令嬢がいただろう」

そう言って、チラッとレオンハルト様に視線を向けましたわね。

きっと、そんな令嬢がいたよな、という確認なんでしょうけど......いやいや、そのような令嬢がいるわけ......。

ジャミン様が本当にあったことのように話すので信じてしまいそうになりましたが、流石にあり得ないですわ。

なんて思っていると、レオンハルト様はジャミン様の言ったことを思い出しているのか少しの間の後に

「あぁ......そういえば、そんなこともあったね。確か自分の兄を使ってわざわざ僕の方に近付いてきたんだよね」

苦笑しながらそう言ったので思わず

「えぇ!?」

と言ってしまいそうになりましたわよ。

だって、自由時間に迫ってくる時点でも相当面倒なのに、ダンスの時間まで、って.....。

これは言い寄ってくる、とかの話しではなく嫌がらせなのでは?

そう思ってジャミン様を見ると、レオンハルト様の言葉に付け足すように

「流石にあれはみっともなくて見ていられなかったが.......」

と苦虫を噛み潰したような顔をしながら言いましたわね。

まぁ、想像してみると確かにみっともなく見えそうですわ。

なんといいますか......多分必死な形相で、ダンスを踊りながら追いかけてくるんでしょうね......。

これには

「な、なんだかレオンハルト様に対する執着?が凄いんですのね」

と苦笑してしまいましたわ。

だって、想像すればするほど令嬢たちの必死さが伝わってくると言いますか......私が知らないことで、他にも色んなことがあった、ということが安易に想像できますもの。

すると、今まで黙って私たちの話を聞いていた伯母様も

「まぁ、この国で唯一婚約者がいなかった公爵子息だもの。しかも顔もいいし性格も良い方だから、どうにかしてレオンを迎え入れたい、と考える人が多いのよね」

そう言って思い出しているのか苦笑していますわ。

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