162 / 344
162話
しおりを挟むえーっと......一応、私の回答は正しかった、と言うことで良いんでしょうか?
ジャミン様は先ほどから何かを考え込むように黙り込んでしまいましたし、その間にも伯母様達は
「確かに強気で行くのは良いかもしれないわね」
「私も次期王妃だと決まった時は、強気でいたら何も言われなくなったわ」
と楽しそうにお話をしています。
まぁ、その隣では陛下が2人の話を聞いて驚いているみたいですけどね。
まさか自分の知らないところで令嬢同士のそのような争いがあったとは、という感じなんでしょう。
ただ、令嬢たちとの戦いに勝った伯母様達が良いと言っているんですから、正しい回答だったんですのよね?
そう思ってジャミン様を見ると、丁度そのタイミングで考えが終わったのかパッと顔を上げたかと思ったら、レオンハルト様の方を見て短くこう言いましたの。
「レオン、お前バカなのか?」
これには思わず
「え?」
と間抜けな声を出しそうになりましたが、グッと堪えましたわよ。
だって、私が驚いている隣でレオンハルト様が
「え?ど、どうして?」
と驚いた顔をして首を傾げているんですもの。
2人が同時に同じような反応をしていたら......それもそれで面白いですけど、少しうざったいですわよね。
なんて思いながら、私もなぜジャミン様そのようなことを言ったのか気になって視線を向けると
「この国の令嬢たちの性格を知っているだろう?それなのに、こんなに喧嘩を売るような言葉を言って.......逆に逆恨みにあってしまう可能性だってある」
そう言ったジャミン様は、可能性がある、と言ったものの、そうなる、と確信しているような気がしますわ。
だって、しっかりと顔を見ると自信のある顔をしていますもの。
ただ、そうなると令嬢たちに対して何も対処が出来ませんわよ?
流石に無視することも出来ないでしょうし.......。
レオンハルト様も私と同じことを思ったらしく、不思議そうな顔をしながら
「だったらジャミンはどうやって言い返すの?」
と質問していますわね。
伯母様と王妃様なんて
「そうよ。売られた喧嘩は買わないと、なめられて終わるわよ」
と言いながら大きく頷いていますわよ。
まぁ、それほど令嬢たちに絡まれやすい立場にいた、ということなんでしょうけど.....。
今までの私の婚約者たちで、ここまで人気があって沢山の令嬢に狙われている、という人はいませんでしたからね。
正直、全く想像が出来ませんわ。
なんて思っていると、ジャミン様は、はぁ.....と小さくため息をついた後に
「レオンを狙う女たちのあの目を皆も知っていますよね?あんなのに1人で言い返せって言うのは流石に無理な話だと思いますよ」
そう言うと、伯母様達も思い当たることがあるんでしょう。
「そ、それは......」
「でも婚約者はセリスティアだし......ねぇ?」
とは言っていますが、さっきまでの自信満々の顔とは一変して、都合の悪そうな顔をして視線を逸らしていますわ。
えっと?それほど令嬢たちが怖いということなんでしょうか?
え?それって大丈夫ですの?
11
お気に入りに追加
4,207
あなたにおすすめの小説
お前は名前だけの婚約者だ、と言われたけれど、おかげで幸せになりました。
あお
恋愛
厳しい選考会を経て第一王子の婚約者に選ばれた侯爵家令嬢シェリアーナ。
王宮での顔合わせの日、王子はお気に入りの侍女を抱きながら、
「お前は名前だけの婚約者だ。愛する人はイリアだけ。俺たちの邪魔をするな」
と言った。
前世軍医だった傷物令嬢は、幸せな花嫁を夢見る
花雨宮琵
恋愛
侯爵令嬢のローズは、10歳のある日、背中に刀傷を負い生死の境をさまよう。
その時に見た夢で、軍医として生き、結婚式の直前に婚約者を亡くした前世が蘇る。
何とか一命を取り留めたものの、ローズの背中には大きな傷が残った。
“傷物令嬢”として揶揄される中、ローズは早々に貴族女性として生きることを諦め、隣国の帝国医学校へ入学する。
背中の傷を理由に六回も婚約を破棄されるも、18歳で隣国の医師資格を取得。自立しようとした矢先に王命による7回目の婚約が結ばれ、帰国を余儀なくされる。
7人目となる婚約者は、弱冠25歳で東の将軍となった、ヴァンドゥール公爵家次男のフェルディナンだった。
長年行方不明の想い人がいるフェルディナンと、義務ではなく愛ある結婚を夢見るローズ。そんな二人は、期間限定の条件付き婚約関係を結ぶことに同意する。
守られるだけの存在でいたくない! と思うローズは、一人の医師として自立し、同時に、今世こそは愛する人と結ばれて幸せな家庭を築きたいと願うのであったが――。
この小説は、人生の理不尽さ・不条理さに傷つき悩みながらも、幸せを求めて奮闘する女性の物語です。
※この作品は2年前に掲載していたものを大幅に改稿したものです。
(C)Elegance 2025 All Rights Reserved.無断転載・無断翻訳を固く禁じます。
そちらから縁を切ったのですから、今更頼らないでください。
木山楽斗
恋愛
伯爵家の令嬢であるアルシエラは、高慢な妹とそんな妹ばかり溺愛する両親に嫌気が差していた。
ある時、彼女は父親から縁を切ることを言い渡される。アルシエラのとある行動が気に食わなかった妹が、父親にそう進言したのだ。
不安はあったが、アルシエラはそれを受け入れた。
ある程度の年齢に達した時から、彼女は実家に見切りをつけるべきだと思っていた。丁度いい機会だったので、それを実行することにしたのだ。
伯爵家を追い出された彼女は、商人としての生活を送っていた。
偶然にも人脈に恵まれた彼女は、着々と力を付けていき、見事成功を収めたのである。
そんな彼女の元に、実家から申し出があった。
事情があって窮地に立たされた伯爵家が、支援を求めてきたのだ。
しかしながら、そんな義理がある訳がなかった。
アルシエラは、両親や妹からの申し出をきっぱりと断ったのである。
※8話からの登場人物の名前を変更しました。1話の登場人物とは別人です。(バーキントン→ラナキンス)
【完結】ああ……婚約破棄なんて計画するんじゃなかった
岡崎 剛柔
恋愛
【あらすじ】
「シンシア・バートン。今日この場を借りてお前に告げる。お前との婚約は破棄だ。もちろん異論は認めない。お前はそれほどの重罪を犯したのだから」
シンシア・バートンは、父親が勝手に決めた伯爵令息のアール・ホリックに公衆の面前で婚約破棄される。
そしてシンシアが平然としていると、そこにシンシアの実妹であるソフィアが現れた。
アールはシンシアと婚約破棄した理由として、シンシアが婚約していながら別の男と逢瀬をしていたのが理由だと大広間に集まっていた貴族たちに説明した。
それだけではない。
アールはシンシアが不貞を働いていたことを証明する証人を呼んだり、そんなシンシアに嫌気が差してソフィアと新たに婚約することを宣言するなど好き勝手なことを始めた。
だが、一方の婚約破棄をされたシンシアは動じなかった。
そう、シンシアは驚きも悲しみもせずにまったく平然としていた。
なぜなら、この婚約破棄の騒動の裏には……。
妹に婚約者を奪われ、聖女の座まで譲れと言ってきたので潔く譲る事にしました。〜あなたに聖女が務まるといいですね?〜
雪島 由
恋愛
聖女として国を守ってきたマリア。
だが、突然妹ミアとともに現れた婚約者である第一王子に婚約を破棄され、ミアに聖女の座まで譲れと言われてしまう。
国を頑張って守ってきたことが馬鹿馬鹿しくなったマリアは潔くミアに聖女の座を譲って国を離れることを決意した。
「あ、そういえばミアの魔力量じゃ国を守護するの難しそうだけど……まぁなんとかするよね、きっと」
*この作品はなろうでも連載しています。
我慢してきた令嬢は、はっちゃける事にしたようです。
和威
恋愛
侯爵令嬢ミリア(15)はギルベルト伯爵(24)と結婚しました。ただ、この伯爵……別館に愛人囲ってて私に構ってる暇は無いそうです。本館で好きに過ごして良いらしいので、はっちゃけようかな?って感じの話です。1話1500~2000字程です。お気に入り登録5000人突破です!有り難うございまーす!2度見しました(笑)
精女には選ばれなかったので追放されました。~えっ?そもそも儀式の場所が間違ってる?~
京月
恋愛
精霊の加護を持って人々を救う精女に私は…選ばれませんでした。
両親に見捨てられ途方に暮れていた私の目の前に大精霊が現れた。
えっ?そもそも儀式の場所が間違っている?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる