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155話

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想像が出来ない陛下達の考え方に戸惑いながらも、なんとか理解をするべく必死に頭を働かせましたわ。

と、とにかくここは隣国で私のいる国と違うことがあって当然なんです。

なのでこの考え方は全くおかしくないですわよね。

自分に言い聞かせるようにそう思いながら、この動揺をどうにかすべくお茶に口を付けると、コンコンというノックの音が聞こえてきて飛び上がりそうになってしまいましたわ。

だ、だって急に聞こえてきたんですもの。

仕方ありませんわよね。

なんて思っていると、扉の方から

「失礼します。父上、ジャミンです」

という声が聞こえてきましたわ。

なんといいますか.........大事なことだけを短く、淡々と言った感じですわね。

余計なことは言わない、みたいな......そんな雰囲気がしますわ。

なんて思っていると、陛下は扉の方を見て嬉しそうに

「おぉ、来たか」

とだけ呟きましたわね。

ということは、元々今日の話に参加するよう言っていたんでしょう。

そう思いながら、ジャミン様のことについて、レオンハルト様に情報を求めると

「ジャミンはこの国の第二王子で俺たちと同じ年なんだ。後は僕も仲良くさせてもらっている」

と言ってジャミン様.......いや、ジャミン殿下の方に視線を向けましたわ。

さっきから大人同時の会話が弾む中、私とレオンハルト様は置いてけぼりの状況が続いていたので、話し相手が来てくれて嬉しそうですわね。

レオンハルト様の表情が和らいだような気がしますわ。

ジャミン殿下は、陛下に促されて私たちの正面の空いている椅子に腰を掛けると、どうやらレオンハルト様が来ることは聞かされていなかったんでしょうね。

「レオン、来ていたのか」

と驚いた顔をして聞いていましたもの。

それに対してレオンハルト様は

「うん。昨日の夜に呼び出されてね」

と苦笑していますが.....あら、昨日の夜に、ですの?

てっきり最初からレオンハルト様も王宮に行くことが決まっているとばかり思っていましたが.......。

なんて思っていると、急にジャミン殿下からの視線を感じましたわね。

きっと初めて見る令嬢と、友人の婚約者ということで、興味津々なんでしょう。

ただ、殿下に対して私から話しかけるわけにはいきませんし.......レオンハルト様が気付いて紹介してくれるのを待つしかありませんわ。

心の中で、早くレオンハルト様に気付いてほしい、と思いながらなるべく目を合わせないように斜め下を向いていると

「あぁ、紹介するよ。僕の婚約者のセリスティア・リンプトン侯爵令嬢」

思い出したかのように、レオンハルト様がそう紹介をしてくれましたわ。

その言葉を聞いて、反射的に立ち上がりそうになりましたが.....そんなわけにもいかない、とグッと堪え

「お、お初にお目にかかりますわ」

と言って椅子に座ったまま頭を下げると、

「あぁ」

という短い返事が返ってきましたわね。

それと同時に、品定めするような視線が刺さりますが........なんだか怖いですわ。

本当にレオンハルト様の友人なんですのよね?
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