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115話 カインside

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セリスティア嬢が隣国に行ってから、早くも4ヶ月が経過した。

これほどまで時間が経つと、今では

「どこへ行ってしまったのか」

という疑問よりも

「セリスティア嬢は戻ってくるのか」

の方に皆の興味が移っているらしく、様々な憶測が学園で飛び交っていた。

まぁ、そうはいっても領地が残っているからな。

最終的には、領地が国に返還されたら戻って来ない、ということで皆考えることをやめている、というのが今の現状だな。

そう思いながら、今日も生徒たちの会話を盗み聞きしながらエリザベートとのお茶を楽しんでいた。

盗み聞きなんて趣味が悪い、と思われるかもしれないが、これも貴族たちの間で今話題に上がっていることは何か、しっかりと把握しておくために必要なことだ。

好き好んでしているわけではないから勘違いしないで欲しい。

なんて思っていると、優雅にお茶を飲んでいたエリザベートが

「セリスティア様から手紙は届いていますの?」

と目をキラキラさせて聞いてきた。

なぜかわからないが、エリザベートはセリスティア嬢のことを気に入っているんだよな......。

もしかしたら、何か似ているものを感じたのかもしれないが、それにしても少し嫉妬してしまうくらいには名前を出してくる。

だから言うか言わないか、一瞬悩んだが、黙っていてもバレたら拗ねてしまうことはわかっているから

「あぁ、届いている。そういえば、つい最近婚約したと手紙に書いてあったな」

とつい最近届いた手紙のことを話した。

それを聞いたエリザベートは

「まぁ!それは喜ばしいですわね。戻ってきたらお祝いをしないとですわ!」

まるで自分のことのように喜んでいるが.......一応2人は一度しか話したことがないくらい関係が薄いんだぞ?

それなのに、この反応......少しおかしいとは思わないか?

まぁ、俺としても婚約が決まった、という手紙が届いたとき父上と一緒に喜んだから、あまり人のことは言えないかもしれないが......。

なんて思いながら

「相手は隣国の公爵子息らしいからな。あのバカたちも下手に手を出すことは出来ないだろう」

そう言ってニヤッと笑うと、

「とはいえ、家に乗り込んできた......とかがあったら、また面倒なことになりますわよ?」

本気で心配しているんだろうな。

物凄く不安そうな顔をしながらそう言ってきたではないか。

気持ちは物凄くわかるし、俺も同じことを思ったから不安なのもわかる。

だが

「俺もそう思ったんだが、どうやら婚姻するまでは離れて暮らす、ということで相手もセリスティア嬢も納得しているらしい」

と答えると、エリザベートはホッとした顔をして胸を撫で下ろしていた。

「まぁ、後2ヶ月ほどで戻ってくるんだ。それから3ヶ月で卒業。それと同時に婚姻すればどうにかなるだろう」

そう言って話を締めくくると、エリザベートは何度も頷いて、嬉しそうにお茶を口に含んでいた。

後2ヶ月、か。

一応不安に思っていたことは解決に向かっていると思ってはいるが........まぁ、1人だけ面倒な男がいるからどうにかしておく必要があるよな。

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