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104話 義父side

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正直、毎日が憂鬱だ、という本でしかない心境に自分がなってしまうんだ、と驚いているが、本当に気分は最悪だ。

なんで俺ばかりがこのような思いをしないといけないんだ。

そもそも、ここはユーミアの実家の領地だろう?

俺がここまで頑張る意味もないのでは?

そう思った俺は、急に子爵家に関わる書類が全てゴミのように見えてしまった。

クシャクシャにして、ごみ箱に入れてー.........そう思いながら、一枚の紙に手を伸ばした時だった。

「旦那様!速達でお手紙がー......」

そう言って、さっきとはまた違うメイドが執務室の中に入ってきたではないか。

しかも、速達で手紙だと?

なんだか嫌な予感がして手紙を持っているメイドの手を見ると、そこには1枚の手紙.....ではなく5枚もの手紙がしっかりと握られていた。

流石に5枚も、しかも速達でなんて嫌な予感しかしないだろう。

そう思った俺は、ため息をつきながらメイドから手紙を受け取った。

手紙を届けたメイドはすぐに仕事に戻っていった、というのもあって、仕方なく1人で手紙を開けることになるんだが.....伯爵家と侯爵、それに公爵もいるじゃないか!

なぜ我が家のような下位貴族に手紙を?

そう思いながら、少し警戒して手紙を読むと5枚とも内容は殆ど同じだった。

娘の教育がどうなっているのか。

急に押しかけて来るなんて非常識ではないか?

婚約者候補とはどういうことだ?

何も聞いていないし、話もしていないのに、勝手に勘違いをされたら困る。

........とまぁ、こんな感じの内容だな。

正直、何を言っているんだ?という疑問しかないが.......。

この手紙の内容的に、娘、というのはアーリアだとして.......公爵家のような家に手紙もなしに、押しかけている、ということなのか?

しかも婚約者候補です、と嘘をついてまで。

そう思った俺は、急いでアーリアの元へと向かった。

というのも、もし俺の予想が当たっているのならアーリアはとんでもないことをしているのではないか?

だって、子爵家の....しかも、引きこもっていたような令嬢が急に家に押し掛けてくるなんて、マナーのかけらもないとバレバレではないか!

そんなことをしたら、元々婚約者に困っているのに、本当に誰も結婚してくれなくなってしまう!

今までにないくらい急ぎ足で廊下を歩いていると、ちょうどメイドが驚いた顔をして俺のことを見ていたから反射的に

「アーリアはどこにいるんだ!?」

と尋ねると

「あ、先ほど外出から戻ってきて、今はお部屋の方にいるかと.......」

キョトンとした顔をしながらも、そう答えてくれた。

くそ......さっき帰ってきた、ということはやっぱりそうだったんだな!

なぜそんな面倒なことばかりするんだ。

セリスティアは俺に迷惑をかけないんだぞ?

そう思いながらアーリアの部屋へと急いだ。

まぁ、結局あまり強くは言えなかったんだけどな。

ただ結婚相手に関しては誠実な人だったら平民でも良い、と俺は本当に思っている。

領地のことは、俺が教えることだって出来るんだから変な貴族と結婚するくらいなら平民の方が安心だ。
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