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94話

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少し重たい空気になりながら、どうしたらいいのか、なんて悩んでいるうちに応接室に到着してしまいましたわね。

これは.....時間よりも遅くなってしまいましたが正直に話をするべきなんでしょうか?

それとも、誤魔化しておいた方が良いんでしょうか?

そう思いながら、ユーリに扉を開けてもらうと、既に2人は椅子に座って待機をしてくれていて、前回渡した宿題の確認をしている真っ最中でしたわ。

カティ様がリーシャ様の宿題を見ている、という状況なんですが

「そう....そこが半分の数字になるから」

とカティ様が紙に書きながら説明をしている横で、

「あ.....じゃあ、これはこうなるっていうこと?」

と楽しそうにリーシャ様が問題を解いていますわ。

ここからだと、どの問題を解いているのか見えませんが、カティ様も自信満々に教えている、というのを見ると自分でも自信があるところなんでしょう。

リーシャ様もカティ様に教えてもらうことが出来て、嬉しそうにしていますし.....なんだか嬉しいですわ。

緩んでしまった頬にグッと力を入れて、一問解き終えたタイミングを見計らって

「ごめんなさい。待たせてしまいましたわ」

と2人に声をかけると、

「セリスティア様!お姉様に見てもらって、この問題が解けた....解けました!」

リーシャ様が嬉しそうに今解いたばかりの問題を見せてくれましたわね。

どうやら教えてもらっていたのはリーシャ様よりも少し上の年齢の子が習うようなところで、流石に解けないだろう、と思いながらも一応、問題に書いておいたようなところでしたわ。

問題の下の方にはたった今カティ様が書いたであろう、解き方の説明が書いてあって、会話の内容がわからない私が見ても凄くわかりやすい説明が書いてありますわ。

この問題を解けたリーシャ様も凄いですが、これはカティ様も凄いですわよね。

なんて思いながら

「リーシャ様は覚えるのが早いですし、カティ様は、教えるのが上手なのかもしれませんわね」

そう言うと、2人は照れながらも、どこか嬉しそうに微笑んでくれましたわ。

その姿があまりにも微笑ましくて、ユーリに

「お嬢様?もう既に時間が過ぎているんですから」

と声をかけられるまで授業のことをすっかりと忘れていましたわね。

まぁ、2人の笑顔が見れたので良かった、と思いましょう。

そう思いながら2人のことを見ると、ユーリの言葉で授業が始まるとわかったんでしょうね。

しっかりと背筋を伸ばして椅子に座り直してくれましたわ。

ただ、カティ様は

「なんで遅れてしまいましたの?」

と背筋をしっかりと伸ばしながらも聞いてきましたけどね。

これに関しては本当は時間丁度に来ることが出来ましたが、伯爵に邪魔をされて......とは言えないので、2人には

「家の方でちょっと用事がありましたの」

とだけ言っておきましたわ。

まぁ、2人は伯爵を嫌っているので、わざわざ話題に出さなくても良いですわよね。

そう思った私は、他に余計なことを言うことなく

「さて、じゃあ今日は宿題の採点と、前回の復習。それが終わったらお茶会のマナーについて教えますわね。今日はカティ様も手本だけではなく教えたいことがあるのでしっかりと覚えてもらいますわよ」

と言って、授業を開始しましたわ。
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