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82話
しおりを挟むさて、話は変わってレオンハルト様と私の婚約の話をすることになりましたが、どうやらナーグリア公爵たちは、自分たちになんの利益のない婚約を結ぼうとしていることがわかりましたわ。
ただそれは、我が家にとっても同じことで、一般的に結納金というものの支払いがあるんですが、それは一切なし。
家同士での、何かしらのやり取りもなし。
私とレオンハルト様の婚約は、他国とのつながりを深めるための国の為、ということになっているらしいですわ。
これはそれぞれの国の陛下とも話しての結果だ、と伯父様が言っていましたわね。
一応、結納金だけでも貴族同士の婚約だったら相当な金額になりますし、もらえるならもらいたい、という人がほとんどだと思いますわ。
ただ、我が家は別にお金に困っていませんし、あの人たちと会っても婚約を破棄しないのであれば、それだけで十分ですわね。
ただ、一般的な婚約の繋がりよりは弱い気もしますが.......。
ちなみに一般的な婚約を結ぶときは、結納金の金額、それから婚約することで家にはどのような利益があるのか、など準備して行かないといけませんわ。
それこそ、私がデール様と婚約していた時は、領地経営が出来ていないからフォローしながら教えていく、ということが条件でしたわ。
正直、あんなので良いならいくらでも教えますわよね。
だって、お金の支援ではなく知識の支援ですもの。
なんて思っていると、簡単に話を終えた伯父様が
「まぁ、私としては家同士の繋がりは元々あるからな、と思っているが、リンプトン侯爵家の当主はセリスティアだ。この話を聞いて自分ではどう思う?」
と私に聞いてきたので、特に考えることもなく
「私としては、婚約してくれるだけありがたいと思っていますし、何も問題はありません」
と答えましたわ。
まぁ、面倒な約束事が増えても負担になりますものね。
ただ、国同士の繋がりがー....と言っている婚約なので、ヘタに破棄することも出来なくなってしまいますけどね。
そう考えると私は良いですが、レオンハルト様は良いんですの?
そう思って、チラッとレオンハルト様を見ると
「そちらはどうかな?」
と丁度伯父様が質問をしてくれましたわね。
すると
「私も特に問題はないと思っています」
とレオンハルト様も悩むことなくほぼ即答で頷いてくれましたわ。
えっと.....色々と面倒な話はないみたいなので、これで婚約は結ぶことが出来る、ということになるんでしょうか?
普段よりも簡単に話が進んだので、少し戸惑ってしまいましたわ。
用意された誓約書を一通り読んで、しっかりと自分のサインをして.......はい、終わり、みたいな。
これで帰宅することになる、と考えると少し寂しくも感じますが、まぁ仕方がないですわよね。
なんて思っていると、誓約書を片手に伯父様が
「では、ここからは大人同士で少し話したいことがある。2人は温室にでも話をしてきてくれるか?」
と私たちに言ってきましたわ。
温室、ですか。
確か今日はブレイドがいない日なので空いていますわよね。
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