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61話 デールside
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「すまない.......君のことは嫌いではないんだけど、あの母親たちがいると考えるとこの婚約はなかったことに.......」
そんな簡単な言葉で、俺とセリスティア様との婚約は幕を下ろした。
正直、今回の婚約は親同士で決めたことだったし、俺からしてみるとセリスティア様の親と姉の癖が強すぎる、と思ってしまった。
だって、婚約して短い期間だったけど、婚約が決まった次の日から毎日手紙が届くんだぞ?
しかも、
「セリスティアなんかより、私の方が美人で胸もあるし魅力的よ。今度、家に来てお茶でも飲みましょう」
という内容と
「セリスティアと婚約破棄して姉のアーリアと婚約しなさい」
という内容だぞ?
それが毎日毎日届くって考えてみろ。
朝起きるのが憂鬱になってくるって、誰でもわかるだろう?
まぁ、一応婚約者の姉だ、ということで仕方なしにアーリア様とお茶をしようと家に行ったんだが......その時なんて本当に地獄かと思ったよ。
普通にお茶を飲むとしたら椅子に座って、テーブルの上には茶菓子が置いてあって......談笑しながら楽しむ、という感じだろう?
それなのに、あのアーリア様は椅子に座る、ではなく寝る。
そして、茶菓子をつまむ程度ではなくしっかりと食べる。
それに加えて、やっぱりあのセリスティア様よりも美人だ、なんて言われると期待するに決まっているだろう?
最初はルンルンで家に行ったのに、帰る頃には来たときより2キロは痩せたんじゃないか、と思ってしまうほど疲労が凄かったね。
あー.....まぁ、確かに胸はあったさ。
あったけど、胸と言って良いのか........腹と胸が同じサイズなんだぞ?
貴族令嬢であれほどまでに太った人を見たのは初めてだった。
......とまぁ.....そんなことがあって、俺はセリスティア様との婚約を破棄することに決めたんだ。
もちろん、父上たちに言うと何と言われるかわからなかったから、何も言わずに俺の独断で。
といっても別に俺の婿入り先を探していただけだし、セリスティア様以外にも結婚してくれる令嬢が沢山いるさ。
そう思って意気揚々と家に帰ってから婚約破棄したことを父上たちに報告したんだ。
すると
「お前!何を考えているんだ!」
俺の話を全て聞くことなく、父上は俺の頬を思いっきり殴った。
母上なんて、隣で目に涙を溜めて泣いてしまったくらいだ。
正直、なんで2人がそこまでなるのか理解が出来ない俺は、また殴られるかも、と警戒しながら父上に
「え、な、なぜそんなにこの婚約が必要なんですか?」
と尋ねた。
すると父上は、力なく俺の方を見ると
「お前は何も知らないんだな.......」
そう言って、ある書類を手渡してきたではないか。
その書類には一番上に、制約、と書かれていて、真ん中に
『セリスティア・リンプトンとデール・ガリアスの婚約を結んでいる間、ガリアス伯爵家の立て直しに協力することをー.............』
と書かれていた。
まぁ、簡単に言うと俺とセリスティア様の婚約期間、領地の経営の立て直しを手伝う。
そのまま結婚までいったらセリスティア様が生きている間、永久的に助ける。
というような内容だった。
この書類を読み終えた俺は父上になんて声をかけていいのかわからなくなって、ただただ無言で黙っていると
「この婚約を結ぶ代わりに、我が家の領地を立て直すために、セリスティア嬢の力をとてつもなく借りていたんだ。婚約破棄したら、領地が...........」
そう言った父上は、今まで見たこともないくらい弱弱しく、自分のしたことを悔いることしか俺には出来なかった。
そんな簡単な言葉で、俺とセリスティア様との婚約は幕を下ろした。
正直、今回の婚約は親同士で決めたことだったし、俺からしてみるとセリスティア様の親と姉の癖が強すぎる、と思ってしまった。
だって、婚約して短い期間だったけど、婚約が決まった次の日から毎日手紙が届くんだぞ?
しかも、
「セリスティアなんかより、私の方が美人で胸もあるし魅力的よ。今度、家に来てお茶でも飲みましょう」
という内容と
「セリスティアと婚約破棄して姉のアーリアと婚約しなさい」
という内容だぞ?
それが毎日毎日届くって考えてみろ。
朝起きるのが憂鬱になってくるって、誰でもわかるだろう?
まぁ、一応婚約者の姉だ、ということで仕方なしにアーリア様とお茶をしようと家に行ったんだが......その時なんて本当に地獄かと思ったよ。
普通にお茶を飲むとしたら椅子に座って、テーブルの上には茶菓子が置いてあって......談笑しながら楽しむ、という感じだろう?
それなのに、あのアーリア様は椅子に座る、ではなく寝る。
そして、茶菓子をつまむ程度ではなくしっかりと食べる。
それに加えて、やっぱりあのセリスティア様よりも美人だ、なんて言われると期待するに決まっているだろう?
最初はルンルンで家に行ったのに、帰る頃には来たときより2キロは痩せたんじゃないか、と思ってしまうほど疲労が凄かったね。
あー.....まぁ、確かに胸はあったさ。
あったけど、胸と言って良いのか........腹と胸が同じサイズなんだぞ?
貴族令嬢であれほどまでに太った人を見たのは初めてだった。
......とまぁ.....そんなことがあって、俺はセリスティア様との婚約を破棄することに決めたんだ。
もちろん、父上たちに言うと何と言われるかわからなかったから、何も言わずに俺の独断で。
といっても別に俺の婿入り先を探していただけだし、セリスティア様以外にも結婚してくれる令嬢が沢山いるさ。
そう思って意気揚々と家に帰ってから婚約破棄したことを父上たちに報告したんだ。
すると
「お前!何を考えているんだ!」
俺の話を全て聞くことなく、父上は俺の頬を思いっきり殴った。
母上なんて、隣で目に涙を溜めて泣いてしまったくらいだ。
正直、なんで2人がそこまでなるのか理解が出来ない俺は、また殴られるかも、と警戒しながら父上に
「え、な、なぜそんなにこの婚約が必要なんですか?」
と尋ねた。
すると父上は、力なく俺の方を見ると
「お前は何も知らないんだな.......」
そう言って、ある書類を手渡してきたではないか。
その書類には一番上に、制約、と書かれていて、真ん中に
『セリスティア・リンプトンとデール・ガリアスの婚約を結んでいる間、ガリアス伯爵家の立て直しに協力することをー.............』
と書かれていた。
まぁ、簡単に言うと俺とセリスティア様の婚約期間、領地の経営の立て直しを手伝う。
そのまま結婚までいったらセリスティア様が生きている間、永久的に助ける。
というような内容だった。
この書類を読み終えた俺は父上になんて声をかけていいのかわからなくなって、ただただ無言で黙っていると
「この婚約を結ぶ代わりに、我が家の領地を立て直すために、セリスティア嬢の力をとてつもなく借りていたんだ。婚約破棄したら、領地が...........」
そう言った父上は、今まで見たこともないくらい弱弱しく、自分のしたことを悔いることしか俺には出来なかった。
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