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51話
しおりを挟むとりあえず、2人の話は終わったんでしょうか?
カティ様もリーシャ様も、それぞれ黙ってしまいましたが.......。
これからどうすればいいのか、と思ってチラッと少し後ろにいるユーリの方を見ると、リーシャ様に話しかける様に、と手で必死に教えてくれましたわ。
まぁ、確かにずっと無言で部屋にいても無駄ですしね。
ここは、少し時間を貰いましょう。
そう思った私は、ゆっくりとリーシャ様の座るベットの方へと移動をしましたわ。
急に私が動いたので、2人とも驚いた顔をしていましたが、逃げない、ということは間違えていないと信じますわよ。
なんて思いながらリーシャ様の目の前で立ち止まると、なるべく視線が合うようにスッとしゃがみましたわ。
ほら、子供とお話しするときは視線を合わせてあげないと圧迫感がある、とか言うではありませんか。
それは何歳になっても同じだと思っていますのよね。
そして、なるべく優しく微笑みながら
「はじめまして。セリスティア・リンプトンと申しますわ」
と挨拶をしましたわ。
するとリーシャ様は、まだ警戒はしているみたいですが、小さな声で
「リンプトン.......?」
と呟きましたわね。
そんな名前、聞いたことがない、と思っているんでしょう。
まぁ、当然ですわね。
なんて思いながら、リーシャ様に
「えぇ、隣国の侯爵令嬢ですの。今は従兄弟のクリストファー公爵家に遊びに来ていますのよ」
なるべく優しく、圧を感じないように意識しながらそう言いましたわ。
といっても、自分でいくら気を付けていても、当人にならないとどうなのかわかりませんからね。
私が想像しているよりも圧を感じる可能性だってありますし。逆にへにゃっとした変な声だ、と思われている可能性だってありますわ。
なので、結構最新の注意をしながら話をしていますが......大丈夫でしょうか?
心の中で、リーシャ様がどう思っているのか不安に思いながらニコニコとして待っていると、まだ警戒心は解いていない様子ですが、
「.......お父様に言われてきましたの?」
とリーシャ様に結構ハッキリとした口調で質問をされましたわ。
これは結構珍しいことだったみたいで、カティ様が私の方を見て驚いた顔をしていますわね。
少しずつ心を開いている、と考えていいんでしょうか?
なんて思いながら、質問に対して
「うーん.....そうだと言えばそうかもしれませんが、少し違いますわね」
と返事をすると、リーシャ様が
「どういうこと?」
と言いたそうな顔をして首を傾げましたわ。
なので
「元々は伯母様のところに来ていましたが、私が代わりに来た、というのが正しいですわ」
そう言って苦笑すると、
「へぇ.......」
という短い返事が返ってきましたが、明らかに最初の時とは雰囲気が変わりましたわ。
なんといえば良いのかわかりませんが......今までは氷を纏っているかのような冷たい空気を感じましたが、今はぬるま湯のような温度感といいますか......。
えっと...表現法が合っているんでしょうか?
まぁ、声に出しているわけではありませんし、良いですわよね。
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