36 / 40
35話 マリアンヌside
しおりを挟む
スカーレット様の結婚式が終わった後、私とハルト様は2人でお茶を楽しんでいました。
「スカーレット様、とっても綺麗でしたわね」
着ていたドレスも素敵でしたし、何よりとても幸せそうで良かったですわ。
なんてことを思っていると
「マリアンヌも結婚したい?」
ハルト様が急にそんなことを聞いてきたので少し驚いてしまいました。
まぁ、もちろんそれは.....ね?
「いずれはしたいと思いますわよ?」
と答えると
「そっか......」
とだけ呟いてボーっとしています。
どうしたんでしょうか?
.....まさか、私との婚約が嫌になってしまったとか...?
あり得ますわ。
だって、私は自分で言うのもなんですが可愛げがありませんもの。
あぁ.....ハルト様にも捨てられてしまったら私は一体どうすればいいんですの?
そう思っていると
「殿下......っ!お客様がいらっしゃいました!」
物凄く焦った様子のメイドが温室にやってきました。
こんなに焦っているのは珍しいですね。
王宮のメイドは感情を誤魔化すのが得意だと言われていますから、余程のことがあったんでしょう。
一体誰が来たんでしょう?
「誰が来たんだ?」
とハルト様が聞くと、
「それが......」
なぜか私の様子を窺っています。
....ということは、私に関係のあることですね。
まぁ、なんとなく嫌な予感がしますが来るとしたら2人のうちのどちらか、ですわね。
ハルト様も同じことを思ったみたいで心配そうな顔をしています。
でも私としては、どちらとも決着をつけなくてはいけないと思っていたので
「構いませんわよ」
となにも気にしていないような感じで言うと
「マリアンヌ様のお父様だ、と仰っています」
なるほど....やはりそっちでしたか。
「どうする?」
「でも殿下のお客様なのでしょう?」
私がいるとわかっているなら、私にお客様だ、ということになると思うんですよね。
.....いや、あの人はそんな頭はありませんか。
なんて思っていると
「とりあえず話だけでも聞いてみようと思うが、内容によっては......」
一応実父ですから気を使って言ってくれているんでしょうが
「全部言わなくてもわかりますわ。大丈夫です。今更、情などありませんもの」
「そうか」
私の今の親はあの人ではありませんもの。
そう考えると気が楽になりました。
ハルト様に一応私もついていくことを言うと、最初は反対しましたが最後には渋々ながらも了承してくれましたわ。
本当は会いたくもないですし、話すこともありませんが、これ以上ハルト様にだけ任せるのも申し訳ないですしね。
客室を開けると、まぜかボロボロになっている元お父様が偉そうに短い足を組んで待っていました。
あっちの国に居たときはこの父親が怖くて仕方ありませんでしたが、改めて見るとこんなのに怖がっていた意味が分かりませんわね。
元お父様は私の姿をみるなり
「マリアンヌっ!貴様......っ!許可もなしに隣国に逃げていたとはな!」
と言ってきました。
はぁ.....本当に父親だと思っているなら娘の安否を喜ぶものではありませんか?
それに
「なぜ貴方の許可などいるのですか?」
許可も何も、自分で私のことを追い出しておいて何を言ってるんでしょう?
「は?お前は俺の娘なんだから当たり前だろう!?」
......は?
娘ですか。
思わず笑いそうになった私は
「ハルト様、この方は頭でもぶつけられたんでしょうか?」
顔を見ていると吹き出してしまいそうなのでハルト様に話しかけると
「それは大変だ。早く家に帰って医者にみせた方がいい」
ハルト様はそう言って元お父様を追い出そうとしました。
「ま、まて!お前!実の父親に対してそんな態度をして良いと思っているのか!」
実の父親ですか。
そんなことを思ったことなんて一度もないくせに何を言うんでしょうね。
そう思いながら
「何の用事で来ましたの?まさか、これを言うためだけに来た、なんて馬鹿なことは言いませんよね?」
もしそうだとしたら本当に頭を疑いますわ。
するとなぜか自慢げに
「ふんっ!だったらなんだと言うんだ!父親が来てやったんだ。ありがたいと思うんだな!」
と言ってきたこの人は、本当に頭がおかしいんでしょうね。
少しイラっとしたので
「あの、先程から父親、と言っていますが血の繋がりはあるかもしれませんが私は貴方の娘ではありませんよ」
と私が言うと
「ははっ!確かにそうだな。マリアンヌはそこにいる自称父親から絶縁されたんだから」
ハルト様も参戦してくれました。
本当にその通りですわ。
「えぇ、私の今の親はこんなに汚くありませんし、こんなに太って醜くもありませんわ」
今のお父様はとっても優しくて、美しいお方ですわ。
「スカーレット様、とっても綺麗でしたわね」
着ていたドレスも素敵でしたし、何よりとても幸せそうで良かったですわ。
なんてことを思っていると
「マリアンヌも結婚したい?」
ハルト様が急にそんなことを聞いてきたので少し驚いてしまいました。
まぁ、もちろんそれは.....ね?
「いずれはしたいと思いますわよ?」
と答えると
「そっか......」
とだけ呟いてボーっとしています。
どうしたんでしょうか?
.....まさか、私との婚約が嫌になってしまったとか...?
あり得ますわ。
だって、私は自分で言うのもなんですが可愛げがありませんもの。
あぁ.....ハルト様にも捨てられてしまったら私は一体どうすればいいんですの?
そう思っていると
「殿下......っ!お客様がいらっしゃいました!」
物凄く焦った様子のメイドが温室にやってきました。
こんなに焦っているのは珍しいですね。
王宮のメイドは感情を誤魔化すのが得意だと言われていますから、余程のことがあったんでしょう。
一体誰が来たんでしょう?
「誰が来たんだ?」
とハルト様が聞くと、
「それが......」
なぜか私の様子を窺っています。
....ということは、私に関係のあることですね。
まぁ、なんとなく嫌な予感がしますが来るとしたら2人のうちのどちらか、ですわね。
ハルト様も同じことを思ったみたいで心配そうな顔をしています。
でも私としては、どちらとも決着をつけなくてはいけないと思っていたので
「構いませんわよ」
となにも気にしていないような感じで言うと
「マリアンヌ様のお父様だ、と仰っています」
なるほど....やはりそっちでしたか。
「どうする?」
「でも殿下のお客様なのでしょう?」
私がいるとわかっているなら、私にお客様だ、ということになると思うんですよね。
.....いや、あの人はそんな頭はありませんか。
なんて思っていると
「とりあえず話だけでも聞いてみようと思うが、内容によっては......」
一応実父ですから気を使って言ってくれているんでしょうが
「全部言わなくてもわかりますわ。大丈夫です。今更、情などありませんもの」
「そうか」
私の今の親はあの人ではありませんもの。
そう考えると気が楽になりました。
ハルト様に一応私もついていくことを言うと、最初は反対しましたが最後には渋々ながらも了承してくれましたわ。
本当は会いたくもないですし、話すこともありませんが、これ以上ハルト様にだけ任せるのも申し訳ないですしね。
客室を開けると、まぜかボロボロになっている元お父様が偉そうに短い足を組んで待っていました。
あっちの国に居たときはこの父親が怖くて仕方ありませんでしたが、改めて見るとこんなのに怖がっていた意味が分かりませんわね。
元お父様は私の姿をみるなり
「マリアンヌっ!貴様......っ!許可もなしに隣国に逃げていたとはな!」
と言ってきました。
はぁ.....本当に父親だと思っているなら娘の安否を喜ぶものではありませんか?
それに
「なぜ貴方の許可などいるのですか?」
許可も何も、自分で私のことを追い出しておいて何を言ってるんでしょう?
「は?お前は俺の娘なんだから当たり前だろう!?」
......は?
娘ですか。
思わず笑いそうになった私は
「ハルト様、この方は頭でもぶつけられたんでしょうか?」
顔を見ていると吹き出してしまいそうなのでハルト様に話しかけると
「それは大変だ。早く家に帰って医者にみせた方がいい」
ハルト様はそう言って元お父様を追い出そうとしました。
「ま、まて!お前!実の父親に対してそんな態度をして良いと思っているのか!」
実の父親ですか。
そんなことを思ったことなんて一度もないくせに何を言うんでしょうね。
そう思いながら
「何の用事で来ましたの?まさか、これを言うためだけに来た、なんて馬鹿なことは言いませんよね?」
もしそうだとしたら本当に頭を疑いますわ。
するとなぜか自慢げに
「ふんっ!だったらなんだと言うんだ!父親が来てやったんだ。ありがたいと思うんだな!」
と言ってきたこの人は、本当に頭がおかしいんでしょうね。
少しイラっとしたので
「あの、先程から父親、と言っていますが血の繋がりはあるかもしれませんが私は貴方の娘ではありませんよ」
と私が言うと
「ははっ!確かにそうだな。マリアンヌはそこにいる自称父親から絶縁されたんだから」
ハルト様も参戦してくれました。
本当にその通りですわ。
「えぇ、私の今の親はこんなに汚くありませんし、こんなに太って醜くもありませんわ」
今のお父様はとっても優しくて、美しいお方ですわ。
16
お気に入りに追加
2,776
あなたにおすすめの小説
【完結】貧乏男爵家のガリ勉令嬢が幸せをつかむまでー平凡顔ですが勉強だけは負けませんー
華抹茶
恋愛
家は貧乏な男爵家の長女、ベティーナ・アルタマンは可愛い弟の学費を捻出するために良いところへ就職しなければならない。そのためには学院をいい成績で卒業することが必須なため、がむしゃらに勉強へ打ち込んできた。
学院始まって最初の試験で1位を取ったことで、入学試験1位、今回の試験で2位へ落ちたコンラート・ブランディスと関わるようになる。容姿端麗、頭脳明晰、家は上級貴族の侯爵家。ご令嬢がこぞって結婚したい大人気のモテ男。そんな人からライバル宣言されてしまって――
ライバルから恋心を抱いていく2人のお話です。12話で完結。(12月31日に完結します)
※以前投稿した、長文短編を加筆修正し分割した物になります。
※R5.2月 コンラート視点の話を追加しました。(全5話)
婚約破棄?とっくにしてますけど笑
蘧饗礪
ファンタジー
ウクリナ王国の公爵令嬢アリア・ラミーリアの婚約者は、見た目完璧、中身最悪の第2王子エディヤ・ウクリナである。彼の10人目の愛人は最近男爵になったマリハス家の令嬢ディアナだ。
さて、そろそろ婚約破棄をしましょうか。
堕とされた悪役令嬢
芹澤©️
恋愛
「アーリア・メリル・テレネスティ。今日を持って貴様との婚約は破棄する。今迄のレイラ・コーストへの数々の嫌がらせ、脅迫はいくら公爵令嬢と言えども見過ごす事は出来ない。」
学園の恒例行事、夏の舞踏会場の真ん中で、婚約者である筈の第二王子殿下に、そう宣言されたアーリア様。私は王子の護衛に阻まれ、彼女を庇う事が出来なかった。
未来の記憶を手に入れて~婚約破棄された瞬間に未来を知った私は、受け入れて逃げ出したのだが~
キョウキョウ
恋愛
リムピンゼル公爵家の令嬢であるコルネリアはある日突然、ヘルベルト王子から婚約を破棄すると告げられた。
その瞬間にコルネリアは、処刑されてしまった数々の未来を見る。
絶対に死にたくないと思った彼女は、婚約破棄を快く受け入れた。
今後は彼らに目をつけられないよう、田舎に引きこもって地味に暮らすことを決意する。
それなのに、王子の周りに居た人達が次々と私に求婚してきた!?
※カクヨムにも掲載中の作品です。
婚約者を義妹に奪われましたが貧しい方々への奉仕活動を怠らなかったおかげで、世界一大きな国の王子様と結婚できました
青空あかな
恋愛
アトリス王国の有名貴族ガーデニー家長女の私、ロミリアは亡きお母様の教えを守り、回復魔法で貧しい人を治療する日々を送っている。
しかしある日突然、この国の王子で婚約者のルドウェン様に婚約破棄された。
「ロミリア、君との婚約を破棄することにした。本当に申し訳ないと思っている」
そう言う(元)婚約者が新しく選んだ相手は、私の<義妹>ダーリー。さらには失意のどん底にいた私に、実家からの追放という仕打ちが襲い掛かる。
実家に別れを告げ、国境目指してトボトボ歩いていた私は、崖から足を踏み外してしまう。
落ちそうな私を助けてくれたのは、以前ケガを治した旅人で、彼はなんと世界一の超大国ハイデルベルク王国の王子だった。そのままの勢いで求婚され、私は彼と結婚することに。
一方、私がいなくなったガーデニー家やルドウェン様の評判はガタ落ちになる。そして、召使いがいなくなったガーデニー家に怪しい影が……。
※『小説家になろう』様と『カクヨム』様でも掲載しております
捨てた私をもう一度拾うおつもりですか?
ミィタソ
恋愛
「みんな聞いてくれ! 今日をもって、エルザ・ローグアシュタルとの婚約を破棄する! そして、その妹——アイリス・ローグアシュタルと正式に婚約することを決めた! 今日という祝いの日に、みんなに伝えることができ、嬉しく思う……」
ローグアシュタル公爵家の長女――エルザは、マクーン・ザルカンド王子の誕生日記念パーティーで婚約破棄を言い渡される。
それどころか、王子の横には舌を出して笑うエルザの妹――アイリスの姿が。
傷心を癒すため、父親の勧めで隣国へ行くのだが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる