ハーレムエンドを迎えましたが、ヒロインは誰を選ぶんでしょうね？

5話 マリアンヌside

私は幼い時から次期王妃となる為に育てられてきました。

お父様は、私に対して完璧を求め続け、同い年の子息令嬢達は外で遊んでいるのに、私は常に勉強。

お母様が亡くなった時だって、悲しみに浸る間もなく勉強させられ、王妃様に心配されたくらいです。

自分は愛人達と遊び歩いていたのに......。

そのおかげ、と言ってもいいのかわかりませんが、私は同い年の令嬢と明らかに違いました。

感情をあまり表に出すこともありませんし、勉強も飛び級できるくらいには出来るようになって、いつしか淑女の鏡、だなんて呼ばれるようになっていました。

別にそんな呼び名、嬉しくもなんともありません。

家に帰ったらお父様が片付けていない仕事を片付けて、王妃教育に行ったと思ったら殿下が何かしらの問題を起こしていて。

自分の時間が全くなくて、この生活にもうんざりしていたときに現れたのがアリスさんです。

当時の私は、この生活から抜け出したい気持ちでいっぱいだったんです。

それなのに、元々問題児の殿下が、アリスさん関係のことで今まで以上に暴走するものだから仕事が増えてしまいました。

しかも、アリスさんと遊び歩いているせいで終わらない仕事が私に回ってきたんです。

元々殿下に対して嫌悪感しかありませんでしたが、余計に悪化しましたよ。


そんな中、唯一の支えになったのが侯爵令嬢の『スカーレット・バルドーラ』様ですわ。

彼女も私と同じで、家の都合で婚約させられ、アリスさん関係で婚約者の問題を片付けている、という状況でした。

ただ、私とひとつ違うことは両親に恵まれていた、ということでしょうか？

スカーレット様はとてもいい家族に恵まれていました。


そして、卒業パーティーの時、冤罪を着せられて婚約破棄された挙句、国外追放となりましたが、私の中では嬉しさしかありませんでした。

だって、面倒事がなくなるんですもの。

喜んでお受けしますわ。

周りで見ていた生徒たちが冤罪だということを訴えようとしてくれましたが、正直、そんなことをしたら私はこの状況から抜け出すことが出来なくなってしまいます。

元々、卒業パーティーで婚約破棄する、という情報が入ってきていたので様に頼んで口出ししないようにお願いしました。

おかげですんなり逃げることが出来ましたわ。

これで問題はお父様だけです。

そう思って帰宅したら、

｢王妃にならないお前なんて必要ない！さっさと出ていけ！｣

ですって。

今まで私がどれほど助けてきたのかわかっているんでしょうか？

まぁ、いいですわ。

これで本当に自由の身ですもの。

そう強気で家を出ましたが、実際は行くあてもありませんし、国外と言われてもどこに行こうか、と不安でしたわ。

すると、スカーレット様が隣国に行くから着いてこないか、とお誘いをしてくれたんです。

本当にありがたかったですわ。

後で聞いた話なんですけど、留学に来ていた隣国の王太子が国外追放されるなら連れてきて欲しい、とお願いしていたみたいなんです。

そこからはトントン拍子で話が進んで、お父様に絶縁状を届けて、私は隣国の公爵家に養子として迎え入れてもらいました。

話によると、お義母様は子供が出来なかったから嬉しい、と喜んで受け入れてくれたみたいですわ。

それから、王太子の婚約者になりました。

それに関しては本当に想定外すぎて驚いたんですが、王太子曰くその為に隣国に呼んでくれたみたいなんです。

色々ありましたが、今の私は幸せに暮らしています。

アリスさんは誰を選んだんでしょう？