14 / 48
13話 モニカside
しおりを挟むえ、今なんて言ったの?
カイン・ハーヴェンが同じ歳...?
え?え?え???
おかしいおかしい。
カインが居るってことは、ここは『ヒロインになりました!』の前作の方の世界ってこと?
じゃあ、私ヒロインになれないじゃん!
私は釈然としない思いで学園に行くと、校門の前で佇んでいる人がいた。
前作のヒロイン『リナ・アージュ』
ゲームと同じように、学園の大きさに驚いているところだろう。
この後、カインの出会いイベントが強制的に起こるところだ。
......それにしても、ピンクの髪の毛ってヒロインの特権よね。だからあの子じゃなくて私でもいいはずなのよ。
周りを見ると、カインが校門に向かってくるのが見えた。
だから私は、リナにわざとぶつかりに行った。
大丈夫か、とリナに声をかけられたからわざと怯えた様子で
「だ、大丈夫ですぅ......」
と答えて、すぐに立ち去った。
これでカインの視界に私が確実に入っただろう。
多分、今頃はカインに学園を案内してもらっているところかな、と思っていると後ろから、おい、と声をかけられた。
振り向くと、リナと一緒に居るはずのカインが立っていた。
「え、あの...どうしたんですかぁ?」
わざと大袈裟にオロオロしながら上目遣いで聞くと、顔を少し赤らめたのがわかった。
そして、私は気付いた。
攻略キャラは私でも好きになってくれるんじゃないか、と。
それからというもの、出会いイベントは全て私が取ってやった。
攻略キャラ達は顔を赤らめながら話しかけてくるようになったし、少しお願いをすると、すぐに高い物を買ってくれた。
あぁ、やっぱり私はヒロインなんだ!
そう思った。
少し時間が経つと、リナと悪役令嬢が仲良くなってた。
正直意味わかんなかった。
なんで悪役令嬢とヒロインが仲良くなるのよ!そう思ったけど、まぁ今のヒロインは私だからいいか、と頭の隅に追いやった。
そして、いつもの様にカインをお茶に誘うとリナとシエラがいた。でもカインはそれに気付かないでシエラの悪口を言い出した。
本人がいることを知っていながら、わざとそれに乗っかった。
今まで自分が悪口を言われる立場だったから新鮮な気持ちだった。
ここでシエラが私に文句を言ってくるところから嫌がらせが始まる、そう思っていると全く違うことが起こった。
なぜか私の目の前には悪役令嬢が4人も揃っていた。
え?こんなのストーリーの中に無かったじゃん!
そう思って焦っていると話の内容がどんどん悪いほうにいってた。
最後には何も言い返せなかったカインに連れられて逃げるように立ち去った。
なんだか惨めな思いをした、そう思った。
それでも私は攻略キャラへの接し方を何も変えなかった。
少し我儘を言って、相手に合わせて都合のいい言葉を言っていく。
それで好感度が上がっていると思ってた。
それなのに出会い以外のイベントが全く起こらない。
イベントの場所に行っても、それっぽく促してみても全然ダメだった。
ヒロインに聞こう、そう思って声をかけに行くと驚いた。
まさかリナがシエラ以外の悪役令嬢達とも仲良くなっているなんて。
驚きはまだ続いた。
リナの前世は私と同じ学校の奴だった。
しかも、あの交通事故で死んでしまった奴。
まさかこんな所で会うなんて思わなかったから性格も前世とはガラッと変えて、男が好きそうな女を演じていたのに......
でも私は諦めたくない。
だから最後に言ってやった。
「ヒロイン役は私がやるから」
0
お気に入りに追加
1,105
あなたにおすすめの小説
ざまぁされるのが確実なヒロインに転生したので、地味に目立たず過ごそうと思います
真理亜
恋愛
私、リリアナが転生した世界は、悪役令嬢に甘くヒロインに厳しい世界だ。その世界にヒロインとして転生したからには、全てのプラグをへし折り、地味に目立たず過ごして、ざまぁを回避する。それしかない。生き延びるために! それなのに...なぜか悪役令嬢にも攻略対象にも絡まれて...
不機嫌な悪役令嬢〜王子は最強の悪役令嬢を溺愛する?〜
晴行
恋愛
乙女ゲームの貴族令嬢リリアーナに転生したわたしは、大きな屋敷の小さな部屋の中で窓のそばに腰掛けてため息ばかり。
見目麗しく深窓の令嬢なんて噂されるほどには容姿が優れているらしいけど、わたしは知っている。
これは主人公であるアリシアの物語。
わたしはその当て馬にされるだけの、悪役令嬢リリアーナでしかない。
窓の外を眺めて、次の転生は鳥になりたいと真剣に考えているの。
「つまらないわ」
わたしはいつも不機嫌。
どんなに努力しても運命が変えられないのなら、わたしがこの世界に転生した意味がない。
あーあ、もうやめた。
なにか他のことをしよう。お料理とか、お裁縫とか、魔法がある世界だからそれを勉強してもいいわ。
このお屋敷にはなんでも揃っていますし、わたしには才能がありますもの。
仕方がないので、ゲームのストーリーが始まるまで悪役令嬢らしく不機嫌に日々を過ごしましょう。
__それもカイル王子に裏切られて婚約を破棄され、大きな屋敷も貴族の称号もすべてを失い終わりなのだけど。
頑張ったことが全部無駄になるなんて、ほんとうにつまらないわ。
の、はずだったのだけれど。
アリシアが現れても、王子は彼女に興味がない様子。
ストーリーがなかなか始まらない。
これじゃ二人の仲を引き裂く悪役令嬢になれないわ。
カイル王子、間違ってます。わたしはアリシアではないですよ。いつもツンとしている?
それは当たり前です。貴方こそなぜわたしの家にやってくるのですか?
わたしの料理が食べたい? そんなのアリシアに作らせればいいでしょう?
毎日つくれ? ふざけるな。
……カイル王子、そろそろ帰ってくれません?
転生令嬢シシィ・ファルナーゼは死亡フラグをへし折りたい
柴 (柴犬から変更しました)
恋愛
脳筋家族に囲まれ脳筋として育った獅子井桜は、友人から話を聞いただけの乙女ゲームに悪役令嬢シシィ・ファルナーゼとして転生した。
冤罪で断罪されて処刑コースだけは避けたいシシィ・ファルナーゼ。
乙女ゲームの知識もほぼ無く、とりあえず婚約者になるのを避ければ大丈夫だと四苦八苦する。
一方、婚約者の死亡後に冤罪だったと知った王子は何故か婚約前まで時間が巻き戻り、今度こそシシィを信じると誓っているが、巻き戻り前と様子の違う婚約者に戸惑う。
小淑女と呼ばれた完璧令嬢の筈のシシィ・ファルナーゼが、脳筋女子高生獅子井桜の意識で生きていき、一回目とは違う展開になっていく。
※R15は保険
※最初だけシリアス
なろうさまでも掲載しております
悪役令嬢より取り巻き令嬢の方が問題あると思います
蓮
恋愛
両親と死別し、孤児院暮らしの平民だったシャーリーはクリフォード男爵家の養女として引き取られた。丁度その頃市井では男爵家など貴族に引き取られた少女が王子や公爵令息など、高貴な身分の男性と恋に落ちて幸せになる小説が流行っていた。シャーリーは自分もそうなるのではないかとつい夢見てしまう。しかし、夜会でコンプトン侯爵令嬢ベアトリスと出会う。シャーリーはベアトリスにマナーや所作など色々と注意されてしまう。シャーリーは彼女を小説に出て来る悪役令嬢みたいだと思った。しかし、それが違うということにシャーリーはすぐに気付く。ベアトリスはシャーリーが嘲笑の的にならないようマナーや所作を教えてくれていたのだ。
(あれ? ベアトリス様って実はもしかして良い人?)
シャーリーはそう思い、ベアトリスと交流を深めることにしてみた。
しかしそんな中、シャーリーはあるベアトリスの取り巻きであるチェスター伯爵令嬢カレンからネチネチと嫌味を言われるようになる。カレンは平民だったシャーリーを気に入らないらしい。更に、他の令嬢への嫌がらせの罪をベアトリスに着せて彼女を社交界から追放しようともしていた。彼女はベアトリスも気に入らないらしい。それに気付いたシャーリーは怒り狂う。
「私に色々良くしてくださったベアトリス様に冤罪をかけようとするなんて許せない!」
シャーリーは仲良くなったテヴァルー子爵令息ヴィンセント、ベアトリスの婚約者であるモールバラ公爵令息アイザック、ベアトリスの弟であるキースと共に、ベアトリスを救う計画を立て始めた。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
ジャンルは恋愛メインではありませんが、アルファポリスでは当てはまるジャンルが恋愛しかありませんでした。
断罪イベント? よろしい、受けて立ちましょう!
寿司
恋愛
イリア=クリミアはある日突然前世の記憶を取り戻す。前世の自分は入江百合香(いりえ ゆりか)という日本人で、ここは乙女ゲームの世界で、私は悪役令嬢で、そしてイリア=クリミアは1/1に起きる断罪イベントで死んでしまうということを!
記憶を取り戻すのが遅かったイリアに残された時間は2週間もない。
そんなイリアが生き残るための唯一の手段は、婚約者エドワードと、妹エミリアの浮気の証拠を掴み、逆断罪イベントを起こすこと!?
ひょんなことから出会い、自分を手助けしてくれる謎の美青年ロキに振り回されたりドキドキさせられながらも死の運命を回避するため奔走する!
◆◆
第12回恋愛小説大賞にエントリーしてます。よろしくお願い致します。
◆◆
本編はざまぁ:恋愛=7:3ぐらいになっています。
エンディング後は恋愛要素を増し増しにした物語を更新していきます。
公爵令嬢 メアリの逆襲 ~魔の森に作った湯船が 王子 で溢れて困ってます~
薄味メロン
恋愛
HOTランキング 1位 (2019.9.18)
お気に入り4000人突破しました。
次世代の王妃と言われていたメアリは、その日、すべての地位を奪われた。
だが、誰も知らなかった。
「荷物よし。魔力よし。決意、よし!」
「出発するわ! 目指すは源泉掛け流し!」
メアリが、追放の準備を整えていたことに。
【完結】貧乏令嬢は自分の力でのし上がる!後悔?先に立たずと申しましてよ。
やまぐちこはる
恋愛
領地が災害に見舞われたことで貧乏どん底の伯爵令嬢サラは子爵令息の婚約者がいたが、裕福な子爵令嬢に乗り換えられてしまう。婚約解消の慰謝料として受け取った金で、それまで我慢していたスイーツを食べに行ったところ運命の出会いを果たし、店主に断られながらも通い詰めてなんとかスイーツショップの店員になった。
貴族の令嬢には無理と店主に厳しくあしらわれながらも、めげずに下積みの修業を経てパティシエールになるサラ。
そしてサラを見守り続ける青年貴族との恋が始まる。
全44話、7/24より毎日8時に更新します。
よろしくお願いいたします。
転生したら推しに捨てられる婚約者でした、それでも推しの幸せを祈ります
みゅー
恋愛
私このシーンや会話の内容を知っている。でも何故? と、思い出そうとするが目眩がし気分が悪くなってしまった、そして前世で読んだ小説の世界に転生したと気づく主人公のサファイア。ところが最推しの公爵令息には最愛の女性がいて、自分とは結ばれないと知り……
それでも主人公は健気には推しの幸せを願う。そんな切ない話を書きたくて書きました。
ハッピーエンドです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる