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9話
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第一王子の整った顔で微笑まれた令嬢は、普通なら顔を真っ赤にして.....となるはずですが、この状況で微笑まれてもただ恐怖を感じるだけですわよね。
案の定、ジーア様もアリス様も顔を真っ青にして硬直していますわ。
この反応、今更過ぎですわよね。
なんて思っていると
「このような祝いの場で騒ぎを起こして、今まで辺境で戦ってくれていた人に、冤罪を着せようとしたんだ。どうなるか、覚悟は出来ているだろうな」
陛下はそう言うと、手をパンパン、と叩きました。
すると、外で待機していた兵士たちが一斉に入ってきて、すぐにジーア様とアンナ様、それから周りにいた取り巻きたちも含めて拘束していますわ。
取り巻きたちは捕まると思っていなかったみたいで
「な、なんで俺たちまで!?」
と驚いていますが、一緒にいたんですから当然ですわよね。
捕まりたくないなら最初からこの2人に関わらなければ良かっただけの話ですわ。
そう思いながらジーア様達を見ると、意外にも大人しく捕まっていますわね。
暴れることもなく、されるがまま、という様子ですわ。
陛下の
「この2人を牢屋にぶち込んでおけ。それからそれぞれの家に報告を」
という言葉で、ジーア様達は会場を後にしましたが、騒いだのは取り巻きたちだけで、ジーア様とアリス様は引きずられるように会場を後にしました。
ーーーーーーーーーー
なんだか嵐のようでしたわね。
あまりにも衝撃的な、そして自分には起こらないであろう、と思っていた出来事だったので、思わずジーア様達が出ていた後の扉を眺めていると
「さて、これで騒ぎは終わったね」
という第一王子の言葉でハッと正気に戻りましたわ。
反射的に
「今までの無礼をお許しくださいませ!」
と頭を下げると
「だって、あれはアレックスに対しての行動でしょ?それに、俺は無礼だなんて思ったことはないよ」
第一王子は優しく、そう言ってくれましたが、あまりにも第一王子に対して馴れ馴れしい態度を取りすぎて、なんだか申し訳なさと恥ずかしさとで、感情がグチャグチャですわ。
第一王子に頭を上げるように、と言われてあげたのは良いですが、やっぱりなんだか複雑な心境です。
そう思っていると、
「ジュリア!会いたかったですわ!」
急にエリーアが私に抱き着いてきましたわ。
久しぶりに会った、という嬉しさと、ジーア様からの解放感でついテンションが上がって
「エリーア!もう!明日戻るって言っていたじゃない!」
そう言って微笑むと
「うふふっ!驚かせたくて黙っていましたの!」
エリーアもそう言って優しく微笑みましたわ。
私の唯一の友人で、辺境に行く、と決まってからすぐに留学に行っていたので役1年ぶりの再会ですの。
何度見ても美人さんで、自慢の友人ですわ。
そう思っていると、第二王子も私たちの方に駆け寄ってきて
「兄上!なんで家に戻ってこないんですか!」
と第一王子に話しかけています。
なんだか凄く嬉しそうですわね。
第一王子も
「いやぁ.......辺境が楽しくてつい、ね」
と苦笑していますが、さっきまでの鋭さは消えて柔らかい雰囲気になっています。
この2人......王位争いをしているものだと思っていましたが普通に仲が良いんですのね。
第二王子が兄のことを慕っているのがとてもよく伝わってきます。
なんて思っていると、陛下が
「話をしたいのはわかるが、まずは仕切り直しから先だろう」
そういって周りを見渡しました。
確かに、会場にいる人達は何が起こったのかもわかっていませんし、急に現れた第一王子にまだ混乱している人もいますわね。
私達だけが、ワイワイと盛り上がっている、という状況ですわ。
なので、一旦お話を辞めて、なぜか私もエリーアと王子たちの隣に立ったまま
「色々と予定外のこともあったが、仕切り直しといこう。パーティーを楽しんでくれ」
という陛下の言葉でパーティーが再開しました。
さっきまでの重苦しい雰囲気はどこへやら、皆楽しそうにパーティーが再開したのでホッとしましたわ。
案の定、ジーア様もアリス様も顔を真っ青にして硬直していますわ。
この反応、今更過ぎですわよね。
なんて思っていると
「このような祝いの場で騒ぎを起こして、今まで辺境で戦ってくれていた人に、冤罪を着せようとしたんだ。どうなるか、覚悟は出来ているだろうな」
陛下はそう言うと、手をパンパン、と叩きました。
すると、外で待機していた兵士たちが一斉に入ってきて、すぐにジーア様とアンナ様、それから周りにいた取り巻きたちも含めて拘束していますわ。
取り巻きたちは捕まると思っていなかったみたいで
「な、なんで俺たちまで!?」
と驚いていますが、一緒にいたんですから当然ですわよね。
捕まりたくないなら最初からこの2人に関わらなければ良かっただけの話ですわ。
そう思いながらジーア様達を見ると、意外にも大人しく捕まっていますわね。
暴れることもなく、されるがまま、という様子ですわ。
陛下の
「この2人を牢屋にぶち込んでおけ。それからそれぞれの家に報告を」
という言葉で、ジーア様達は会場を後にしましたが、騒いだのは取り巻きたちだけで、ジーア様とアリス様は引きずられるように会場を後にしました。
ーーーーーーーーーー
なんだか嵐のようでしたわね。
あまりにも衝撃的な、そして自分には起こらないであろう、と思っていた出来事だったので、思わずジーア様達が出ていた後の扉を眺めていると
「さて、これで騒ぎは終わったね」
という第一王子の言葉でハッと正気に戻りましたわ。
反射的に
「今までの無礼をお許しくださいませ!」
と頭を下げると
「だって、あれはアレックスに対しての行動でしょ?それに、俺は無礼だなんて思ったことはないよ」
第一王子は優しく、そう言ってくれましたが、あまりにも第一王子に対して馴れ馴れしい態度を取りすぎて、なんだか申し訳なさと恥ずかしさとで、感情がグチャグチャですわ。
第一王子に頭を上げるように、と言われてあげたのは良いですが、やっぱりなんだか複雑な心境です。
そう思っていると、
「ジュリア!会いたかったですわ!」
急にエリーアが私に抱き着いてきましたわ。
久しぶりに会った、という嬉しさと、ジーア様からの解放感でついテンションが上がって
「エリーア!もう!明日戻るって言っていたじゃない!」
そう言って微笑むと
「うふふっ!驚かせたくて黙っていましたの!」
エリーアもそう言って優しく微笑みましたわ。
私の唯一の友人で、辺境に行く、と決まってからすぐに留学に行っていたので役1年ぶりの再会ですの。
何度見ても美人さんで、自慢の友人ですわ。
そう思っていると、第二王子も私たちの方に駆け寄ってきて
「兄上!なんで家に戻ってこないんですか!」
と第一王子に話しかけています。
なんだか凄く嬉しそうですわね。
第一王子も
「いやぁ.......辺境が楽しくてつい、ね」
と苦笑していますが、さっきまでの鋭さは消えて柔らかい雰囲気になっています。
この2人......王位争いをしているものだと思っていましたが普通に仲が良いんですのね。
第二王子が兄のことを慕っているのがとてもよく伝わってきます。
なんて思っていると、陛下が
「話をしたいのはわかるが、まずは仕切り直しから先だろう」
そういって周りを見渡しました。
確かに、会場にいる人達は何が起こったのかもわかっていませんし、急に現れた第一王子にまだ混乱している人もいますわね。
私達だけが、ワイワイと盛り上がっている、という状況ですわ。
なので、一旦お話を辞めて、なぜか私もエリーアと王子たちの隣に立ったまま
「色々と予定外のこともあったが、仕切り直しといこう。パーティーを楽しんでくれ」
という陛下の言葉でパーティーが再開しました。
さっきまでの重苦しい雰囲気はどこへやら、皆楽しそうにパーティーが再開したのでホッとしましたわ。
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