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メイリスの恋
6話
しおりを挟む「はぁ......」
私は思わず大きなため息をついてしまった。
それを見たお母様が
「まぁ!どうしたの?やっぱり祈るのは疲れた?」
と私に聞いてきた。
違うんですよ。
ワールさんを探すと決めて約1時間、歩き続けました。
............見つからなかったんですよぉ...
お母様に大丈夫よ、と伝えてから今日のメイリスの様子を聞いてみた。
いつも通りだったらしい。
気にしているの私だけなんですかね?皆、普通にしているし......いやいや!でも付き合わないのは私のせいだと聞いてしまったからには.........
「あぁぁぁぁ!」
頭をグシャグシャとしていると、お父様とお母様が心配そうな顔をして私を見ていたけど、お構いなしに考え事を続けた。
ご飯を食べ終わってから、以前同様メイリスを私の部屋に呼んで、布団の上に座らせた。
メイリスも察したのだろう。大人しく座って私の言葉を待ってくれた。
「やっぱりワールさんと話をすべきだと思うのよ」
「.........は?」
私の言葉にメイリスは珍しく豆鉄砲をくらったような顔をしていた。
「私の元を離れたくないのならそれを伝えればいい、それで嫌だって言ったらちゃんとお断りする!」
今の私はドヤ顔をして言っている。そんな気がする。
だって、そうでもしないと言えないような気がしたんですよ...っ
「...あ、あの、お嬢様?私はワールさんとのお付き合いはお断りしたんですよ?だからわざわざ話をしなくても...」
「だって、理由も何も話していないじゃない!」
私が珍しく声を荒らげるとメイリスは驚いた顔をしていた。
それに気付いたけど、ここで止まってしまったら次に進まない、と自分に喝を打って続けた。
「メイリスは一度も恋をしたことがないでしょう?今回はいい機会なのに簡単に逃して欲しくないの...」
「それに、私も恋をしたことがないのよ.........恋をすることなく結婚してしまった。今思うと間違いだったなって思うの」
「お嬢様......」
「だから......ね?......あ、でも無理やりって訳でもないよ?嫌って言うなら」
なんだかここまで言っておきながら、あれ?これって私の自己満足じゃない?という考えになって咄嗟にフォローを入れてしまった。
でもメイリスはなんとなくだけどスッキリした顔をしている気がする。
それを見て、ホッとしていると
「いえ、ありがとうございます。おかげで覚悟が決まりました」
とメイリスにお礼を言われた。
「.........メイリス?」
「明日の午後には国に戻るはずなので、午前中にワールさんのところに行ってこようと思います」
メイリスのその言葉に私は顔を綻ばせた。
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