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23話 ワイバーンの後始末です
しおりを挟むワイバーンを倒し終わってからは大変だった。
まず、怪我をしてしまった人達を片っ端から回復魔法をかけ、倒したワイバーンをどうにかして無限収納のカバンに押し込んだ。
その押し込むのが大変で、ショルダーバッグだから入れるところは小さいし、解体するにも素材に傷がついたらダメだから......と8人全員で腕からギュウギュウに押し込んだ。
30分くらいかけてやっと全身が入った時には、取り敢えずほっとした。
「お嬢様、お疲れ様でした」
一通り片付けの済んだメイリスが声をかけてきた。
「メイリスもお疲れ様。ワイバーンと戦ってるの、遠くからしか見れなくてちょっと残念だったわ」
私がクスクスと笑うと
「精霊もいるので、もう少し簡単だとおもったんですけどね」
と苦笑していた。
「精霊って魔法の方が得意なんじゃない?」
「あ......確かに...」
私とメイリスが雑談していると、ワールがこっちに向かってきた。
「ワールさんもお疲れ様でした」
と私が微笑むと、メイリスさんのおかげですよ、頭を掻きながら言ったあと
「そろそろ出発しようと思うんですけど大丈夫ですか?」
と聞いてきた。
私とメイリスは、いつでも大丈夫よ、と返事するとワールは了解です!満面の笑みで答えた。
あれから、結界のおかげもあって、魔物と戦うことなくギルドに到着するとサーヤが駆け寄ってきた。
「おかえりなさぁーい!!」
抱きついてきたサーヤを受け止め、ただいま、と言うとガルも現れた。
「全員無事に帰ってきたか」
ガルは依頼に行った全員が無傷なのを確認すると、お疲れさん、と微笑んだ。
その後はバッグの中からワイバーンを出して、報酬金を貰った。
思った以上に損傷が少なかったからか、金貨80枚も貰えた。
8人で依頼に出たから丁度良いと思い皆に10枚ずつ渡そうとすると、
「いや、2人がいないと俺ら、死んでましたよ!」
「受け取れないですっ!」
「お2人が受け取ってください!」
と口々にに断られてしまった。
じゃあ、せめて半分だけでも良いから受け取って欲しい。とお願いすると、渋々受け取ってくれた。
一応、金貨5枚でも3ヶ月は余裕で遊んで暮らせる額だ。
受け取って貰えたことに安堵していると、ギルドの扉が凄い勢いで開いた。
何事かと思って、皆が扉の方へと視線を向けると
「シエラ.........っ!やっと見つけた...っ!!」
そこにはボロボロになったマノンが立っていた。
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