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81話
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伯爵家の話を聞いた、というお兄様の表情は見えないのでわかりませんが、きっと凄く落ち込んでいますわよね。
だって、アンナ様が結婚相手として最後の希望のようなものでしたから。
そう思っていると、
「この婚約の話自体なくなるらしい。今まで迷惑をかけてすまない」
お兄様がそう言ってきましたわ。
反射的に振り向くと、そこには私に向かって、深く頭を下げるお兄様がいて
「お、お兄様は何も悪くありませんわ。なので頭を上げてくださいませ」
と言ってしまいましたわ。
だってまさかお兄様が頭を下げてまで謝ってくるとは思っていなかったんですもの。
すると、お兄様は頭を下げたまま
「いや......これは俺がアンナ嬢に強く言わなかった責任だ。メイド達にもこれから謝ってくるつもり」
と言ってから頭を上げましたわ。
確かに、お兄様がアンナ様にハッキリと言わなかったのも悪いです。
ですが、アンナ様が一般的な常識のある人だったら、こんなことにもなっていないんですわ。
つまり、一番悪いのはアンナ様、ということです。
ですが、今のお兄様にそう言っても納得はしないと思ったので黙っていると
「それと.......あの.....さ」
と何か言いたそうにしていますわ。
これ以外に何か言うことがあるんでしょうか?
そう思って、思わず首を傾げて、お兄様の言葉を待ったんですが
「いや、なんでもない」
とだけ言って部屋の扉の方に向かって歩いて行ってしまいました。
な、なんですの?
お母様といい、お兄様といい。
話すことがあるならハッキリと言ってくれないと、なんだかモヤモヤしますわ!
そう思っている私に、
「もう少しで夕食だから食堂に行き準備しておいてね」
と言って、お兄様は部屋を後にしました。
時計を見ると、確かに夕食の時間が迫っていますわ。
.....ただ謝罪に来ただけ、ということで合っていますのよね?
ーーーーーーーーーーーーーー
私が食堂に向かうと、もうお父様もお母様も、お兄様までもが席についていて、
「隣国から手紙が届いた」
何やら重苦しい空気のなか、お父様がそう話し始めましたわ。
お父様いわく、元々疑いがあったけど証拠が掴めなかったから助かった、と感謝されたみたいです。
調査書に書いてある通り、伯爵家は一家全員が何かしらの罪を犯している、ということで、一旦ですが全員牢屋行き。
伯爵に関しては処刑となるだろう、とのことが手紙に書いてあったみたいですわ。
夫人はすべての悪事に関与していたわけではない、ということで処刑は免れたものの終身刑。
アンナ様とアンナ様のお兄様はそれぞれ強制労働させられる、ということで処罰が決まったみたいです。
それから、一時期でもアンナ様の婚約者的立場にいたお兄様も疑われるところだったんですが、お兄様はそんなことをしていませんし、何より証拠を出した家の人が関与しているとは思えない、とのことで特に何もなかったみたいですわ。
お父様の話を聞いて
「ということは、アンナ様は帰宅してからすぐに捕まってしまったんですのね」
と私が言うと
「そうでしょうね。まぁ、今までしてきたことを考えたら自業自得よ」
お母様がそう言って苦笑していますわ。
確かにその通りですわね。
処刑されないだけマシだ、と思った方が良いですわ。
だって、アンナ様が結婚相手として最後の希望のようなものでしたから。
そう思っていると、
「この婚約の話自体なくなるらしい。今まで迷惑をかけてすまない」
お兄様がそう言ってきましたわ。
反射的に振り向くと、そこには私に向かって、深く頭を下げるお兄様がいて
「お、お兄様は何も悪くありませんわ。なので頭を上げてくださいませ」
と言ってしまいましたわ。
だってまさかお兄様が頭を下げてまで謝ってくるとは思っていなかったんですもの。
すると、お兄様は頭を下げたまま
「いや......これは俺がアンナ嬢に強く言わなかった責任だ。メイド達にもこれから謝ってくるつもり」
と言ってから頭を上げましたわ。
確かに、お兄様がアンナ様にハッキリと言わなかったのも悪いです。
ですが、アンナ様が一般的な常識のある人だったら、こんなことにもなっていないんですわ。
つまり、一番悪いのはアンナ様、ということです。
ですが、今のお兄様にそう言っても納得はしないと思ったので黙っていると
「それと.......あの.....さ」
と何か言いたそうにしていますわ。
これ以外に何か言うことがあるんでしょうか?
そう思って、思わず首を傾げて、お兄様の言葉を待ったんですが
「いや、なんでもない」
とだけ言って部屋の扉の方に向かって歩いて行ってしまいました。
な、なんですの?
お母様といい、お兄様といい。
話すことがあるならハッキリと言ってくれないと、なんだかモヤモヤしますわ!
そう思っている私に、
「もう少しで夕食だから食堂に行き準備しておいてね」
と言って、お兄様は部屋を後にしました。
時計を見ると、確かに夕食の時間が迫っていますわ。
.....ただ謝罪に来ただけ、ということで合っていますのよね?
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私が食堂に向かうと、もうお父様もお母様も、お兄様までもが席についていて、
「隣国から手紙が届いた」
何やら重苦しい空気のなか、お父様がそう話し始めましたわ。
お父様いわく、元々疑いがあったけど証拠が掴めなかったから助かった、と感謝されたみたいです。
調査書に書いてある通り、伯爵家は一家全員が何かしらの罪を犯している、ということで、一旦ですが全員牢屋行き。
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アンナ様とアンナ様のお兄様はそれぞれ強制労働させられる、ということで処罰が決まったみたいです。
それから、一時期でもアンナ様の婚約者的立場にいたお兄様も疑われるところだったんですが、お兄様はそんなことをしていませんし、何より証拠を出した家の人が関与しているとは思えない、とのことで特に何もなかったみたいですわ。
お父様の話を聞いて
「ということは、アンナ様は帰宅してからすぐに捕まってしまったんですのね」
と私が言うと
「そうでしょうね。まぁ、今までしてきたことを考えたら自業自得よ」
お母様がそう言って苦笑していますわ。
確かにその通りですわね。
処刑されないだけマシだ、と思った方が良いですわ。
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