65 / 89
64話
しおりを挟む
とりあえず、なぜ色んな人に謝られるようなことになったのかわかったので、すっきりとしましたわ。
話を教えてくれたビビアン様にお礼を言った後に
「はぁ......とにかく、そんな理由なら別に謝る必要もありませんわ」
と私が呟くと、ビビアン様は苦笑していますが、中には話をしたことがない人もいますからね。
そんな人たちが、チラチラと私を見てくるのも面倒なんです。
なんて思っていると、
「それよりも、ブレイド様は何がありましたの?」
そういえば朝に何かしらあったことを伝えましたわね。
色々ありすぎて忘れていましたわ。
そう思いながら
「あぁ......本当にありえないことがありましたのよ」
とビビアン様にざっくりと起こったことを伝えましたわ。
もちろん、アンナ様の家が法に触れるようなことをしている、ということはまだ確定ではありませんし、何も関係のないビビアン様に教えるわけにもいかないので、初めて会ったのに、お兄様の膝の上に座っていちゃついていた、ということだけを教えました。
すると
「それは......ブレイド様もありえませんが、その令嬢も凄いですわね」
ありえない、という思いが伝わってきますわ。
それほどまでにアンナ様とお兄様の行動はあり得ないことで、私の感覚が間違っていないのもわかってよかったです。
そう思いながら
「そうなんですの。それに、自分の子供が次期当主にならないのはあり得ない、なんて話もしているらしいですし」
と言ってため息をつくと
「まぁ!シャルロット様の家の事情は皆知っているものだと思っていましたわ。流石に隣国の人だから知らなかったんでしょうか?」
そうなんですの。
我が家のことは、この国の人ならしっかりと知っている話ですわ。
だからこそ、次期公爵でありながら婚約者が出来ませんでしたもの。
ビビアン様の疑問に対して
「ですが婚約者になる人の家を何も調べないのはあり得ないと思いますわ」
と答えると
「そうですわよね..........」
と悩ませてしまいましたわ。
なんだか毎回心配させるようなことを言って申し訳ないですわね。
面白がって話を聞いてくるような令嬢と違ってビビアン様は本気で心配してくれていますし。
私だって出来ることなら楽しい話がしたいですわ。
でも、なんでか楽しい話が出来るようなことが起こりませんのよね。
はぁ.....もしかして私、運が悪いんでしょうか?
なんて思っていると、
「伯爵令嬢、ということなので、爵位が目当てで近付いた、とかでしょうか?」
とビビアン様が言いましたわ。
これに関しては
「失礼かもしれませんが、私も同じことを思っていますわ。お兄様の年齢で婚約者がいないなんて珍しいことですし」
公爵夫人、という地位は王妃様と側室様の次に高いものですからね。
アンナ様が欲しくなるのも頷けますわ。
それに自分の息子を公爵にしたら.......なんて考えていそうな人でしたし。
するとビビアン様は
「なんだか嫌な令嬢ですわね」
と苦笑しましたわ。
もう、それは私も同意見です。
本当に嫌な令嬢ですわ。
ビビアン様の言葉に頷いて
「えぇ、いっそのこと陛下に直談判して私が家を継ごうか、とも考えたくらいですわ」
そう言ってふふっと微笑むと
「それもそれで面白そうですわね」
今日見たビビアン様の笑顔の中で一番楽しそうな顔をして微笑んでくれました。
話を教えてくれたビビアン様にお礼を言った後に
「はぁ......とにかく、そんな理由なら別に謝る必要もありませんわ」
と私が呟くと、ビビアン様は苦笑していますが、中には話をしたことがない人もいますからね。
そんな人たちが、チラチラと私を見てくるのも面倒なんです。
なんて思っていると、
「それよりも、ブレイド様は何がありましたの?」
そういえば朝に何かしらあったことを伝えましたわね。
色々ありすぎて忘れていましたわ。
そう思いながら
「あぁ......本当にありえないことがありましたのよ」
とビビアン様にざっくりと起こったことを伝えましたわ。
もちろん、アンナ様の家が法に触れるようなことをしている、ということはまだ確定ではありませんし、何も関係のないビビアン様に教えるわけにもいかないので、初めて会ったのに、お兄様の膝の上に座っていちゃついていた、ということだけを教えました。
すると
「それは......ブレイド様もありえませんが、その令嬢も凄いですわね」
ありえない、という思いが伝わってきますわ。
それほどまでにアンナ様とお兄様の行動はあり得ないことで、私の感覚が間違っていないのもわかってよかったです。
そう思いながら
「そうなんですの。それに、自分の子供が次期当主にならないのはあり得ない、なんて話もしているらしいですし」
と言ってため息をつくと
「まぁ!シャルロット様の家の事情は皆知っているものだと思っていましたわ。流石に隣国の人だから知らなかったんでしょうか?」
そうなんですの。
我が家のことは、この国の人ならしっかりと知っている話ですわ。
だからこそ、次期公爵でありながら婚約者が出来ませんでしたもの。
ビビアン様の疑問に対して
「ですが婚約者になる人の家を何も調べないのはあり得ないと思いますわ」
と答えると
「そうですわよね..........」
と悩ませてしまいましたわ。
なんだか毎回心配させるようなことを言って申し訳ないですわね。
面白がって話を聞いてくるような令嬢と違ってビビアン様は本気で心配してくれていますし。
私だって出来ることなら楽しい話がしたいですわ。
でも、なんでか楽しい話が出来るようなことが起こりませんのよね。
はぁ.....もしかして私、運が悪いんでしょうか?
なんて思っていると、
「伯爵令嬢、ということなので、爵位が目当てで近付いた、とかでしょうか?」
とビビアン様が言いましたわ。
これに関しては
「失礼かもしれませんが、私も同じことを思っていますわ。お兄様の年齢で婚約者がいないなんて珍しいことですし」
公爵夫人、という地位は王妃様と側室様の次に高いものですからね。
アンナ様が欲しくなるのも頷けますわ。
それに自分の息子を公爵にしたら.......なんて考えていそうな人でしたし。
するとビビアン様は
「なんだか嫌な令嬢ですわね」
と苦笑しましたわ。
もう、それは私も同意見です。
本当に嫌な令嬢ですわ。
ビビアン様の言葉に頷いて
「えぇ、いっそのこと陛下に直談判して私が家を継ごうか、とも考えたくらいですわ」
そう言ってふふっと微笑むと
「それもそれで面白そうですわね」
今日見たビビアン様の笑顔の中で一番楽しそうな顔をして微笑んでくれました。
3
お気に入りに追加
2,497
あなたにおすすめの小説
事情があってメイドとして働いていますが、実は公爵家の令嬢です。
木山楽斗
恋愛
ラナリアが仕えるバルドリュー伯爵家では、子爵家の令嬢であるメイドが幅を利かせていた。
彼女は貴族の地位を誇示して、平民のメイドを虐げていた。その毒牙は、平民のメイドを庇ったラナリアにも及んだ。
しかし彼女は知らなかった。ラナリアは事情があって伯爵家に仕えている公爵令嬢だったのである。
パーティー中に婚約破棄された私ですが、実は国王陛下の娘だったようです〜理不尽に婚約破棄した伯爵令息に陛下の雷が落ちました〜
雪島 由
恋愛
生まれた時から家族も帰る場所もお金も何もかもがない環境で生まれたセラは幸運なことにメイドを務めていた伯爵家の息子と婚約を交わしていた。
だが、貴族が集まるパーティーで高らかに宣言されたのは婚約破棄。
平民ごときでは釣り合わないらしい。
笑い者にされ、生まれた環境を馬鹿にされたセラが言い返そうとした時。パーティー会場に聞こえた声は国王陛下のもの。
何故かその声からは怒りが溢れて出ていた。
目の前で始まった断罪イベントが理不尽すぎたので口出ししたら巻き込まれた結果、何故か王子から求婚されました
歌龍吟伶
恋愛
私、ティーリャ。王都学校の二年生。
卒業生を送る会が終わった瞬間に先輩が婚約破棄の断罪イベントを始めた。
理不尽すぎてイライラしたから口を挟んだら、お前も同罪だ!って謎のトバッチリ…マジないわー。
…と思ったら何故か王子様に気に入られちゃってプロポーズされたお話。
全二話で完結します、予約投稿済み
【 完結 】「平民上がりの庶子」と言っただなんて誰が言ったんですか?悪い冗談はやめて下さい!
しずもり
恋愛
ここはチェン王国の貴族子息子女が通う王立学園の食堂だ。確かにこの時期は夜会や学園行事など無い。でもだからってこの国の第二王子が側近候補たちと男爵令嬢を右腕にぶら下げていきなり婚約破棄を宣言しちゃいますか。そうですか。
お昼休憩って案外と短いのですけど、私、まだお昼食べていませんのよ?
突然、婚約破棄を宣言されたのはチェン王国第二王子ヴィンセントの婚約者マリア・べルージュ公爵令嬢だ。彼女はいつも一緒に行動をしているカミラ・ワトソン伯爵令嬢、グレイシー・テネート子爵令嬢、エリザベス・トルーヤ伯爵令嬢たちと昼食を取る為食堂の席に座った所だった。
そこへ現れたのが側近候補と男爵令嬢を連れた第二王子ヴィンセントでマリアを見つけるなり書類のような物をテーブルに叩きつけたのだった。
よくある婚約破棄モノになりますが「ざまぁ」は微ざまぁ程度です。
*なんちゃって異世界モノの緩い設定です。
*登場人物の言葉遣い等(特に心の中での言葉)は現代風になっている事が多いです。
*ざまぁ、は微ざまぁ、になるかなぁ?ぐらいの要素しかありません。
婚約者に冤罪をかけられ島流しされたのでスローライフを楽しみます!
ユウ
恋愛
侯爵令嬢であるアーデルハイドは妹を苛めた罪により婚約者に捨てられ流罪にされた。
全ては仕組まれたことだったが、幼少期からお姫様のように愛された妹のことしか耳を貸さない母に、母に言いなりだった父に弁解することもなかった。
言われるがまま島流しの刑を受けるも、その先は隣国の南の島だった。
食料が豊作で誰の目を気にすることなく自由に過ごせる島はまさにパラダイス。
アーデルハイドは家族の事も国も忘れて悠々自適な生活を送る中、一人の少年に出会う。
その一方でアーデルハイドを追い出し本当のお姫様になったつもりでいたアイシャは、真面な淑女教育を受けてこなかったので、社交界で四面楚歌になってしまう。
幸せのはずが不幸のドン底に落ちたアイシャは姉の不幸を願いながら南国に向かうが…
【本編完結】はい、かしこまりました。婚約破棄了承いたします。
はゆりか
恋愛
「お前との婚約は破棄させもらう」
「破棄…ですか?マルク様が望んだ婚約だったと思いますが?」
「お前のその人形の様な態度は懲り懲りだ。俺は真実の愛に目覚めたのだ。だからこの婚約は無かったことにする」
「ああ…なるほど。わかりました」
皆が賑わう昼食時の学食。
私、カロリーナ・ミスドナはこの国の第2王子で婚約者のマルク様から婚約破棄を言い渡された。
マルク様は自分のやっている事に酔っているみたいですが、貴方がこれから経験する未来は地獄ですよ。
全くこの人は…
全て仕組まれた事だと知らずに幸せものですね。
【完結】両親が亡くなったら、婚約破棄されて追放されました。他国に亡命します。
西東友一
恋愛
両親が亡くなった途端、私の家の資産を奪った挙句、婚約破棄をしたエドワード王子。
路頭に迷う中、以前から懇意にしていた隣国のリチャード王子に拾われた私。
実はリチャード王子は私のことが好きだったらしく―――
※※
皆様に助けられ、応援され、読んでいただき、令和3年7月17日に完結することができました。
本当にありがとうございました。
前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします
柚木ゆず
恋愛
※明日(3月6日)より、もうひとつのエピローグと番外編の投稿を始めさせていただきます。
我が儘で強引で性格が非常に悪い、筆頭侯爵家の嫡男アルノー。そんな彼を伯爵令嬢エレーヌは『ブレずに力強く引っ張ってくださる自信に満ちた方』と狂信的に愛し、アルノーが自ら選んだ5人の婚約者候補の1人として、アルノーに選んでもらえるよう3年間必死に自分を磨き続けていました。
けれどある日無理がたたり、倒れて後頭部を打ったことで前世の記憶が覚醒。それによって冷静に物事を見られるようになり、ようやくアルノーは滅茶苦茶な人間だと気付いたのでした。
「オレの婚約者候補になれと言ってきて、それを光栄に思えだとか……。倒れたのに心配をしてくださらないどころか、異常が残っていたら候補者から脱落させると言い出すとか……。そんな方に夢中になっていただなんて、私はなんて愚かなのかしら」
そのためエレーヌは即座に、候補者を辞退。その出来事が切っ掛けとなって、エレーヌの人生は明るいものへと変化してゆくことになるのでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる