55 / 89
54話
しおりを挟む
色々と衝撃的なことを聞きましたが、その後は他愛のない話をして2人でお茶を楽しんでいると
「そぉなんですかぁ~?」
という甲高い声が聞こえてきましたわ。
お母様があんなバカみたいな声を出すわけもありませんし、メイドでもあり得ませんわね。
....ということはお兄様の婚約者になる人でしょうか?
そう思っていると、フレッド様が驚いた顔をして
「まさか.......アンナ嬢の声か?」
と私に尋ねてきましたわ。
お兄様の婚約者の名前ですか。
聞いていませんでしたがそんな名前なんでしょうか?
そう思いながら
「名前はわかりませんが、隣国の伯爵令嬢と婚約する、という話は聞きましたわ」
とだけ答えると、フレッド様は何やら深刻そうな顔をして黙ってしまいましたわ。
急にどうしたんでしょう?
フレッド様の反応に、疑問に思いながら何を話すのか、と言葉を待っていると、少ししてから
「もし、彼女の名前がアンナ・ビューリアという名前だったら、この婚約は辞めておいた方が良い」
と言ってきましたわ。
その表情は、物凄く真剣で冗談で言っているようには見えませんわね。
ですが、婚約を辞めておいた方が良いですか.........。
「あの.....それは一体どうしてなんでしょうか?」
聞いていいものなのか、と悩みましたが、もし本当にアンナ様だったとして、理由もなしに婚約をやめて欲しい、なんて言えませんわ。
そう思って尋ねると、少し考えた後に
「ブレイドは婚約に急いているのかもしれないが、彼女の家は闇取引の首謀者の可能性が高くて調査中なんだ」
と、とても言いづらそうにしながらも教えてくれましたわ。
まぁ、人の婚約者、それも実の弟の婚約者がそんな人だ、なんて言いにくい話ですわよね。
流石にこれには
「そうなんですか!?」
と私も驚きましたわ。
だって、まさかそんな家が我が家のお兄様に婚約を申し込むとは思っていませんでしたもの。
もちろん、調査中なだけで今後、何もなかったら良い話なんですけどね。
ですが、調査が入るのは限りなく黒に近い家だから、ということですわ。
フレッド様は苦笑しながら
「こんなこと、他国に知らせるわけにもいかなかったから知らなくて当然なんだけど........」
と言っていますが、これは知らなかったら大変なことになっていたかもしれないことです。
完璧に決まる前に教えてくれて良かったですわ。
そう思いながら
「お父様にも伝えておきますわ」
とフレッド様に言うと、
「お願いね」
と頷いています。
それにしても、なぜ我が家なんでしょう?
誰でもいいから婚約したかった、とかでしょうか?
でも、お兄様の元婚約者だったらしいですわよね。
......うーん........わからないことだらけですわ。
そう思いながらお茶を口に含むと
「流石に実の弟に何かあったら、と考えると黙っているわけにもいかないからさ」
なんだか申し訳なさそうな顔をしてフレッド様がそう言ってきましたが当然ですわよね。
私も同じ状況だったらすぐに教えますわ。
「そぉなんですかぁ~?」
という甲高い声が聞こえてきましたわ。
お母様があんなバカみたいな声を出すわけもありませんし、メイドでもあり得ませんわね。
....ということはお兄様の婚約者になる人でしょうか?
そう思っていると、フレッド様が驚いた顔をして
「まさか.......アンナ嬢の声か?」
と私に尋ねてきましたわ。
お兄様の婚約者の名前ですか。
聞いていませんでしたがそんな名前なんでしょうか?
そう思いながら
「名前はわかりませんが、隣国の伯爵令嬢と婚約する、という話は聞きましたわ」
とだけ答えると、フレッド様は何やら深刻そうな顔をして黙ってしまいましたわ。
急にどうしたんでしょう?
フレッド様の反応に、疑問に思いながら何を話すのか、と言葉を待っていると、少ししてから
「もし、彼女の名前がアンナ・ビューリアという名前だったら、この婚約は辞めておいた方が良い」
と言ってきましたわ。
その表情は、物凄く真剣で冗談で言っているようには見えませんわね。
ですが、婚約を辞めておいた方が良いですか.........。
「あの.....それは一体どうしてなんでしょうか?」
聞いていいものなのか、と悩みましたが、もし本当にアンナ様だったとして、理由もなしに婚約をやめて欲しい、なんて言えませんわ。
そう思って尋ねると、少し考えた後に
「ブレイドは婚約に急いているのかもしれないが、彼女の家は闇取引の首謀者の可能性が高くて調査中なんだ」
と、とても言いづらそうにしながらも教えてくれましたわ。
まぁ、人の婚約者、それも実の弟の婚約者がそんな人だ、なんて言いにくい話ですわよね。
流石にこれには
「そうなんですか!?」
と私も驚きましたわ。
だって、まさかそんな家が我が家のお兄様に婚約を申し込むとは思っていませんでしたもの。
もちろん、調査中なだけで今後、何もなかったら良い話なんですけどね。
ですが、調査が入るのは限りなく黒に近い家だから、ということですわ。
フレッド様は苦笑しながら
「こんなこと、他国に知らせるわけにもいかなかったから知らなくて当然なんだけど........」
と言っていますが、これは知らなかったら大変なことになっていたかもしれないことです。
完璧に決まる前に教えてくれて良かったですわ。
そう思いながら
「お父様にも伝えておきますわ」
とフレッド様に言うと、
「お願いね」
と頷いています。
それにしても、なぜ我が家なんでしょう?
誰でもいいから婚約したかった、とかでしょうか?
でも、お兄様の元婚約者だったらしいですわよね。
......うーん........わからないことだらけですわ。
そう思いながらお茶を口に含むと
「流石に実の弟に何かあったら、と考えると黙っているわけにもいかないからさ」
なんだか申し訳なさそうな顔をしてフレッド様がそう言ってきましたが当然ですわよね。
私も同じ状況だったらすぐに教えますわ。
3
お気に入りに追加
2,497
あなたにおすすめの小説
事情があってメイドとして働いていますが、実は公爵家の令嬢です。
木山楽斗
恋愛
ラナリアが仕えるバルドリュー伯爵家では、子爵家の令嬢であるメイドが幅を利かせていた。
彼女は貴族の地位を誇示して、平民のメイドを虐げていた。その毒牙は、平民のメイドを庇ったラナリアにも及んだ。
しかし彼女は知らなかった。ラナリアは事情があって伯爵家に仕えている公爵令嬢だったのである。
パーティー中に婚約破棄された私ですが、実は国王陛下の娘だったようです〜理不尽に婚約破棄した伯爵令息に陛下の雷が落ちました〜
雪島 由
恋愛
生まれた時から家族も帰る場所もお金も何もかもがない環境で生まれたセラは幸運なことにメイドを務めていた伯爵家の息子と婚約を交わしていた。
だが、貴族が集まるパーティーで高らかに宣言されたのは婚約破棄。
平民ごときでは釣り合わないらしい。
笑い者にされ、生まれた環境を馬鹿にされたセラが言い返そうとした時。パーティー会場に聞こえた声は国王陛下のもの。
何故かその声からは怒りが溢れて出ていた。
目の前で始まった断罪イベントが理不尽すぎたので口出ししたら巻き込まれた結果、何故か王子から求婚されました
歌龍吟伶
恋愛
私、ティーリャ。王都学校の二年生。
卒業生を送る会が終わった瞬間に先輩が婚約破棄の断罪イベントを始めた。
理不尽すぎてイライラしたから口を挟んだら、お前も同罪だ!って謎のトバッチリ…マジないわー。
…と思ったら何故か王子様に気に入られちゃってプロポーズされたお話。
全二話で完結します、予約投稿済み
【 完結 】「平民上がりの庶子」と言っただなんて誰が言ったんですか?悪い冗談はやめて下さい!
しずもり
恋愛
ここはチェン王国の貴族子息子女が通う王立学園の食堂だ。確かにこの時期は夜会や学園行事など無い。でもだからってこの国の第二王子が側近候補たちと男爵令嬢を右腕にぶら下げていきなり婚約破棄を宣言しちゃいますか。そうですか。
お昼休憩って案外と短いのですけど、私、まだお昼食べていませんのよ?
突然、婚約破棄を宣言されたのはチェン王国第二王子ヴィンセントの婚約者マリア・べルージュ公爵令嬢だ。彼女はいつも一緒に行動をしているカミラ・ワトソン伯爵令嬢、グレイシー・テネート子爵令嬢、エリザベス・トルーヤ伯爵令嬢たちと昼食を取る為食堂の席に座った所だった。
そこへ現れたのが側近候補と男爵令嬢を連れた第二王子ヴィンセントでマリアを見つけるなり書類のような物をテーブルに叩きつけたのだった。
よくある婚約破棄モノになりますが「ざまぁ」は微ざまぁ程度です。
*なんちゃって異世界モノの緩い設定です。
*登場人物の言葉遣い等(特に心の中での言葉)は現代風になっている事が多いです。
*ざまぁ、は微ざまぁ、になるかなぁ?ぐらいの要素しかありません。
婚約者に冤罪をかけられ島流しされたのでスローライフを楽しみます!
ユウ
恋愛
侯爵令嬢であるアーデルハイドは妹を苛めた罪により婚約者に捨てられ流罪にされた。
全ては仕組まれたことだったが、幼少期からお姫様のように愛された妹のことしか耳を貸さない母に、母に言いなりだった父に弁解することもなかった。
言われるがまま島流しの刑を受けるも、その先は隣国の南の島だった。
食料が豊作で誰の目を気にすることなく自由に過ごせる島はまさにパラダイス。
アーデルハイドは家族の事も国も忘れて悠々自適な生活を送る中、一人の少年に出会う。
その一方でアーデルハイドを追い出し本当のお姫様になったつもりでいたアイシャは、真面な淑女教育を受けてこなかったので、社交界で四面楚歌になってしまう。
幸せのはずが不幸のドン底に落ちたアイシャは姉の不幸を願いながら南国に向かうが…
【本編完結】はい、かしこまりました。婚約破棄了承いたします。
はゆりか
恋愛
「お前との婚約は破棄させもらう」
「破棄…ですか?マルク様が望んだ婚約だったと思いますが?」
「お前のその人形の様な態度は懲り懲りだ。俺は真実の愛に目覚めたのだ。だからこの婚約は無かったことにする」
「ああ…なるほど。わかりました」
皆が賑わう昼食時の学食。
私、カロリーナ・ミスドナはこの国の第2王子で婚約者のマルク様から婚約破棄を言い渡された。
マルク様は自分のやっている事に酔っているみたいですが、貴方がこれから経験する未来は地獄ですよ。
全くこの人は…
全て仕組まれた事だと知らずに幸せものですね。
【完結】両親が亡くなったら、婚約破棄されて追放されました。他国に亡命します。
西東友一
恋愛
両親が亡くなった途端、私の家の資産を奪った挙句、婚約破棄をしたエドワード王子。
路頭に迷う中、以前から懇意にしていた隣国のリチャード王子に拾われた私。
実はリチャード王子は私のことが好きだったらしく―――
※※
皆様に助けられ、応援され、読んでいただき、令和3年7月17日に完結することができました。
本当にありがとうございました。
前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします
柚木ゆず
恋愛
※明日(3月6日)より、もうひとつのエピローグと番外編の投稿を始めさせていただきます。
我が儘で強引で性格が非常に悪い、筆頭侯爵家の嫡男アルノー。そんな彼を伯爵令嬢エレーヌは『ブレずに力強く引っ張ってくださる自信に満ちた方』と狂信的に愛し、アルノーが自ら選んだ5人の婚約者候補の1人として、アルノーに選んでもらえるよう3年間必死に自分を磨き続けていました。
けれどある日無理がたたり、倒れて後頭部を打ったことで前世の記憶が覚醒。それによって冷静に物事を見られるようになり、ようやくアルノーは滅茶苦茶な人間だと気付いたのでした。
「オレの婚約者候補になれと言ってきて、それを光栄に思えだとか……。倒れたのに心配をしてくださらないどころか、異常が残っていたら候補者から脱落させると言い出すとか……。そんな方に夢中になっていただなんて、私はなんて愚かなのかしら」
そのためエレーヌは即座に、候補者を辞退。その出来事が切っ掛けとなって、エレーヌの人生は明るいものへと変化してゆくことになるのでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる