46 / 89
45話
しおりを挟む
声の主は勿論フレッド様ですわ。
急な敬語に驚きましたが、ちゃんと使えますのね。
そう思いながら次の言葉を待っていると、フレッド様は少し気まずそうにしながら
「最初のあの態度は謝罪します。すみませんでした」
と私達に頭を下げてきましたわ。
急になんですの?
それに、この変わりよう..........。
雰囲気までも一気に変わりましたわ。
二重人格を疑うレベルですわね。
そう思っていると、お父様が
「なんであんな態度を取ったんだ?」
とフレッド様に尋ねました。
あ、それ、私も気になりますわ。
するとフレッド様は少し悲しそうな顔をしながら
「前の婚約者がそういう感じだと聞いて、そっちの方が良いのかと......」
と言ってきましたが反射的に
「あら?私、その人のことは大嫌いでしたわよ?」
と言ってしまいましたわ。
それはもう反射的に。
だって、今の言い方ではベルン様のことが好きだったけど婚約破棄されてしまった、みたいじゃないですか。
それは気に食わないですわ。
するとフレッド様はキョトンとした顔をしながら
「.........え?」
と呟いています。
本当に誰からの情報ですの?
それに、隣国で私の噂をする人なんて誰もいませんわよ。
だって、隣国との関りが一切ないんですもの。
そう思いながら
「婚約破棄されて、喜んでしまうくらい前の婚約者は嫌いでしたの。知りませんの?」
とつい言うと、気まずそうにしながら
「そこまでは聞いていなかった..........」
そう言ってなんだか落ち込んでいますわ。
うーん.......悪い人ではないんでしょうね。
まぁ、もう二度とこんなことがないように、ここははっきりと言わせてもらいますが、
「フレッド様のあの態度を見ていると胸糞が悪くなりますの。元々は違う性格なのであれば二度とやらないでくださいませ」
軽く睨みながらそう言うと、私の言うことが本当なんだ、と理解してくれたようで
「わかった.......」
そう言って小さく縮こまってしまいましたわ。
ここまで脅すようなことはしたくなかったんですが、自業自得ですわね。
全く.........本当に迷惑な話ですわ。
お父様も、私とフレッド様の間で話がついた、と判断してくれたみたいで、はぁ......と大きくため息をついた後に
「なんだか勘違いがあったようだな」
そう言って苦笑しています。
一方、公爵は顔色を悪くさせながら
「本当にすみません.......っ」
と机に頭が付くのでは?と思うほどに思いっきり頭を下げましたわ。
フレッド様がこんなことをするのは想定外で動けなかったとかそういうことでしょうか?
そうだとは言え、こうなる前に止めるべきでしたわね。
なんて思いながら、思わず私もため息をついていると、お父様が
「とりあえず、今後あのような態度を取ったらこの話は白紙にするので」
と公爵にくぎを刺していますわ。
まぁ、一旦目を瞑ってあげる、と言うことですわね。
本来ならこの話はなくなるところだったんですから感謝して欲しいですわよね。
お父様の言葉に、私も頷いていると
「は、はいっ。もちろんでございます」
「すみませんでした」
と2人揃って謝ってくれたので、これでこの話は終わりですわ。
はぁ.......最初からこんな感じで大丈夫なんでしょうかね?
急な敬語に驚きましたが、ちゃんと使えますのね。
そう思いながら次の言葉を待っていると、フレッド様は少し気まずそうにしながら
「最初のあの態度は謝罪します。すみませんでした」
と私達に頭を下げてきましたわ。
急になんですの?
それに、この変わりよう..........。
雰囲気までも一気に変わりましたわ。
二重人格を疑うレベルですわね。
そう思っていると、お父様が
「なんであんな態度を取ったんだ?」
とフレッド様に尋ねました。
あ、それ、私も気になりますわ。
するとフレッド様は少し悲しそうな顔をしながら
「前の婚約者がそういう感じだと聞いて、そっちの方が良いのかと......」
と言ってきましたが反射的に
「あら?私、その人のことは大嫌いでしたわよ?」
と言ってしまいましたわ。
それはもう反射的に。
だって、今の言い方ではベルン様のことが好きだったけど婚約破棄されてしまった、みたいじゃないですか。
それは気に食わないですわ。
するとフレッド様はキョトンとした顔をしながら
「.........え?」
と呟いています。
本当に誰からの情報ですの?
それに、隣国で私の噂をする人なんて誰もいませんわよ。
だって、隣国との関りが一切ないんですもの。
そう思いながら
「婚約破棄されて、喜んでしまうくらい前の婚約者は嫌いでしたの。知りませんの?」
とつい言うと、気まずそうにしながら
「そこまでは聞いていなかった..........」
そう言ってなんだか落ち込んでいますわ。
うーん.......悪い人ではないんでしょうね。
まぁ、もう二度とこんなことがないように、ここははっきりと言わせてもらいますが、
「フレッド様のあの態度を見ていると胸糞が悪くなりますの。元々は違う性格なのであれば二度とやらないでくださいませ」
軽く睨みながらそう言うと、私の言うことが本当なんだ、と理解してくれたようで
「わかった.......」
そう言って小さく縮こまってしまいましたわ。
ここまで脅すようなことはしたくなかったんですが、自業自得ですわね。
全く.........本当に迷惑な話ですわ。
お父様も、私とフレッド様の間で話がついた、と判断してくれたみたいで、はぁ......と大きくため息をついた後に
「なんだか勘違いがあったようだな」
そう言って苦笑しています。
一方、公爵は顔色を悪くさせながら
「本当にすみません.......っ」
と机に頭が付くのでは?と思うほどに思いっきり頭を下げましたわ。
フレッド様がこんなことをするのは想定外で動けなかったとかそういうことでしょうか?
そうだとは言え、こうなる前に止めるべきでしたわね。
なんて思いながら、思わず私もため息をついていると、お父様が
「とりあえず、今後あのような態度を取ったらこの話は白紙にするので」
と公爵にくぎを刺していますわ。
まぁ、一旦目を瞑ってあげる、と言うことですわね。
本来ならこの話はなくなるところだったんですから感謝して欲しいですわよね。
お父様の言葉に、私も頷いていると
「は、はいっ。もちろんでございます」
「すみませんでした」
と2人揃って謝ってくれたので、これでこの話は終わりですわ。
はぁ.......最初からこんな感じで大丈夫なんでしょうかね?
14
お気に入りに追加
2,497
あなたにおすすめの小説
事情があってメイドとして働いていますが、実は公爵家の令嬢です。
木山楽斗
恋愛
ラナリアが仕えるバルドリュー伯爵家では、子爵家の令嬢であるメイドが幅を利かせていた。
彼女は貴族の地位を誇示して、平民のメイドを虐げていた。その毒牙は、平民のメイドを庇ったラナリアにも及んだ。
しかし彼女は知らなかった。ラナリアは事情があって伯爵家に仕えている公爵令嬢だったのである。
【 完結 】「平民上がりの庶子」と言っただなんて誰が言ったんですか?悪い冗談はやめて下さい!
しずもり
恋愛
ここはチェン王国の貴族子息子女が通う王立学園の食堂だ。確かにこの時期は夜会や学園行事など無い。でもだからってこの国の第二王子が側近候補たちと男爵令嬢を右腕にぶら下げていきなり婚約破棄を宣言しちゃいますか。そうですか。
お昼休憩って案外と短いのですけど、私、まだお昼食べていませんのよ?
突然、婚約破棄を宣言されたのはチェン王国第二王子ヴィンセントの婚約者マリア・べルージュ公爵令嬢だ。彼女はいつも一緒に行動をしているカミラ・ワトソン伯爵令嬢、グレイシー・テネート子爵令嬢、エリザベス・トルーヤ伯爵令嬢たちと昼食を取る為食堂の席に座った所だった。
そこへ現れたのが側近候補と男爵令嬢を連れた第二王子ヴィンセントでマリアを見つけるなり書類のような物をテーブルに叩きつけたのだった。
よくある婚約破棄モノになりますが「ざまぁ」は微ざまぁ程度です。
*なんちゃって異世界モノの緩い設定です。
*登場人物の言葉遣い等(特に心の中での言葉)は現代風になっている事が多いです。
*ざまぁ、は微ざまぁ、になるかなぁ?ぐらいの要素しかありません。
婚約者に冤罪をかけられ島流しされたのでスローライフを楽しみます!
ユウ
恋愛
侯爵令嬢であるアーデルハイドは妹を苛めた罪により婚約者に捨てられ流罪にされた。
全ては仕組まれたことだったが、幼少期からお姫様のように愛された妹のことしか耳を貸さない母に、母に言いなりだった父に弁解することもなかった。
言われるがまま島流しの刑を受けるも、その先は隣国の南の島だった。
食料が豊作で誰の目を気にすることなく自由に過ごせる島はまさにパラダイス。
アーデルハイドは家族の事も国も忘れて悠々自適な生活を送る中、一人の少年に出会う。
その一方でアーデルハイドを追い出し本当のお姫様になったつもりでいたアイシャは、真面な淑女教育を受けてこなかったので、社交界で四面楚歌になってしまう。
幸せのはずが不幸のドン底に落ちたアイシャは姉の不幸を願いながら南国に向かうが…
前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします
柚木ゆず
恋愛
※明日(3月6日)より、もうひとつのエピローグと番外編の投稿を始めさせていただきます。
我が儘で強引で性格が非常に悪い、筆頭侯爵家の嫡男アルノー。そんな彼を伯爵令嬢エレーヌは『ブレずに力強く引っ張ってくださる自信に満ちた方』と狂信的に愛し、アルノーが自ら選んだ5人の婚約者候補の1人として、アルノーに選んでもらえるよう3年間必死に自分を磨き続けていました。
けれどある日無理がたたり、倒れて後頭部を打ったことで前世の記憶が覚醒。それによって冷静に物事を見られるようになり、ようやくアルノーは滅茶苦茶な人間だと気付いたのでした。
「オレの婚約者候補になれと言ってきて、それを光栄に思えだとか……。倒れたのに心配をしてくださらないどころか、異常が残っていたら候補者から脱落させると言い出すとか……。そんな方に夢中になっていただなんて、私はなんて愚かなのかしら」
そのためエレーヌは即座に、候補者を辞退。その出来事が切っ掛けとなって、エレーヌの人生は明るいものへと変化してゆくことになるのでした。
妹に全部取られたけど、幸せ確定の私は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
恋愛
マリアはドレーク伯爵家の長女で、ドリアーク伯爵家のフリードと婚約していた。
だが、パーティ会場で一方的に婚約を解消させられる。
しかも新たな婚約者は妹のロゼ。
誰が見てもそれは陥れられた物である事は明らかだった。
だが、敢えて反論もせずにそのまま受け入れた。
それはマリアにとって実にどうでも良い事だったからだ。
主人公は何も「ざまぁ」はしません(正当性の主張はしますが)ですが...二人は。
婚約破棄をすれば、本来なら、こうなるのでは、そんな感じで書いてみました。
この作品は昔の方が良いという感想があったのでそのまま残し。
これに追加して書いていきます。
新しい作品では
①主人公の感情が薄い
②視点変更で読みずらい
というご指摘がありましたので、以上2点の修正はこちらでしながら書いてみます。
見比べて見るのも面白いかも知れません。
ご迷惑をお掛けいたしました
必要ないと言われたので、元の日常に戻ります
黒木 楓
恋愛
私エレナは、3年間城で新たな聖女として暮らすも、突如「聖女は必要ない」と言われてしまう。
前の聖女の人は必死にルドロス国に加護を与えていたようで、私は魔力があるから問題なく加護を与えていた。
その違いから、「もう加護がなくても大丈夫だ」と思われたようで、私を追い出したいらしい。
森の中にある家で暮らしていた私は元の日常に戻り、国の異変を確認しながら過ごすことにする。
数日後――私の忠告通り、加護を失ったルドロス国は凶暴なモンスターによる被害を受け始める。
そして「助けてくれ」と城に居た人が何度も頼みに来るけど、私は動く気がなかった。
パーティー中に婚約破棄された私ですが、実は国王陛下の娘だったようです〜理不尽に婚約破棄した伯爵令息に陛下の雷が落ちました〜
雪島 由
恋愛
生まれた時から家族も帰る場所もお金も何もかもがない環境で生まれたセラは幸運なことにメイドを務めていた伯爵家の息子と婚約を交わしていた。
だが、貴族が集まるパーティーで高らかに宣言されたのは婚約破棄。
平民ごときでは釣り合わないらしい。
笑い者にされ、生まれた環境を馬鹿にされたセラが言い返そうとした時。パーティー会場に聞こえた声は国王陛下のもの。
何故かその声からは怒りが溢れて出ていた。
姉の物を奪いたい妹と、等価交換の法則に従って行動する姉
マーサ
恋愛
年齢不相応に大人びた子供だった姉イレーナと無邪気に甘える妹ハンナ。どちらを両親が可愛がるかは火を見るより明らかだった。
甘やかされて育ったハンナは「姉の物は自分の物」とイレーナの物を奪っていくが、早くから社会経験を積んだイレーナは「世の中の真理は等価交換」だと信じ、ハンナの持ち物から等価値の物と交換していた。
物を奪っても上手くいかないハンナは、イレーナの悔しがる顔見たさに婚約者を奪い取る。
「私には婚約者がおりませんから、お姉様お得意の等価交換とやらもできませんわね」
王家主催のパーティで告げるも、イレーナは満面の笑顔で「婚約破棄、承知いたしました」と了承し……。
★コメディです
★設定はユルユルです
★本編10話+おまけ3話(執筆済み)
★ざまぁはおまけ程度
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる