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81話

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うーん.....確かにディアが怒るのもわかるんですが、私だって全ての家の家紋を把握しているわけではありませんわ。

家の繋がりによっては凄く似ている家紋もありますし、家紋を見る機会なんて馬車以外では滅多にありませんわ。

なので、カリステラ様の家の家紋に関しては言ってしまえば初めて見たんですが........って

「か、カリステラ様からの手紙ですの!?」

今更ですが、驚いて大きな声を出してしまいましたわ。

ディアはそんな私を見て頭を抱えるように大きくため息をついていますが....仕方ないじゃないですか。

まさかカリステラ様から手紙が来るなんて思ってもいなかったんですもの。

考えれば考えるほど、一体なぜ手紙が来たのか理解が出来ない私は封筒を手にしたまま

「な、何が書いてあるんですの?」

とディアに聞いてしまいましたわよ。

だって、本当になぜかわかりませんし.......絶対に良い内容ではありませんわよね?

そう思ったら開けたくても空けられないといいますか......ど、どうしましょう?

なんて思っていると、私の言葉にディアは

「わかりませんよ!私も気になるんですから確認してください!」

そう言って、私の胸元に封筒を押し付けてきましたわね。

た、確かに気になりますが.......開けるのが怖いような、怖くないような.......。

開けたら爆発する、とかそんなことはないですわよね。

なんて思いながらも、なんとか封筒を開けて中から2枚の便箋を取り出しましたわ。

えーっと.....手紙の内容は.........。

恐る恐る便箋を見ると、一番最初の行から季節の挨拶や伺いの言葉もなく、カリステラ様からの一方的な報告のような言葉が始まりましたわね。

全てを読み終えた私は思わず苦笑してしまいましたわよ。

だって、本当にあのカリステラ様が書いたのか疑ってしまうような、手紙の内容だったんですもの。

そんな私を見たディアは興味津々に

「な、何が書いてあったんですか!?」

と言いながら手紙を覗き込もうとしてきたので、この2枚の便箋に書かれた大体の手紙の内容をディアに教えることにしましたわ。

えーっと.....まず初めに書かれていたのは

「どうやらレオンハルト様とカリステラ様の婚約が決まったらしいんですの」

私が淡々とそう言うと、ディアもまさかそのような事が書かれているとは思ってもいなかったみたいで

「え........は、はぁ!?」

という間抜けな声を出していましたわ。

まぁ、無理もないですわよね。

だって、私も手紙を読んだ時は驚きましたし、同じような反応をしてしまいそうになりましたもの。

ただ、このまま黙っていても話が進まない、ということで

「だから、レオンハルト様とは今後関わらないように、ということと、カリステラ様から手紙が届いたのはレオンハルト様に内緒にして欲しい、とのことですわね」

ここまで直接的にではないものの、遠回しに書かれてあることをディアに伝えると、流石に私と同じことを思ったんでしょうね。

「なんですかそれ.........?」

と眉を顰めていましたわ。

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