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56話

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心の中で、お父様に謝罪をしながらもとりあえず話を進めても良い、とのことなので、

「実は今日、学園の方で.......」

と早速今日あった出来事をディアに話した内容よりも少し詳しく話をしましたわ。

というのも、もし今日のことで、お父様が何かしらの行動をするときに知らないことがあったら、後に面倒ですもの。

今のうちに頭の中に入れておく程度でしょうけど、しっかりと説明しておいた方が良いと判断でしましたの。

私の話を聞いていたお父様は最初の方は

「公爵令嬢を相手に......」

と顔色を悪くさせていましたが、後半になるにつれて私に対する行動を知った時には苛立った様子で頷いていていましたわね。

我が家は確かに貧乏貴族ですし、色々と出来ることは限られますが、私の溺愛っぷりは貴族の中でも上位に入るくらいには可愛がられていますのよ。

なので、あまりにも失礼なカリステラ様の言動に、お父様も腹を立てたんでしょうね。

まぁ、やられた本人である私も思い出すだけで腹立たしいですし、出来ることなら仕返しをしたい、と思いますが.......無理な願いですわね。

あ、それから、殿下が一緒にいたことや、他にも生徒たちが図書館での出来事をしっかりと見ていたことを伝えると、あからさまにホッとした顔をしていましたわね。

多分ですが、殿下が私の味方だったことに相当安堵したんでしょう。

なんて思いながらお父様を見ると、全ての話を聞き終えたお父様は

「とりあえず話はわかった」

と呟くように言うと急に真剣な顔になりましたわね。

これは....もしかしてカリステラ様が動く前に何かを仕掛けよう、とかそんな感じなんでしょうか?

そう思った私は、ワクワクしながらお父様に

「何かいい案でもありますの?」

と尋ねましたわ。

だって、もしいい案があって、こっちが先手でカリステラ様に対して行動を出来たら、有利になるようなきがしますもの。

何をするんでしょう?

今日の私に対するカリステラ様の行動を全て書いて手紙を出すとか?

あ、それともしっかり謝罪をして欲しい、ということでも言うんでしょうか?

なんて思っていましたが、お父様は

「いや、そんなのは全くない」

淡々とそう言うと、ふぅ.....と深く息を吐いて、机の上にある冷めたお茶を口に含みましたわ。

これには思わず

「だったらそれっぽい空気を出すのはやめてくださいな!」

と言いそうになってしまいましたが、グッと堪えましたわよ。

だって、他にも何か言いそうな雰囲気がありましたもの。

もしかして、お父様なりに何か考えがあるとか........。

一度は落胆しましたが、きっと次にカリステラ様に絡まれたときの対処法とか、もし何か言われたとしたら、こうするぞ、みたいな考えを言ってくれるんだ、と信じて、再び期待に胸を膨らませてお父様の言葉を待っていると、

「まぁ......そうだな........」

と小さく呟いたのが聞こえてきましたわね。

一体どんないい方法があるんでしょう?

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