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いつかできるかな?

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「続いて……第3位は……コスプレ喫茶です!」

 俺達のクラスの売上は全校で第3位だった。

「シュウ、やったな!」

「ああ! あれだけお客さんが入ってたんだ、上位に入るとは思ってたけどな」

「こんだけ売上があれば……」

「例のあれも少し豪華になるな!」

 文化祭もこれでクライマックス、優勝は逃したが、結果に俺達は満足だ、そして……

「よし、みんなこれから後夜祭だけど俺達は例の準備を始めるぞ!」

「あとはセットは男子に任せて私達は……」

「じゃあみんな予定通りに!」

「「「「「おー!!」」」」」

 コスプレ喫茶のセットを片付け、更に準備をする。

「準備完了だよ! あとは……」

 そしてクラスのみんなで今日の主役を教室へ招き入れる。

「カリ田くん、カッコいいよ! ……えっ?」

「マミ子ちゃんもとても綺麗だ…… これは?」

「「「「「結婚おめでとう!!」」」」」

 突然の事で混乱した様子のガリ田とマメ子、
俺達はクラッカーや拍手で2人を祝福する。

 最後にみんなでコスプレして記念撮影をしようと2人には言って着替えさせ、いない間に急いで教室のセットを教会風に飾り付けた俺達、ガリ田はタキシード、マメ子はウエディングドレス、俺達は2人のために結婚式を開いてあげようとみんなで話し合っていたのだ。

 売上はそのための衣装のレンタル代や、内緒で作ったセット代に使う予定だったので、みんなで頑張ってコスプレ喫茶を盛り上げた。

 そのかいあって、クラッカーや花なども多めに買う事ができたので良かったと思う。

「えっ、みんな?」

「これはどういう事だい?」

「それでは皆さん、新郎新婦の入場です! さあ2人とも!」

「「はっ? えっ?」」

「ガリ田、おめでとう!」

「マミ子ちゃんおめでとう! 綺麗だよ~!」

「2人ともお幸せに~!」

「子供と3人で頑張れよ~!」

「みんな……」

「ありがとうみんな…… マミ子ちゃん」

「うっ、うぅぅ~! カリ田くん……私……」

「ほら泣かないで、みんなが僕達のためにしてくれたんだ、さあ行こう」

「うぅ、うん……」

 そして神父役のジュリの前に2人が並び

「新郎、カリ田は健やかな時も病める時もマミ子を……うへぇ! 固いのは苦手です! カリ田くんはマミ子ちゃんをこれからもずっと愛してるです?」

「ははっ! ジュリちゃん、はい、愛します」

「マミ子ちゃんもあんな事やこんな事があってもカリ田くんを愛し続けるです?」

「ジュリ、何よそれ…… まあいいわ、はい愛します」

「それじゃあ誓いのキスをするです! そりゃもうブチューっと!」

「……ジュリったら!」

「ははっ! マミ子ちゃん……」

「カリ田くん……」

 そして2人で口づけ……

 拍手と歓声が上がり、クラスメート達は大いに盛り上がった。

「うふふ、2人ともよかったね」

「このままだと結婚式は挙げられないって言ってたからな」

「シュウちゃん……私達もいつかできるかな?」

「ああ!」

 そしてマメ子にブーケを渡し、ブーケトスをしてもらう。

 わっと前へ行く女子達、しかしエリザは俺の横から離れない。

「エリザは行かなくていいのか?」

「うん、私にはシュウちゃんがいるし、これ以上幸せを分けてもらえないよ」

「エリザがいいならいいけど……」




「それじゃあいくよ~! えい!」

「きゃ~! 私欲しい!」

「マミ子の次は私よ~!」

「私も幸せになりた~い!」

 後ろを向きブーケを投げるマメ子、ブーケに手を伸ばす女子達、そしてブーケの行方は……


「あっ!」

「やだ!」

「待って!」

 女子達の手に当たりポンポンと跳ね、後ろへ後ろへとブーケは移動していく、そして……

「えっ? 私?」

「エリザに?」

 女子達の手で弾かれたブーケは最終的に後ろにいたエリザの手元へ飛んできた。

「エリっちが取ったですか、なんかつまんないです」

「ジュリ! そんな事言わないの! エリザちゃん、次はあなた達の番だね」

「マミ子ちゃん……ありがとう! マミ子ちゃん達も幸せになってね!」

「エリザちゃん……本当にありがとう、エリザちゃんのおかげで私達は幸せになれたんだよ? エリザちゃんは私達のキューピットなんだから!」

「そう……なのかな? うふふ」

 そしてクラスのみんなでガリ田とマメ子を祝い、後夜祭も終わり……
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