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私の愛の力

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「や、やめてくれ! 俺はどうなってもいいからエリザにヒドイ事しないでくれ!」

「シュウ……ちゃん! 私、が……今、助け……」

「ふふふっ、お互いを想い合う素晴らしい恋人さん達ですわね、黒まんじゅう? あなたの恋人を奪うつもりはないから安心して下さいね? でもちょっと味見させてもらいますわ!」

「私……のシュウちゃん……に、手を出さない……で!」

「ふふふっ、美味しかったらたまに借りるかもしれませんけどね?」

 何言ってるんだよこのビッチ先輩は!
 そんなエリザを裏切るような事、俺はしたくない!
 でも俺もエリザも動けずに、されるがままになってしまうのか?

 そしてミーナ先輩が俺に近づき……

「ふふふっ、可愛らしいですわ、でももっとカッコよくなってもらいませんと……」

「あっ! そんな……触り方」

「シュウちゃん! うぅぅ……シュウちゃん、私のシュウちゃん、私の大好きな…私だけのシュウちゃんが……う、うぅぅ! いやぁぁぁー!!」

「な、なんですの!! この力は!」

 今まで見た事がない、どす黒く大きなオーラがエリザを包む、そして…… 

「白豚…… 許さない! 私のシュウちゃんをよくも……生きては帰さない!!!」

「くっ! 黒まんじゅうが! わたくしの祝福を!」

 エリザにまた白い光を放つミーナ先輩、しかしエリザが手をかざすと霧散してしまった。

「わ、わたくしの祝福が!」

「あなたは……私のシュウちゃんへの愛を見誤ったの、もう後悔しても遅いから! 私の愛の力……受けなさい! えい!!!」

「あ、あぁぁーーーん!!!」

 エリザの全身から出てきた巨大な黒いオーラの塊の直撃を受けたミーナ先輩は部屋の端まで吹き飛ばされていった。

 そして力を使ったエリザはフラッと倒れそうになる。

「エリザ!」

 慌てて駆け寄り倒れる前にエリザを抱き止める。
 ちなみに俺は下半身丸出しだ。

「シュウ……ちゃん、大丈……夫?」

「俺は大丈夫だよ! でもエリザ……」

「よかっ……た、シュウちゃん……」

 そして気絶してしまったエリザ、そして派手な音を聞きつけ、生徒指導室に入ってきた先生方が俺達を見つける。

「……シュウさんとエリザ様!?」

「あら!? 2人とも……ってシュウさん、ズボンは!?」

「えっ!? あぁ!!」

 マリー校長に指摘されて自分がズボンを穿いていない事を思い出す。
 慌ててズボンを穿き、事情を説明しようとしたのだが…… 

「ミーナくん、大丈夫か?」

 倒れていたミーナ先輩を起こそうとするモリヤマ先生、一部の生徒からゴリヤマ先生と呼ばれるイケメンゴリラフェイスの国語の先生だ。

「うぅ~ん……」

「仕方ない……校長、クリス先生、私が保健室に運んでおきます」

「……お願いします、ゴリ……モリヤマ先生」

「私達はこの2人から事情を聞いておきますね」

 気絶したエリザをお姫様だっこで校長室まで運び、校長室のソファーにエリザを寝かせてから先生方に事情を話す。

「……ミーナさん、優等生なのになんでこんな事を……」

「エルフもエルフで大変なのよね~、優秀な子孫を残すために必死だし、ダークエルフは好きになった男性との子供を作るために必死なのと少し似ている所があるのよ」

「それってあんまり似てないような気がするんですけど」

「確かにやってる事は違うけど、どちらも子孫を残そうとする本能で暴走気味になる所はそっくりだと思うのよ、ただそれで周りが見えなくなっちゃうのが大変で……」

「それは、そうかもしれませんね」

 それから少ししてエリザが目を覚ました。

「ん……あれ、ここは?」

「エリザ、大丈夫か?」

「シュウちゃん、私どうして…… あっ! シュウちゃん、シュウちゃん、シュウちゃ~ん!!」

 ガバッと起き上がったエリザは俺に抱き着き、キスの嵐……

「シュウちゃん、私のシュウちゃん、私の~!!」

 チュッチュ、スリスリのループ、俺はエリザにされるがままになっている。
 なんかマーキングされてるみたいだな……

 少しして気が済んだのか、エリザは俺に抱き着いたまま俺に話しかけてきた。

「シュウちゃん大丈夫だった? 何もされてない?」

「ああ、エリザが来てくれたから助かったよ!」

「よかった~! 私……」

「ごめんなエリザ心配かけて、でもエリザを悲しませるような事はしてないからな?」

「それは心配してないよ! ……だって、シュウちゃんは私の身体じゃないと……そう神様にお願いしたんだから……」

「エリザ?」

「えへへ! 何でもないよ♪」

 何だか誤魔化されたような気がするけど……

 とにかくエリザが目覚めたので校長室を出る事にした。
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