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イヤな感じがした
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「今日は昼で学校終わりだし、どっか食べに行くか?」
「いいね! どこ行く?」
「う~ん…… エリザは食べたいものあるか?」
「私はシュウちゃんとだったらどこでも…… あっ! それならあの喫茶店に顔出さない?」
「そうだな! お客さんとして行くって言ったし丁度いいかも! 今からならランチタイムも終わり頃だし」
「じゃあ決まり! 何食べようかな~?」
そして授業も終わり、2人で教室を出る。
ジュリやケン太も誘ってみたが、ジュリは夏休みの宿題をまったく手を付けていなくて、クリス先生に怒られ学校で居残り。
ケン太は……行けないとしか言わなかったが、授業が終わってすぐ走って帰ったので、俺の予想ではモミジさんとデートだろう。
なので喫茶店にはエリザと2人で行く。
下駄箱で靴を履き替え、外に出ようとしたところ
「きゃっ!」
「あっ、すいません! 大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫ですわ」
突然横から走って来た女子が俺とぶつかって
転んでしまった。
この人は…… 多分俺達の1つ上の学年の女子生徒で、透き通るような白い肌に金色の髪、体型はスレンダーで俺よりちょっと身長が低いくらいで1つしか歳が変わらないのにとても大人びている。
「ケガとかなさそうですか?」
「ええ、何ともないと思いますわ、わたくしの不注意でしたわ、ごめんなさい」
「いえ、ケガがなかったならよかったです」
「あら、お優しいのね? それに顔も……フムフム……サエコが言ってた……」
「どうかしました?」
「えっ? 何でもないですわ! それではわたくしはこれで ……シュウくん♪」
「何で俺の名前を…… って行っちゃった、何だったんだろうなエリザ……ってエリザ?」
「……」
さっきの先輩が走り去った方をジッとにらみつけるように見るエリザに少しビックリしてしまう。
「……どうした?」
「あの女……何かイヤな感じがした」
「えっ?」
「……シュウちゃんは私が守る!」
えっ? どういう事? 今のやり取りで何かあったか? さっぱり分からないけど……俺は笑顔のエリザの方が好きだな~、だから笑ってエリザ! 恐いよ~!
その後も周囲をキョロキョロしながら俺の腕にしがみつくエリザ。
その目はかなり真剣で、まるで敵を探すかのようだ。
「エリザ、もう大丈夫じゃないか?」
「ダメだよ! あの女がまだ近くにいるかも! ……あの女、私の勘が危険だっていってるの!」
「エリザがそこまで言うなら……」
エリザの勘って結構当たるからバカに出来ないんだよな~! 特に俺が絡むと更に当たる。
昔からそうだから俺はあまり強く否定出来ない、それに俺の為を思ってやってる事だしさ……
「そろそろ着くぞ?」
「うん……」
周囲をキョロキョロ……力が入っているエリザは俺の腕にグイグイムニュムニュ、俺にとってはエリザのお胸様の方が危険だよ!
そうして無事たどり着いた喫茶店、中を覗いて見ると、いつもの常連客のおじさん以外はお客さんはいないようだ。
エリザもひと安心したのかホッとした顔をしている。
「こんにちわ~、お久しぶりです!」
「おや、シュウくんにエリザさん! お久しぶりですね」
「今日はお客さんとして来ました!」
「そうですか、嬉しいですね! お好きな席へどうぞ」
俺達は窓際のテーブル席へ座り、2人でメニューを見る。
「俺はナポリタンセットって決めてたんだよな! エリザは?」
「私はパフェも食べたいから~、軽めのトーストとコーヒーかな?」
「すいませ~んマスター、俺達は……」
そして注文をした俺達は注文の品が来るまでの間に
「夏休みも終わったし、もうそろそろ文化祭か~」
「うちのクラスは何やるんだろうね?」
「そうだな~、……あれ?」
ふと外を見ると、さっきの金髪の先輩が男の人と歩いていた。
「あの女……」
さっきまでニコニコしていたエリザがまた恐い顔に!
男の人と腕を組みながら歩く先輩、そしてこちらに気付いたようだか、チラリとこっちを見てフッと笑った。
俺はその時は何とも思わなかったが、エリザはますます恐い顔になり、黒いオーラまで……
この時はまさかあんな事になるなんて思わなかった。
「いいね! どこ行く?」
「う~ん…… エリザは食べたいものあるか?」
「私はシュウちゃんとだったらどこでも…… あっ! それならあの喫茶店に顔出さない?」
「そうだな! お客さんとして行くって言ったし丁度いいかも! 今からならランチタイムも終わり頃だし」
「じゃあ決まり! 何食べようかな~?」
そして授業も終わり、2人で教室を出る。
ジュリやケン太も誘ってみたが、ジュリは夏休みの宿題をまったく手を付けていなくて、クリス先生に怒られ学校で居残り。
ケン太は……行けないとしか言わなかったが、授業が終わってすぐ走って帰ったので、俺の予想ではモミジさんとデートだろう。
なので喫茶店にはエリザと2人で行く。
下駄箱で靴を履き替え、外に出ようとしたところ
「きゃっ!」
「あっ、すいません! 大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫ですわ」
突然横から走って来た女子が俺とぶつかって
転んでしまった。
この人は…… 多分俺達の1つ上の学年の女子生徒で、透き通るような白い肌に金色の髪、体型はスレンダーで俺よりちょっと身長が低いくらいで1つしか歳が変わらないのにとても大人びている。
「ケガとかなさそうですか?」
「ええ、何ともないと思いますわ、わたくしの不注意でしたわ、ごめんなさい」
「いえ、ケガがなかったならよかったです」
「あら、お優しいのね? それに顔も……フムフム……サエコが言ってた……」
「どうかしました?」
「えっ? 何でもないですわ! それではわたくしはこれで ……シュウくん♪」
「何で俺の名前を…… って行っちゃった、何だったんだろうなエリザ……ってエリザ?」
「……」
さっきの先輩が走り去った方をジッとにらみつけるように見るエリザに少しビックリしてしまう。
「……どうした?」
「あの女……何かイヤな感じがした」
「えっ?」
「……シュウちゃんは私が守る!」
えっ? どういう事? 今のやり取りで何かあったか? さっぱり分からないけど……俺は笑顔のエリザの方が好きだな~、だから笑ってエリザ! 恐いよ~!
その後も周囲をキョロキョロしながら俺の腕にしがみつくエリザ。
その目はかなり真剣で、まるで敵を探すかのようだ。
「エリザ、もう大丈夫じゃないか?」
「ダメだよ! あの女がまだ近くにいるかも! ……あの女、私の勘が危険だっていってるの!」
「エリザがそこまで言うなら……」
エリザの勘って結構当たるからバカに出来ないんだよな~! 特に俺が絡むと更に当たる。
昔からそうだから俺はあまり強く否定出来ない、それに俺の為を思ってやってる事だしさ……
「そろそろ着くぞ?」
「うん……」
周囲をキョロキョロ……力が入っているエリザは俺の腕にグイグイムニュムニュ、俺にとってはエリザのお胸様の方が危険だよ!
そうして無事たどり着いた喫茶店、中を覗いて見ると、いつもの常連客のおじさん以外はお客さんはいないようだ。
エリザもひと安心したのかホッとした顔をしている。
「こんにちわ~、お久しぶりです!」
「おや、シュウくんにエリザさん! お久しぶりですね」
「今日はお客さんとして来ました!」
「そうですか、嬉しいですね! お好きな席へどうぞ」
俺達は窓際のテーブル席へ座り、2人でメニューを見る。
「俺はナポリタンセットって決めてたんだよな! エリザは?」
「私はパフェも食べたいから~、軽めのトーストとコーヒーかな?」
「すいませ~んマスター、俺達は……」
そして注文をした俺達は注文の品が来るまでの間に
「夏休みも終わったし、もうそろそろ文化祭か~」
「うちのクラスは何やるんだろうね?」
「そうだな~、……あれ?」
ふと外を見ると、さっきの金髪の先輩が男の人と歩いていた。
「あの女……」
さっきまでニコニコしていたエリザがまた恐い顔に!
男の人と腕を組みながら歩く先輩、そしてこちらに気付いたようだか、チラリとこっちを見てフッと笑った。
俺はその時は何とも思わなかったが、エリザはますます恐い顔になり、黒いオーラまで……
この時はまさかあんな事になるなんて思わなかった。
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