ずっと色黒だと思っていた幼なじみの彼女はダークエルフだと告白された！ でもそれがなにか問題あるのかと思っていたら……

人が真剣に悩んでるのに～！

「あ～！　今日も暑いな～」

「うん、お外歩くと肌が痛くなっちゃうよ、私、肌黒いし……」

「エリザも大変だよな～、今日は天気いいし、出かけるのはやめるか？」

「ごめんね、シュウちゃん」

「別に気にするなよ、でも家にいてもする事ないな」

「私はシュウちゃんと居れるだけで楽しいよ？」

「そりゃ俺もそうだけど、せっかくの夏休みと思うと、なんかもったいないような気がしてな」

「う～ん……」

「そういえばもうそろそろ夏祭りの時期じゃなかったか？」

「たしか……明後日からだったかな？」

「それなら明後日の夕方ぐらいから祭りを見に行くか？」

「シュウちゃんとお祭り行きたい！　うふふ、浴衣着ようかな～？」

「エリザの浴衣姿か～！　旅行の宿で着てた部屋着の浴衣も良かったから、きっと似合うな！」

「でも、私って浴衣とか着物が綺麗に着れないんだよね……」

「なんで？　浴衣姿綺麗だったぞ？」

「ありがと！、でもそうじゃなくて浴衣って、……その、これがあると綺麗に見えなくって……」

　そう言ってエリザは自分のお胸様を下から持ち上げる。

　いくら何でもそんな事されたら凝視してしまう！

「もう！　人が真剣に悩んでるのに～！　うふふ♥️」

　そう言いつつ、フニョフニョと動かすエリザ。
　薄着だから……おお！　……ってイカンイカン！

「俺はエリザの浴衣姿好きだぞ？」

「シュウちゃんが言うなら明後日は浴衣かな～？」

「ぜひお願いします！」

「うふふ、は～い」

　その後は２人でリビングで涼みながらアイスを食べながらテレビを見たりしていた。

　その内母ちゃんが帰ってきて３人でおしゃべり、といってもほとんどエリザと母ちゃんが話をして、俺はただ聞いてるだけだが。

　本当にエリザと母ちゃんは仲が良い、俺が居なくても家で２人でおしゃべりしているし……

「それでね？　お祭りの準備で人がいっぱいだったのよ～！　買い物するだけで疲れちゃった！」

「それは大変でしたね、私も行けばよかったかな？」

「いいのよエリちゃんは、シュウとイチャイチャしてたかったでしょ？」

「そんな！　私達はただリビングでアイス食べたり……」

「そうなの？　せっかく気をきかせて家からいなくなったのに！　もう終わったかな～？　って思った頃に帰ってきたのよ？」

「アヤノおばさまったら～！　うふふ」

　そんな毎日のようになんて身が持たないよ、エリザちゃんったらすごいんだから！

　……なんて母ちゃんの前では言いたくない！
　だから俺は大人しくしている。



「じゃあシュウちゃん、またね！」

「おう、おやすみエリザ」

　エリザが家に帰り俺はリビングでくつろいでいると……

「ただいま！」

「あっ、父ちゃんお帰り……ってタケルおじさん？」

「シュウくん、お邪魔するね」

「あら？　２人ともどうしたの？」

「実は話があってな？　母さんとシュウもいいか？」

「うん」

　父ちゃんとタケルおじさん、２人して何の話だろう？　
　そしてテーブルに座った父ちゃんはカバンから紙を取り出した。

「何これ？」

「ああ、昨日母さんとアリサさんとも話したんだけど、うちとタケルのとこの間の家、ずっと空き家だっただろ？　実はそこを買い取る事にしたんだ」

「えっ！？　どうして？」

「シュウ、これはお前次第……いや、お前とエリザちゃん次第なんだけど、この間にある家を建て替えてお前とエリザちゃんの家にしようと思ってな？」

「えぇー！？」

「そして３つの家を自由に行ったり来たり出来るようにしようと計画してるんだ！」

「そんな！」

「あなたったら、昨日の話をもう実現しようとしてるの？」

「あはは、トオルくんは昔から思い付いたら行動が早いからね」

「いい考えだと思うんだけどシュウはどう思う？」

　そんな事、急に言われたって。
　でも俺とエリザの家？　って事は……

「父ちゃん、それって……」

「シュウ、エリザちゃんの事、責任取るつもりがあるんだろ？」

「そりゃもちろん！」

「でもお前達はまだ学生だ、だから……」

「だから？」







「お前達は今度から婚約者って事になるな」

「えぇ～～～～！！！？」