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冬の章
ほがらか
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12月に入ると、 僕は保育園のクリスマス会の準備で忙しくなった。取りまとめ役は自ら進んで買って出た。僕は今や、保護者会でもひと目置かれる存在となっている。特に、マユちゃんママの接し方が以前とは違って好意的になっている。だがそれよりも、ユリカ先生から「上村さん、最近変わりましたよね」と言われたことがなにより嬉しい。以前どう思われていたのか知らないが、好感度は確実にアップしている。
しかしその反面、子供たちとの関係が冷えていた。原因は離婚について真実を伝えたことだった。
「実はパパとママは離婚、つまりお別れしたんだ。ママは……この家には戻ってこない」
その時は黙って頷いた彼らだったが、就寝後、大声で泣き出して朝まで泣きやまなかった。面倒を避けるまいと意気込むあまり、配慮に欠けていたのだ。
特にママっ子だったハヤテから笑顔が減り、ツムジも子供らしさを失ってどこかよそよそしかった。
僕は困ったあげく、伍代先生に相談してみた。
「……と言うわけなんですが、何か元気づける方法はないでしょうか」
「そうですね、地味な方法ですけど、出来るだけ寂しくないようにしてあげて、時が解決するのを待つより仕方がないですね」
「寂しくないようにする、ですか……」
「そういえば上村さん、保育園のクリスマス会の企画を積極的にされていますけど、お家でもなさったらいかがです?」
一瞬面倒くさいと思った。だが即座に、だからこそやるべきだと思った。
「クリスマス会ですか、やってみたいと思います!」
すると伍代が意味ありげな表情になった。
「そういえば、ユリカ先生が今年のイブは一人だ、なんて嘆いていましたよ。誘ってあげたらどうですか? きっとお子さんたちも喜ぶと思いますよ」
帰宅後、僕は子供たちに訊いてみた。
「今年のクリスマスイブ、ユリカ先生を呼んでウチでパーティーやろうと思うんだけど、どうかな?」
すると、鉄のように冷たかった子供たちの表情が、一気に温かくほがらかになった。よし、これはもうやるしかない!
しかしその反面、子供たちとの関係が冷えていた。原因は離婚について真実を伝えたことだった。
「実はパパとママは離婚、つまりお別れしたんだ。ママは……この家には戻ってこない」
その時は黙って頷いた彼らだったが、就寝後、大声で泣き出して朝まで泣きやまなかった。面倒を避けるまいと意気込むあまり、配慮に欠けていたのだ。
特にママっ子だったハヤテから笑顔が減り、ツムジも子供らしさを失ってどこかよそよそしかった。
僕は困ったあげく、伍代先生に相談してみた。
「……と言うわけなんですが、何か元気づける方法はないでしょうか」
「そうですね、地味な方法ですけど、出来るだけ寂しくないようにしてあげて、時が解決するのを待つより仕方がないですね」
「寂しくないようにする、ですか……」
「そういえば上村さん、保育園のクリスマス会の企画を積極的にされていますけど、お家でもなさったらいかがです?」
一瞬面倒くさいと思った。だが即座に、だからこそやるべきだと思った。
「クリスマス会ですか、やってみたいと思います!」
すると伍代が意味ありげな表情になった。
「そういえば、ユリカ先生が今年のイブは一人だ、なんて嘆いていましたよ。誘ってあげたらどうですか? きっとお子さんたちも喜ぶと思いますよ」
帰宅後、僕は子供たちに訊いてみた。
「今年のクリスマスイブ、ユリカ先生を呼んでウチでパーティーやろうと思うんだけど、どうかな?」
すると、鉄のように冷たかった子供たちの表情が、一気に温かくほがらかになった。よし、これはもうやるしかない!
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