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覚悟と不安と問題点

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 部屋につき、扉を開けるとそわそわと心配そうな三人が見えた。

「お嬢様!だいじょ…」
 ニーナが駆け寄ってくるが、後ろの二人を見て驚き言葉をつまらせた。

 エマとセナも私に気づくが動きが止まる。
 三人は直ぐにお辞儀をする。

「ただいま。」
 そう言い部屋に入る。

 すぐ振り返り2人に言う。
「また、明日。」

「あぁ。じゃぁな。」
「明日ね。」
 そう言い、2人はすんなり帰っていった。

 扉を閉め、ニーナが再度言う。
「だ、大丈夫でしたか…?」

「えぇ。大丈夫よ。セナは?」
 セナを見ると本当に元気そうだった。

「大丈夫です!電気が走りましたが、めちゃくちゃ身体が軽くて今すぐ訓練したいくらいです!」

「そう…明日にして頂戴ね…」
 “ほぐしたってそういう事…確かに元気ね”

 元気そうでホッとしていると、エマが駆け寄ってくる。

「お嬢様…指輪…」

「もう気が付いたの?…お返ししたの。」
 ニコリと笑う私に驚く侍女2人
「え!?」

「詳しくは明日話すわね。」

「え…お返ししたって…あのお二方のどちらかの贈り物で!?それを返して…え!?」
 セナが1人で狼狽えている。

 それを見てクスクス笑う。







 次の日の午後。
 ロイヤルナイトの一人が私を迎えに来た。

 “わざわざロイヤルナイトを使ったと言うことは、昨日の時点で私の覚悟がわかったのだろうか…”

 陛下執務室の前で、侍女2人と今日の護衛騎士のハンナを廊下で待たせる。

 ふぅーっと長い息を履いて扉をノックすると直ぐに扉が開いて出てきたのはマルセルだった。

「え!?マルセル殿下!?」

「やぁ、待ってたよ。」

 部屋に通されると、陛下と話すカレルドも居たが取り敢えず挨拶する。

「皇帝陛下、お時間頂きありがとうございます。」

「アルヤ嬢。待ってたよ。
 コイツらも聞きたいらしいが、いいかね?」

 “まぁ…昨日のあの話をすれば気になるわよね。”

「構いませんが…途中でご退出をお願いするかもしれません。」

「ほぉー。だ、そうだが?」
 陛下が2人を見ると頷き返事をする。

「良いそうだ。まぁ、座りなさい。」

 陛下にいわれ二人で向き合うように座る
「失礼致します。」

 マルセルと、カレルドは座らずに立っている。

「全く。朝からいつから話すんだ?って2人して執拗くてね。参ったよ。」
 足を組み換えながら笑う陛下。

「申し訳ございません。昨日少しお二人と話したもので…
 気になってしまったようですね。」

 私の言葉で何かを察した陛下は短く返事をする。
「…ほぉ。」

「なんの話か、検討はつきますか?」
 マルセルを見て言う

「まずは初代皇后の話からかな。」
 ニコリと私をみて笑うだけマルセルに私も笑顔で返す。

 カレルドを見るが表情は変わらなかった。

「合ってるかい?」
 陛下が私に言う。

「はい。
 あの、凄く失礼なのですが…
 もうすぐこの帝国は300年になりますよね。その間。皇族の血がなくなった事はありますか?…」

 恐る恐る言う私に、陛下は表情を変えず言う。

「そんな記録はないよ。」

「…これは私の推測です。気を悪くしてしまったらすみません。
 …初代皇后陛下は子を成されなかったのではないですか?」

「なぜそう思った?」

「陛下は、私が偶然使ってしまった物質を変える事をしたのは、初代皇后陛下だけだとおっしゃいました。

 初代皇后陛下の血が受け継がれているなら、どこかの子孫が銀髪になったりそれに近かったり、物質の変化が使える方がいてもおかしくない。
 なのに、そんな人は初代皇后陛下しか居ないのはおかしいのです。
 それに…
 初代皇后陛下はイモルキ国のご出身で間違いないでしょう。
 ならば、魔鉱石なしでも力が使えたはずです。それも受け継がれているはずです。
 昨日、私が魔鉱石なしで火を灯した時の
 皇后様と殿下達の反応を見て確信しました。
 知らなかったのだと。
 陛下だけ、知っている可能性も考えましたが…それもないでしょう…」

「なぜだい?」

「…もし、陛下が急死され、次の皇帝が決まっていなければその情報は失われるからです。
 ならば、継承権1位のマルセル殿下にだけにでも伝えていたはずですが、その様子はありませんでした。
 …陛下なら、お二人に伝えそうですしね。」

「こいつらの演技だったのかもよ?」

「ふふ。それはありえませんね。」

「その理由も、一応聞こうか?」

 マルセルとカレルドを見て言う。

「カレルド殿下が大人しく魔鉱石を常に身につけてるのがおかしいからです。
 きっと、「こんな邪魔くさいものいらない。」って言って、魔鉱石を使わず訓練をするでしょう。
 マルセル殿下も、それに触発され魔鉱石を使わず訓練するはずです。
 なんなら、あの後試したのではないですか?」

 マルセルとカレルドはふいっと顔を背けた。

「ははは。完璧だよ。益々君を手放すことは出来ないな。」

「…ありがとうございます」

 “『手放すことが出来ない。』と言うことは既に何が言いたいかわかってるのね…”

「それで?初代皇后と同じ国の血が流れるキミの血を、混ぜていいものか。と考えた訳か?」

「その通りです…
 何か考えがあり、子を成さなかったのであれば、私がその考えを壊すわけには行きません。
 …私がイモルキ国の皇女の娘だと分かった以上。国と国との話にもなってくるはずです。」

「…その通りだと思うよ。」





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