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対策
しおりを挟む私はチラッとカレルドを見る
「まぁ、この者たちなら良いだろう。
どうせもう1人の侍女は気づいているだろうからな。」
ニーナがピクリと反応する。
私が受け取ってしまったジャガイモを一つカレルドが奪い取り食べる。
「お。うまいぞ?」
食べながら言う。
私も釣られてパクっと食べる。
ホクホクで美味しかった。
パチン。食べ終えたカレルドが指を鳴らした。
すると、フワッと風が吹き上げ私達を囲むように風の壁ができた。
「これで外に声が聞こえない。」
「すごい…こんな事できるのね…」
エマが言う
“私もそう思った…”
エノワールが言う。
「この技術は殿下くらいしかできないよ。
普通はこんな事できない。」
話を遮りカレルドが言う。
「そんな事はどうでもいい。
この指輪が気になったんだろ?」
そういい。カレルドがネックレスにつけた指輪をエマに見せ、すぐにシャツの中に隠した。
エマは目をひん剥いてカレルドと私を交互に見た。
ニコっとエマに笑いかけた瞬間抱きついていた
「おめでとうございます!!」
「エマ、ありがとう。」
するとカレルドがエマの肩をポンポンと叩き言う。
「俺は女同士でも嫉妬するから気をつけろ。
エマ。名前を覚えたからな。」
ニヤリと不敵に笑う
バッとエマが私から離れ、手をあげ言う
「も、申し訳ございません!!もうしません!!!」
「ちょっと!私の侍女を脅さないでください!」
エマの側にかけよりカレルドに怒る。
笑うカレルド。
「もう1人の侍女はニーナだったか。
お前はもう分かってたんだろ?
いつからだ?」
ニーナはカレルドの問いに答える。
「2ヶ月ほど前からそうではないかと思っておりました。
確信したのは殿下が持ってこられた薔薇束を見た時です。」
「ほう。意味を知っていたのだな。」
「はい。昔曽祖母が話してくれた事を覚えていました。」
“だからニーナは薔薇をみてビックリしてたのね。。。”
ジャガイモを食べながら話を聞く、
カレルドはさらに続ける。
「ちなみに、そこでイモに食らいついてるエノワールは俺の都合上初めから知っている。」
エノワールは軽く手をあげるだけでジャガイモを食べ続ける。
するとエマが声をあげる。
「え!?知らなかったの私のだけ!?
今日からじゃなくてですか!?!!」
「そうだな。」
カレルドがエマを見て笑う。
エマは私を見る。
「大丈夫よエマ。私もエマと同じような気持ちよ。」
自分だけ気づいていなかった事に落ち込んでるエマを慰める。
「この件はここに居る者しか知らない。
公表はまだしない。
両陛下にも伝えていないから気をつけろ。
あぁ、マルセルも知っている。
アイツには気をつけろ。」
カレルドはニーナとエマに忠告する。
2人は頷く。
「今夜マルセルがアルヤの部屋に来るだろう。意地でも止めろ。
エノワール。お前も付け。」
エノワールは軽く頷く。
するとニーナが言う
「なぜマルセル殿下が今夜来るとわかるのですか?
それに明日の狩猟大会へのエスコートはマルセル殿下だとお聞きしておりますが。」
それにカレルドが答える。
「庭園でアルヤといる所をマルセルに見せつけたからな。
来るだろうと予想だ。
きたら寝てるからとか言って追い返せ。
明日についてはそのままマルセルにエスコートさせていい。
そのまま送り出せ。
人目を気にするアイツは明日は下手な真似しないだろう。
俺がなんとかする。
マルセルはアルヤの妃教育で関わってくる。
コレまでのように接し、勘付かれないようにしろ。」
ニーナとエマは返事をする。
「かしこまりました。」
するとエノワールが言った。
「そんな見せつけたら怒って当然でしょ。
マルセル殿下もお嬢様が好きなの知ってやったんだから
ご自身でお嬢様を護衛しては?」
“それは…言えてるわね。”
カレルドに視線が集まる。
「ああ。いいだろう。
じゃ、お前は俺が指示する事を全てやれよ。
せっかく楽な方を譲ってやったのに。
今夜は寝られないな。」
カレルドがフッと不気味な笑みを見せる。
「な!!くそ、黙っていれば良かった」
エノワールは肩お落とした。
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