歩くよ。散歩。

花乃

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ことばは早くなって

似てる人

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帰り道だった。その日は、急いでいなかった。誰とも合う約束もしていなかった。足元から目線を上にした。ひとり目立つ人がいた。服装は、モノクロ。服装が目立つわけではなかった。なせがわからないけど、気になった。話しかけられる距離だったけどわたしは声をかけられなかった。
「どこかで」
どこかで見た人だった。わたしは遠ざかった。近い距離から離れて行った。アパートまでの道を歩いて行く。見かけた人を特別気にしなかった。アパートで鍵を開けて飲み物を飲んだ。のどを鳴らす。一気に飲み終えた。気になった人を思い出した。友達だ。
近くに住んでいるのは、アパートに招いてもらった事で知っていた。すごく久しぶりに見かけた。相手はすごく気がつく人。だから、こっちにも気がついたかもしれない。相手からは連絡はなかった。なくて当たり前。会ってから数年話もしていない。
ネットでもメールしてなかった。似てた人だった。声をかけなくてよかった。友達とは言い切れないからだ。しばらくは、写真とにらめっこしてたけど、すぐに飽きた。
写真の友達ともよく似ていた。
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