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エミリーとイチャラブしたいからさっさと片付けよう(真剣)
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「アルト様。」
エミリー達と昼食を終えてから和やかに話しているといつものように唐突に後ろにイケメン執事たるジークフリードが現れた。
「どうかしたのか?」
「例の件でご報告が・・・」
「そうか・・・」
チラリと視線をマリーナと話しているエミリーに向けてから俺は断腸の思いで「少し席を外す」と立ち上がった。
なお、その際に握っていたエミリーの手を離した瞬間のエミリーのすごく残念そうな表情と「あっ・・・」という声が聞こえた瞬間に俺は情景反射のレベルでエミリーの額に口づけをした。
「・・・・!?あ、ありゅとしゃま・・・!」
「すぐ戻るから。待っててねエミリー。」
こくりと赤い顔で頷くエミリーからなんとか視線をロインとマリーナに向ける。
「二人ともエミリーをよろしく。すぐ戻るけど・・・」
「大丈夫だよ。それより僕は大丈夫なのかい?」
ロインにも聞いておいてもらいたいところだが・・・
「すぐ済むさ。二人をよろしく。」
「承知したよ。」
すぐに納得したような表情になるロイン。
二人だけを部屋に残すのは危険と判断したのと・・・俺の考えをなんとなく察したのだろう。
俺はすぐに部屋を出て別室へと移動した。
「それで・・・どうだった?」
「結論から言いますとやはり雇われただけの者のようで、依頼もかなり何ヵ所かを経由しているようで元の特定は難しいかと。」
「やはりか・・・」
前の侍女の件からも察してはいたから対して落胆はないが、やはりここで直接的な証拠があれば楽だったから少し残念だ。
「ただ・・・あくまで噂程度の話ですが例の女子生徒がターゲット以外の男性に密かに入れ込んでいるという証言が入手できました。」
「確かか?」
「はい。殿下が参加された社交パーティー以降から密かにどうやらその方にアプローチをしていたらしいです。」
「名前は分かるか?」
「はい。例の女子生徒と同学年のセルゼ・マルート伯爵子息です。」
「セルゼ・マルート・・・」
聞いたことがない名前だ。少なくとも俺がしる原作には出てない名前。
例の女子生徒・・・つまりヒロインたるジェシカなのだが・・・そいつがターゲット(ジェシカハーレム)以外の男に水面下でアプローチをしていた?
しかも、俺の素っ気ない態度の社交パーティー以降に?
分からない・・・原作たる「茨の園」ではメインの俺と結ばれつつも皆とも仲良く!みたいな展開だったはずだが、俺以外のメンバーは全員すでに攻略済みのはず・・・
それなのに、まるで俺に見切りをつけたかのように・・・保険のように別の男に水面下で静かにアプローチする・・・
思えば分からないことだらけだ。
俺の好感度が確実に下がるような行動に取り巻きへの接し方・・・さらに水面下でメンバー以外の男にアプローチをかける。
思えばそう、まるで・・・
「俺に嫌われて、なおかつ取り巻きを俺に排除させようとしているような・・・」
そう、まるで俺に取り巻きを排除させようとしているような見方もできる。
中途半端な俺へのアプローチも、取り巻きが過剰なほどに・・・でもお粗末な方法でエミリーを害そうとしたのもあえてそうさせることで自分は労せずして取り巻きを排除させようとしているのでは?
そう考えると色々納得出きる部分もある。
例えば俺へのアプローチ。普通に考えれば好感度が下がるような行動は俺がエミリー一筋だと見抜いていたからあえてそうしたとか・・・
他にも、取り巻きへの中途半端な説明も水面下で起こっていたジェシカの密かなアプローチを知ってストレス置が上がっていた取り巻きが勝手に暴走するようにあえてそうしたとか・・・
でも、これらの仮定はあくまでヒロインであるジェシカは前世の記憶があるという前提があればこそだし・・・何より分からないのは原作ではモブっぽい男にアプローチをかけるジェシカの行動そのものが謎だ。
いや、まてよ・・・
「ジークフリード。その男子生徒がジェシカと密会していたという証言は?」
「二人きり・・・というのは何度かあるそうです。それもかなり遅い時間帯に。」
「そうか・・・」
俺の推理が合ってるかは分からないが・・・少なくともジェシカには前世の記憶がある可能性が出てきたことは確かだろう。
少し別の物語だったけど、ネット小説で「悪役令嬢に転生したから死亡フラグ回避!」なんてものもあったくらいだし、なにより俺が記憶がある以上他にもそういう人物がいてもおかしくはない。
まあ、それでも別に関係はないか。
「俺にとって大事なのはエミリーの安全だ。」
そう。エミリーといちゃいちゃラブラブ出来ればあとはいらない!
俺にはエミリー成分が圧倒的に足りないのだ!
だから・・・ヒロインが何を企もうがエミリーにこれから害がないなら関係ない。
とりあえずは・・・
「ジークフリード。準備は?」
「すでに整っております。」
「なら、始めよう・・・誰の女に手を出そうとしたのかを思い知らせてやるためにな。」
思惑通り取り巻きを・・・排除してやる!
俺のエミリーに手を出したことを後生後悔するほどにな・・・!
エミリー達と昼食を終えてから和やかに話しているといつものように唐突に後ろにイケメン執事たるジークフリードが現れた。
「どうかしたのか?」
「例の件でご報告が・・・」
「そうか・・・」
チラリと視線をマリーナと話しているエミリーに向けてから俺は断腸の思いで「少し席を外す」と立ち上がった。
なお、その際に握っていたエミリーの手を離した瞬間のエミリーのすごく残念そうな表情と「あっ・・・」という声が聞こえた瞬間に俺は情景反射のレベルでエミリーの額に口づけをした。
「・・・・!?あ、ありゅとしゃま・・・!」
「すぐ戻るから。待っててねエミリー。」
こくりと赤い顔で頷くエミリーからなんとか視線をロインとマリーナに向ける。
「二人ともエミリーをよろしく。すぐ戻るけど・・・」
「大丈夫だよ。それより僕は大丈夫なのかい?」
ロインにも聞いておいてもらいたいところだが・・・
「すぐ済むさ。二人をよろしく。」
「承知したよ。」
すぐに納得したような表情になるロイン。
二人だけを部屋に残すのは危険と判断したのと・・・俺の考えをなんとなく察したのだろう。
俺はすぐに部屋を出て別室へと移動した。
「それで・・・どうだった?」
「結論から言いますとやはり雇われただけの者のようで、依頼もかなり何ヵ所かを経由しているようで元の特定は難しいかと。」
「やはりか・・・」
前の侍女の件からも察してはいたから対して落胆はないが、やはりここで直接的な証拠があれば楽だったから少し残念だ。
「ただ・・・あくまで噂程度の話ですが例の女子生徒がターゲット以外の男性に密かに入れ込んでいるという証言が入手できました。」
「確かか?」
「はい。殿下が参加された社交パーティー以降から密かにどうやらその方にアプローチをしていたらしいです。」
「名前は分かるか?」
「はい。例の女子生徒と同学年のセルゼ・マルート伯爵子息です。」
「セルゼ・マルート・・・」
聞いたことがない名前だ。少なくとも俺がしる原作には出てない名前。
例の女子生徒・・・つまりヒロインたるジェシカなのだが・・・そいつがターゲット(ジェシカハーレム)以外の男に水面下でアプローチをしていた?
しかも、俺の素っ気ない態度の社交パーティー以降に?
分からない・・・原作たる「茨の園」ではメインの俺と結ばれつつも皆とも仲良く!みたいな展開だったはずだが、俺以外のメンバーは全員すでに攻略済みのはず・・・
それなのに、まるで俺に見切りをつけたかのように・・・保険のように別の男に水面下で静かにアプローチする・・・
思えば分からないことだらけだ。
俺の好感度が確実に下がるような行動に取り巻きへの接し方・・・さらに水面下でメンバー以外の男にアプローチをかける。
思えばそう、まるで・・・
「俺に嫌われて、なおかつ取り巻きを俺に排除させようとしているような・・・」
そう、まるで俺に取り巻きを排除させようとしているような見方もできる。
中途半端な俺へのアプローチも、取り巻きが過剰なほどに・・・でもお粗末な方法でエミリーを害そうとしたのもあえてそうさせることで自分は労せずして取り巻きを排除させようとしているのでは?
そう考えると色々納得出きる部分もある。
例えば俺へのアプローチ。普通に考えれば好感度が下がるような行動は俺がエミリー一筋だと見抜いていたからあえてそうしたとか・・・
他にも、取り巻きへの中途半端な説明も水面下で起こっていたジェシカの密かなアプローチを知ってストレス置が上がっていた取り巻きが勝手に暴走するようにあえてそうしたとか・・・
でも、これらの仮定はあくまでヒロインであるジェシカは前世の記憶があるという前提があればこそだし・・・何より分からないのは原作ではモブっぽい男にアプローチをかけるジェシカの行動そのものが謎だ。
いや、まてよ・・・
「ジークフリード。その男子生徒がジェシカと密会していたという証言は?」
「二人きり・・・というのは何度かあるそうです。それもかなり遅い時間帯に。」
「そうか・・・」
俺の推理が合ってるかは分からないが・・・少なくともジェシカには前世の記憶がある可能性が出てきたことは確かだろう。
少し別の物語だったけど、ネット小説で「悪役令嬢に転生したから死亡フラグ回避!」なんてものもあったくらいだし、なにより俺が記憶がある以上他にもそういう人物がいてもおかしくはない。
まあ、それでも別に関係はないか。
「俺にとって大事なのはエミリーの安全だ。」
そう。エミリーといちゃいちゃラブラブ出来ればあとはいらない!
俺にはエミリー成分が圧倒的に足りないのだ!
だから・・・ヒロインが何を企もうがエミリーにこれから害がないなら関係ない。
とりあえずは・・・
「ジークフリード。準備は?」
「すでに整っております。」
「なら、始めよう・・・誰の女に手を出そうとしたのかを思い知らせてやるためにな。」
思惑通り取り巻きを・・・排除してやる!
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