123 / 141
113 双子の姉弟は甘えたい
しおりを挟む
「ぱぱ」
部屋に入るとハイハイしながら近づいてくるミント。最近は掴まり立ちすら出来るようになったミントを抱き上げるとよしよしと微笑む。
「よしよし。大人しくしていたかな?」
「あい」
「そうか。ミントはいい子だな」
そう言うと嬉しそうに微笑む。前より喜怒哀楽がはっきりとしてきており、最近では短い会話なら成立するようになりはじめていた。俺はミントを抱きつつもう一人の方を見ると双子の弟のバジルは積み木をしながらユリーと楽しげにしていた。
「ゆりーできたー」
「・・・お見事ですバジル様」
「へへー」
何やら楽しげな二人に思わず微笑んでからもう一人のミントの専属侍女のレイナに視線を向けて聞くことにする。
「今日はミントは何をして過ごしていた?」
「はい。本日はカリス様がお仕事をされてる間は積み木で遊ばれたり活発に動かれていました」
「それは良かった。しかしあの二人は毎日あの様子だな」
チラリと視線をバジルとユリーに向けるとレイナは苦笑して言った。
「バジル様は大変ユリーになつかれているようなので仕方ないかと。私もミント様に好かれてはいるようですがカリス様には敵いませんね」
「娘というのは年頃までは父親になつきやすいからね」
今のところローリエもミントも素直ないい子だけど、いつか反抗期が来たらどう接するべきか悩むところだ。まあ、どれだけわんぱくでも健やかに育ってくれるならそれ以上望みはしない。そんなことを考えていたらバジルが俺に気がついたのかこちらにハイハイしてやって来た。
「ぱぱ、だっこ」
「はいはい。よっと」
ミントとバジルを片手づつで抱き上げる。赤ん坊とはいえ二人持ち上げて抱き上げるのはそこそこ大変だが可愛い我が子のためなら特に気にならなかった。
「ぱぱ、ぱぱ」
「なんだいミント」
「にぱー」
笑うミントに思わず可愛さに悶えそうになる。ヤバい、我が子が可愛いすぎる!無邪気に笑うミントの天使のような微笑みにやられそうになってると、隣でバジルも同じようにして笑った。
「にぱー」
息子というものもやはり可愛いものだ。うん、我が子達が本日も可愛いようで何よりだ。サーシャのお腹には新しい家族もいることだし、サーシャのフォローとローリエとの交流、そして二人の面倒もきちんと見ないといけないな。ウザいと言われそうなくらいに構って可愛がって、時にはきちんと叱る。まあ、褒めるのは当然だけど本当に悪いことをしたときに怒れる親にならないとね。ローリエは昔の影響でしっかりし過ぎているが、二人には沢山ヤンチャして大きくなって貰いたいものだ。
部屋に入るとハイハイしながら近づいてくるミント。最近は掴まり立ちすら出来るようになったミントを抱き上げるとよしよしと微笑む。
「よしよし。大人しくしていたかな?」
「あい」
「そうか。ミントはいい子だな」
そう言うと嬉しそうに微笑む。前より喜怒哀楽がはっきりとしてきており、最近では短い会話なら成立するようになりはじめていた。俺はミントを抱きつつもう一人の方を見ると双子の弟のバジルは積み木をしながらユリーと楽しげにしていた。
「ゆりーできたー」
「・・・お見事ですバジル様」
「へへー」
何やら楽しげな二人に思わず微笑んでからもう一人のミントの専属侍女のレイナに視線を向けて聞くことにする。
「今日はミントは何をして過ごしていた?」
「はい。本日はカリス様がお仕事をされてる間は積み木で遊ばれたり活発に動かれていました」
「それは良かった。しかしあの二人は毎日あの様子だな」
チラリと視線をバジルとユリーに向けるとレイナは苦笑して言った。
「バジル様は大変ユリーになつかれているようなので仕方ないかと。私もミント様に好かれてはいるようですがカリス様には敵いませんね」
「娘というのは年頃までは父親になつきやすいからね」
今のところローリエもミントも素直ないい子だけど、いつか反抗期が来たらどう接するべきか悩むところだ。まあ、どれだけわんぱくでも健やかに育ってくれるならそれ以上望みはしない。そんなことを考えていたらバジルが俺に気がついたのかこちらにハイハイしてやって来た。
「ぱぱ、だっこ」
「はいはい。よっと」
ミントとバジルを片手づつで抱き上げる。赤ん坊とはいえ二人持ち上げて抱き上げるのはそこそこ大変だが可愛い我が子のためなら特に気にならなかった。
「ぱぱ、ぱぱ」
「なんだいミント」
「にぱー」
笑うミントに思わず可愛さに悶えそうになる。ヤバい、我が子が可愛いすぎる!無邪気に笑うミントの天使のような微笑みにやられそうになってると、隣でバジルも同じようにして笑った。
「にぱー」
息子というものもやはり可愛いものだ。うん、我が子達が本日も可愛いようで何よりだ。サーシャのお腹には新しい家族もいることだし、サーシャのフォローとローリエとの交流、そして二人の面倒もきちんと見ないといけないな。ウザいと言われそうなくらいに構って可愛がって、時にはきちんと叱る。まあ、褒めるのは当然だけど本当に悪いことをしたときに怒れる親にならないとね。ローリエは昔の影響でしっかりし過ぎているが、二人には沢山ヤンチャして大きくなって貰いたいものだ。
1
お気に入りに追加
4,441
あなたにおすすめの小説
記憶を失くした代わりに攻略対象の婚約者だったことを思い出しました
冬野月子
恋愛
ある日目覚めると記憶をなくしていた伯爵令嬢のアレクシア。
家族の事も思い出せず、けれどアレクシアではない別の人物らしき記憶がうっすらと残っている。
過保護な弟と仲が悪かったはずの婚約者に大事にされながら、やがて戻った学園である少女と出会い、ここが前世で遊んでいた「乙女ゲーム」の世界だと思い出し、自分は攻略対象の婚約者でありながらゲームにはほとんど出てこないモブだと知る。
関係のないはずのゲームとの関わり、そして自身への疑問。
記憶と共に隠された真実とは———
※小説家になろうでも投稿しています。
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
【完結】名前もない悪役令嬢の従姉妹は、愛されエキストラでした
犬野きらり
恋愛
アーシャ・ドミルトンは、引越してきた屋敷の中で、初めて紹介された従姉妹の言動に思わず呟く『悪役令嬢みたい』と。
思い出したこの世界は、最終回まで私自身がアシスタントの1人として仕事をしていた漫画だった。自分自身の名前には全く覚えが無い。でも悪役令嬢の周りの人間は消えていく…はず。日に日に忘れる記憶を暗記して、物語のストーリー通りに進むのかと思いきや何故かちょこちょこと私、運良く!?偶然!?現場に居合わす。
何故、私いるのかしら?従姉妹ってだけなんだけど!悪役令嬢の取り巻きには絶対になりません。出来れば関わりたくはないけど、未来を知っているとついつい手を出して、余計なお喋りもしてしまう。気づけば私の周りは、主要キャラばかりになっているかも。何か変?は、私が変えてしまったストーリーだけど…
光の王太子殿下は愛したい
葵川真衣
恋愛
王太子アドレーには、婚約者がいる。公爵令嬢のクリスティンだ。
わがままな婚約者に、アドレーは元々関心をもっていなかった。
だが、彼女はあるときを境に変わる。
アドレーはそんなクリスティンに惹かれていくのだった。しかし彼女は変わりはじめたときから、よそよそしい。
どうやら、他の少女にアドレーが惹かれると思い込んでいるようである。
目移りなどしないのに。
果たしてアドレーは、乙女ゲームの悪役令嬢に転生している婚約者を、振り向かせることができるのか……!?
ラブラブを望む王太子と、未来を恐れる悪役令嬢の攻防のラブ(?)コメディ。
☆完結しました。ありがとうございました。番外編等、不定期更新です。
悪役令嬢?いま忙しいので後でやります
みおな
恋愛
転生したその世界は、かつて自分がゲームクリエーターとして作成した乙女ゲームの世界だった!
しかも、すべての愛を詰め込んだヒロインではなく、悪役令嬢?
私はヒロイン推しなんです。悪役令嬢?忙しいので、後にしてください。
悪役令嬢に転生したので、やりたい放題やって派手に散るつもりでしたが、なぜか溺愛されています
平山和人
恋愛
伯爵令嬢であるオフィーリアは、ある日、前世の記憶を思い出す、前世の自分は平凡なOLでトラックに轢かれて死んだことを。
自分が転生したのは散財が趣味の悪役令嬢で、王太子と婚約破棄の上、断罪される運命にある。オフィーリアは運命を受け入れ、どうせ断罪されるなら好きに生きようとするが、なぜか周囲から溺愛されてしまう。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる