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11 ご褒美はケーキ
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「ただいま」
「おかえりなさいませ。旦那様。ローリエ」
パーティーを終えて、ローリエと共に屋敷に戻ると出迎えてくれたのは最愛の妻のサーシャだった。可愛い奥さんを見て俺はだらしなく緩みそうになる頬を押さえて紳士スマイルで言った。
「いつも出迎えありがとう。サーシャを見ると私も元気になれるよ」
「・・・と、当然のことです。私は、旦那様の妻なのですから」
照れつつも嬉しそうにそう言うサーシャ。やはり俺の嫁は可愛い!と、そんなことを考えていると、ローリエが俺の服の袖をひっぱってから控えめに言った。
「おとうさま・・・あ、あの・・・」
「わかってる。お菓子ならこれから用意するから少し待っててくれるか?」
そう言うとパアッと表情を明るくするローリエ・・・単純で可愛いが、こんな天使なような娘をいつか他の男にやらねばならいないとなると、複雑な気持ちだ・・・反抗期の時の対処も考えないとダメかな?
と、そんなことより・・・
「サーシャ。これからお菓子を作るつもりなんだが・・・よければ皆でお茶にしよう」
「これからですか?お疲れでは・・・?」
心配そうにそう言ってくるサーシャ。優しい嫁にほっこりとしつつも俺は笑顔で言った。
「可愛い嫁と娘のためならなんてことないさ。二人の笑顔が私にとっては何よりの宝だからね」
渋いオッサンのできる限りのイケメンスマイルにサーシャは顔を赤くして『嬉しいけど、娘の前だから我慢!』というような様子を見せるものだから、今すぐ抱き締めて部屋にお持ち帰りして食べたい衝動を抑えるのに必死になった。
耐えろーーーせめて夜まで待て俺よ・・・。そんな邪念を消し去ろうとする俺と、恥ずかしそうなサーシャを見て無垢に首を傾げるローリエはまさに天使としか例えようがなかったのだった。
「さてと・・・」
邪念をなんとか抑えてから俺は厨房に立っていた。二人は今頃くつろいでいるだろうから、早めに作るつもりだが・・・
「とりあえず、こないだ試したあれを作ってみるか」
俺は材料を用意すると早速調理にかかった。
とはいえ、対して時間がかかるわけでもないので、用意した材料を混ぜてから、オーブンで加熱するだけで済む。
まあ、あとは余熱をとってから盛り付けて完成ーーーほとんど説明する手間も必要はない。強いて言えば材料にもっといいものがあればいいのだが・・・こればかりは仕方ないので、用意できる最高の材料で試行錯誤するしかない。
お菓子を作る渋いオッサン(しかも公爵)はかなりシュールかもしれないが・・・二人の愛しい人のためならどんなことでも出来る覚悟がある俺からすれば些細な問題だ。
最近では、調理場への出入りが多くなり、屋敷の料理人達ともすっかり仲良くなってしまったが・・・まあ、二人が少しでも美味しいと笑ってくれるなら頑張れる。
「おや・・・帰ってきて早速料理ですか?」
「ジークか」
そうして、二人のことを考えながら調理を終えて一息ついていると、執事のジークが調理場に顔を出した。
最初の頃はここに俺がいることに対して大層驚いていたジークだったが・・・すっかり慣れたのか最近は少し物足りない反応になってきてしまった。まあ、別にオッサンの反応を楽しむ趣味はないが・・・やはり、意図してないサプライズは人を驚かすにはもってこいだから、ついつい少年心が反応してしまうのは仕方ないだろう。
「カリス様にお話があって来たのですが・・・今大丈夫ですか?」
「ああ。あとは盛り付けだけだが・・・どうかしたのか?」
「実はですね・・・セレナ様から、お茶会の招待状が先程届きました」
「セレナ様から?」
「はい。こちらです」
そう言って渡されたのは間違いなく王家公認の印が押された質のいい招待状ーーーそこには間違いなくローリエ宛のお茶会への参加を促す内容が書かれていた。ふむ・・・
「どうなされますか?」
「とりあえず、ローリエには私から話をしておこう」
とはいえ、流石に第二王女からの直々の招待状を断る選択肢はほとんどないが・・・ローリエがどうしても嫌なら俺の力の限りを尽くして断る所存ではあった。娘と妻のためなら俺はなんでも出来るからね!
「おかえりなさいませ。旦那様。ローリエ」
パーティーを終えて、ローリエと共に屋敷に戻ると出迎えてくれたのは最愛の妻のサーシャだった。可愛い奥さんを見て俺はだらしなく緩みそうになる頬を押さえて紳士スマイルで言った。
「いつも出迎えありがとう。サーシャを見ると私も元気になれるよ」
「・・・と、当然のことです。私は、旦那様の妻なのですから」
照れつつも嬉しそうにそう言うサーシャ。やはり俺の嫁は可愛い!と、そんなことを考えていると、ローリエが俺の服の袖をひっぱってから控えめに言った。
「おとうさま・・・あ、あの・・・」
「わかってる。お菓子ならこれから用意するから少し待っててくれるか?」
そう言うとパアッと表情を明るくするローリエ・・・単純で可愛いが、こんな天使なような娘をいつか他の男にやらねばならいないとなると、複雑な気持ちだ・・・反抗期の時の対処も考えないとダメかな?
と、そんなことより・・・
「サーシャ。これからお菓子を作るつもりなんだが・・・よければ皆でお茶にしよう」
「これからですか?お疲れでは・・・?」
心配そうにそう言ってくるサーシャ。優しい嫁にほっこりとしつつも俺は笑顔で言った。
「可愛い嫁と娘のためならなんてことないさ。二人の笑顔が私にとっては何よりの宝だからね」
渋いオッサンのできる限りのイケメンスマイルにサーシャは顔を赤くして『嬉しいけど、娘の前だから我慢!』というような様子を見せるものだから、今すぐ抱き締めて部屋にお持ち帰りして食べたい衝動を抑えるのに必死になった。
耐えろーーーせめて夜まで待て俺よ・・・。そんな邪念を消し去ろうとする俺と、恥ずかしそうなサーシャを見て無垢に首を傾げるローリエはまさに天使としか例えようがなかったのだった。
「さてと・・・」
邪念をなんとか抑えてから俺は厨房に立っていた。二人は今頃くつろいでいるだろうから、早めに作るつもりだが・・・
「とりあえず、こないだ試したあれを作ってみるか」
俺は材料を用意すると早速調理にかかった。
とはいえ、対して時間がかかるわけでもないので、用意した材料を混ぜてから、オーブンで加熱するだけで済む。
まあ、あとは余熱をとってから盛り付けて完成ーーーほとんど説明する手間も必要はない。強いて言えば材料にもっといいものがあればいいのだが・・・こればかりは仕方ないので、用意できる最高の材料で試行錯誤するしかない。
お菓子を作る渋いオッサン(しかも公爵)はかなりシュールかもしれないが・・・二人の愛しい人のためならどんなことでも出来る覚悟がある俺からすれば些細な問題だ。
最近では、調理場への出入りが多くなり、屋敷の料理人達ともすっかり仲良くなってしまったが・・・まあ、二人が少しでも美味しいと笑ってくれるなら頑張れる。
「おや・・・帰ってきて早速料理ですか?」
「ジークか」
そうして、二人のことを考えながら調理を終えて一息ついていると、執事のジークが調理場に顔を出した。
最初の頃はここに俺がいることに対して大層驚いていたジークだったが・・・すっかり慣れたのか最近は少し物足りない反応になってきてしまった。まあ、別にオッサンの反応を楽しむ趣味はないが・・・やはり、意図してないサプライズは人を驚かすにはもってこいだから、ついつい少年心が反応してしまうのは仕方ないだろう。
「カリス様にお話があって来たのですが・・・今大丈夫ですか?」
「ああ。あとは盛り付けだけだが・・・どうかしたのか?」
「実はですね・・・セレナ様から、お茶会の招待状が先程届きました」
「セレナ様から?」
「はい。こちらです」
そう言って渡されたのは間違いなく王家公認の印が押された質のいい招待状ーーーそこには間違いなくローリエ宛のお茶会への参加を促す内容が書かれていた。ふむ・・・
「どうなされますか?」
「とりあえず、ローリエには私から話をしておこう」
とはいえ、流石に第二王女からの直々の招待状を断る選択肢はほとんどないが・・・ローリエがどうしても嫌なら俺の力の限りを尽くして断る所存ではあった。娘と妻のためなら俺はなんでも出来るからね!
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