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5 予期せぬ招待

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「ベルン公爵家から?」
「ええ、先程届きました」

うろ覚えの○リーズブ○トキャンプをして汗を流しているとそんな報告をする執事のマイケル。汗を拭いてから手紙を開けると、そこには先日話した悪役令嬢のドロテア・ベルン公爵令嬢からのお茶会への誘いが書いてあった。

嬉しいけど何故に……

「ベルン公爵家といえば確かケーニッヒ殿下の婚約者がいらっしゃるとか。ベスター様まさか……」
「いやいや、手は出してないから」

………少なくともまだ。というか、彼女が物語からフェイドアウトするまでそんなことはしないが。というか、こんなデブのままじゃ可哀想だしね。

それに現在彼女の年齢は13歳。対する俺は現在21歳とそこそこ年齢差がある。(21)と手書きで寄せて書けばロリと見える年齢だ。………話が脱線したね。

「一昨日の夜会で話す機会があったんだよ」
「はぁ……失礼いたしました。近頃のベスター様は年下を好んでいたようなので」

うん、ベスターさんの信用ゼロだね。まあ、マイルドに言っても女癖が前は良くなかったし、お金で無理矢理抱いてたからねぇ。今の俺から言わせれば好きでもない女を抱いて何が楽しいのやら。

にしても……こんなデブをお茶に誘うメリットは果たしてあるのだろうか?手紙には先日のお礼と書かれていたけど……何もしてない気がする。それに婚約者でもない上に好きでもないデブを呼ぶメリットがまるで無いよねぇ……変な勘違いで攻略対象からの株を下げることにもなりかねない。

まあ、大人びていても13歳だしその辺は深く考えてないかもだし、あるいは俺自身異性として見られてないのかも。その場合は無害な豚アピールでもするとしよう。

「マイケル、仕事に戻る。返事は急ぎ書くから早急に届けてくれ」
「かしこまりました。時にベスター様、お伺いしたいのですが」
「なんだ?」
「どなたかと身を固める気にはなりませんか?」
「………見合いの話か?」

本格的に仕事をやるようになって度々話題になるが、どうにも立場上誰かを迎える必要があるみたいだ。まあ、選ばれた娘は完全に生贄のような気分だろうけど………その点前のベスターさんの方が融通が効いただろう。

何しろ女遊びが盛んで下衆な彼は仕事よりも私欲を優先してたから、ああして罰ゲーム要因になるまではフリーでいられたのだろう。俺が変にしっかりとやり始めたから使用人も俺に希望を持ってしまったようだし。

とはいえ、俺は出来れば悪役令嬢のドロテアと結ばれたいのだ。いや、彼女が他の男を選ぶ可能性の方が高いしその時はそちらを手助けして身を引く覚悟はあるけど、可能性があるうちはフリーでいたいのだ。だから……

「もう少しだけ待て。この体と性格では相手に失礼だからな」
「内面はそろそろ良さそうですが……わかりました」

デブなのはやはり大きな壁だろう。デブ専なら希望はあるが……男のデブってそうそう需要ないだろうしね。ましてやドロテアくらいの年頃ならカッコイイ爽やか系を所望しそうだしね。

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