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15 任務!

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「子供達の様子はどうだ?グロ爺?」

いつも通り、攻略対象だけ来ないのは変わらずに魔法を教えて帰ろうとしたら何故か陛下に呼び出しを受けた。それを聞くためだけに俺の時間を割いたとは思わないが・・・なんか厄介事の前フリみたいで嫌になる。

「皆様、陛下やお后様方に似てとても才気溢れております」
「ルクスはどうだ?」
「・・・ご存知なのでは?」

授業に来てないのは知ってるだろうに意地悪な質問をする陛下にそう聞くとため息をついて言った。

「まあな。上が優秀で少しひねくれてしまってな。そのうち参加させよう」
「かしこまりました」
「時に・・・あれはどうだ?元気にしてるか?」
「・・・エミリア様のことでしょうか?」

名前で呼んで欲しいが・・・まあ、難しいか。

「エミリア様なら、我が孫とすっかり仲良くなりまして。元気に日々色々なことに挑戦しております」
「それならば良かった・・・時にグロ爺。もしもあれのような不当な扱いを受けている子供が沢山いたらどうする?」

物凄く嫌な予感がする質問。断りたいが・・・ここで下手な発言をしてリリィに知られたらお爺ちゃんのメンツがなぁ・・・

「私の手の届く範囲ならば救いたいと思います」
「そうか。ぺド伯爵は知っているな?」
「ええ、一応」

あんまりいい噂を聞かない貴族だね。なんでも裏の仕事を率先してやってて、人身売買や薬もやってるとか。まあ、今のところ大きな証拠もなくて国としても動けてないらしいが。

「先日、非合法な奴隷市場が別の貴族の領地で発覚したのだが・・・その中に僅かではあるが、忌み子が混じっていたのだ」
「・・・なるほど」
「言うまでもないが、我が国は人身売買を禁じている。そして更に忌み子が売りに出されていたとなると使い道は自ずとわかるな?」

違法な薬の実験、性的な扱い、忌み子は安価で壊れても誰も心が痛まないというのが皆様の常識らしい。胸糞悪いが。玩具のように扱われて壊れたら殺される。想像するだけで吐き気がしてくる。

「これが普通の人間なら特に心配することなく兵を動かせるが・・・忌み子が混じってるとなると話が違ってくる」
「まあ、大体の人間が嫌悪感を示して最悪、事故として処理しそうですしね」

アルビノや双子といった存在は本来生まれてきたら殺してしまう。生き延びたとしてもロクな扱いを受けず、玩具にされて殺される。例え誇り高い騎士でも、忌み子は悪として現場で殺しかねない。

だからこそ・・・

「私が行って抑制しろということですね」
「そうだ。可能なら貴公に引き取って貰いたい」

いつから我が家は駆け込み寺になったのだろうか・・・でも、見殺しにするのは後味悪いし、何より子供には何の罪もないのだ。それに常にカッコイイ祖父というものを貫くには断われないしねぇ・・・

「かしこまりました。出来うる限り善処します」
「少ないが補助のための資金も用意しておこう」
「いえ、それには及びません。別の方法で資金は集めます。何よりここで陛下が少しでも資金を出せば他の貴族がうるさいです」
「・・・わかった。だが、何かあれば国として無理をしてでも助けると約束しよう」
「ありがとうございます」

さてさて、引き受けてしまった以上出来ることはやらないとね。俺はせめて可愛い孫とエミリアを愛でて癒されてから仕事にかかろうと重い腰をなんとか上げて進むのだった。



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